ユナイテッド航空の四半期決算|コロナで資本比率は11%?

コロナによる世界的な都市封鎖で、航空会社の株価は半分以下にまで暴落しました。しかしながら、コロナ危機が一時的な事象ならば、近い将来に株価を戻す可能性は高いですね。では、株価が暴落したユナイテッド航空に投資すれば、私たち投資家は利益を得られるのでしょうか?

  • 「暴落した航空業界の株を買えば、経済回復後に利益を得られる…」
  • 「世界中の人々が活動を始めたら、株価は2倍になるはずだ…」
  • 「大手航空会社4社で、どの会社が1番安全に儲けられるだろうか…」

ユナイテッド航空は1924年に設立された、世界で2番目に大きい航空会社です。コロナ危機で業績が一時的に低迷するも、経済が本格的に再開すれば元の株価に戻る可能性は高いですね

しかしながら、ユナイテッド航空を含めて、全ての航空株は長期保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、競争が激しい航空会社は、過去に何度も経営破綻に陥り破産申請法を適用しているからです。13年以降に航空株が好調だったのは、世界的な景気回復と原油価格の低迷に支えられていたからです。そのため、コロナ危機で回復したとしても景気が鈍化すれば再び苦境に陥ります。

ユナイテッド航空は営業利益が高い利点があるが、自己資本比率は11%まで急落しています赤字経営が2〜3四半期続けば、高い確率で債務超過に陥ると予想できますね。おそらく、航空会社全般が黒字化できるのは、21年後半になると思います。

ユナイテッド株の投資判断したい人向け
  1. ユナイテッド株の4半期決算(2020年4-6月)は?
  2. ユナイテッド株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 大手航空会社4社の中で、最も安全に投資できる理由は?

ユナイテッド航空(UAL)の四半期決算は?

ユナイテッド航空の四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:79.79億ドル(前年比−16%
  2.  Passenger:70.65億ドル(−19%)
  3.  Cargo:2.64億ドル(−7%)
  4.  Other:6.50億ドル(+12%
  5. 営業利益:−9.72億ドル(前年度4.95億ドル
  6. 純利益:−17.04億ドル(前年度2.92億ドル
  7. 1株当たり利益:−6.86ドル(前年度1.09ドル)

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:14.75億ドル(前年比−87%
  2.  Passenger:6.81億ドル(−93%)
  3.  Cargo:4.02億ドル(+36%
  4.  Other:3.92億ドル(−36%)
  5. 営業利益:−16.37億ドル(前年度14.72億ドル
  6. 純利益:−16.27億ドル(前年度10.52億ドル
  7. 1株当たり利益:−5.79ドル(前年度4.02ドル)

第3Q決算(2020年9月30日)

第3Q決算の内容は...
  1. 売上高:24.89億ドル(前年比−78%
  2.  Passenger:16.49億ドル(−84%)
  3.  Cargo:4.22億ドル(+49%
  4.  Other:4.18億ドル(−32%)
  5. 営業利益:−16.15億ドル(前年度14.73億ドル
  6. 純利益:−18.41億ドル(前年度10.24億ドル
  7. 1株当たり利益:−6.33ドル(前年度3.99ドル)

ユナイテッド航空は、1926年に設立された世界で3番手の航空会社です。ユナイテッド航空も02年に経営破綻に陥り再建を果たしています。10年に全米4位のコンチネンタルと経営統合し、世界3位の航空会社が誕生しました。

路線数は全部で1176便、米国内線が875便で全体の74%を占めます。

20年3Qの売上高は78%減で24.89億ドル、営業利益はマイナス16.15億ドルでした。売上高は2Qよりも改善しているが、営業損失は横ばいです。ユナイテッド航空が営業赤字を脱出するには、21年半期頃になるかもしれないですね。

第4Q決算(2021年2月…)

2021年2月に公開予定。

では、ユナイテッド航空の売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

ユナイテッド航空(UAL)の10年間の損益計算書は?

景気敏感株である航空株は、2008年に大きく低迷していますね。しかしながら、景気回復を始めた13年以降は順調に株価は回復し、18年に最高値である96ドルを付けています。しかしながら、コロナ危機で再び業績が悪化し、20年10月は37ドル前後で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高も営業利益率も安定して推移しているとは言えません。米国の航空会社は競争が激しく、安定して利益を出すのが難しいビジネスだと分かります19年に10%前後だった営業利益率は、コロナの影響で0.3%まで急落しています。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

BPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は、15年以降は比較的に安定していると言えますね。航空業界全般に言える事だが、BPSが大きく改善しているのは自社株買いを行っているからですしかしながら、20年の景気後退でBPSもEPSも大きく悪化していますね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、安定していない事が分かりますね。営業CFが大きく減少し、フリーCFが赤字になる年もあります。コロナ危機の影響で、20年のCFは再び赤字に陥っています。

では、私たち投資家はユナイテッド航空株をどのように投資判断すれば良いのでしょうか?

ユナイテッド航空に投資する上で注目ポイントは?

ユナイテッドエアラインに投資する上での注目すべきポイントを紹介します。

注目1:売上高415億ドルで世界3位の航空会社である?

売上高ランキング
  1. アメリカン航空(米):430億ドル
  2. デルタ航空(米):421億ドル
  3. ユネイテッドコンチネンタル航空(米):415億ドル
  4. ルフトハンザ航空(独):383億ドル
  5. エールフランス-KLM(仏、蘭):291億ドル
  6. エミレーツ航空(UAE):279億ドル
  7. インターナショナルエアライズグループ(西、英):260億ドル
  8. サウスウエスト航空(米):212億ドル
  9. 中国南方航空(中):197億ドル
  10. ANAホールディングス航空(日):178億ドル

参考:【2018年】航空会社(エアライン)の売上ランキング世界&国内

2018年の世界の航空会社の売上高ランキングです。

ユナイテッド航空は米国で3番手、世界でも3番手の航空会社です。米国の上位3航空会社は、売上高に大きな差はありません。そんため、年度によって順位は入れ替わります。

ユナイテッド航空も過去に経営破綻した航空会社です。2002年に経営破綻に陥り再建しています。10年に全米4位のコンチネンタルと統合した事で、世界3位の航空会社が誕生しました。18年時点で760機を保有し、毎年1億4千万人が利用しています。

では、将来の航空業界はどのように成長するのでしょうか?

注目2:世界の航空旅客数は年率4.6%で拡大している?

参考:成田空港の現状と将来

成田空港における、世界の航空旅客輸送量の予測です。

世界の旅客者数は、年率4.6%の右肩上がりで上昇します。2036年には、アジアの旅客者数が最も多く年率5.5%で成長し6469億人まで増加します上昇率が大きい地域は、中東や中南米などの途上国ですね。世界全体でも、37年までに2倍のペースで拡大します。

コロナで旅客数が減少しても、一時的な事象だと言えますね。では、20年のコロナ危機で航空業界はどれほど影響を受けたのでしょうか

注目3:コロナで海外旅客者数は前年比2.9%に急落した?

2020年 4月 5月 6月 7月 8月
国際線 旅客者数 34,976 24,179 32,427 33,597 37,239
前年比 4.2% 2.9% 3.8% 3.7% 4.0%
国内線 旅客者数 270,468 155,018 562,738 836,529 961,337
前年比 8.8% 4.5% 17.6% 24.4% 23.7%

参考:ANAグループ実績(2020年7月)

ユナイテッド航空ではなく、日本のANAの旅客者数推移です。コロナ環境下では、日本も米国も同じように推移すると仮定しています。

国際線も国内線も、最も影響を受けたのは経済停止後の5月ですね。国際線が6月以降も低迷を続けるのに対し、国内線はいち早く回復している事が分かります米国でも同様です。デルタ航空CEOは、7月の国内線運航便数を5月の倍とする計画を示しています(参考:7月は現行より74%増便へ)。

コロナ環境下では、国際線よりも国内線の方が早く回復する事が見込めます。

ユナイテッド航空の国内線は、全体の74%を占めます。そのため、国内線から徐々に回復する事が見込まれますね。では、航空会社に乗客が戻ってくるまでに、ユナイテッド航空は財務的に持ち堪えられるでしょうか?

注目4:コロナで自己資本比率は11%まで急落?

ユナイテッド航空の負債総額と自己資本比率です。

20年(TTM)の負債総額は、コロナ危機の影響で増加している事が分かりますね。自己資本比率は、21%から11%まで急落しています14年以前ほど悪い財務ではないが、過去6年間で最も低い水準に陥りましたね。

国内線の乗客数は徐々に戻しているが、20年3Qや4Qも赤字になる事が予想できます。そのため、この状況が2〜3四半期も続けば、債務超過に陥る可能性は高いですね米国航空会社の中で、コロナ環境下でも財務が健全なのはサウスウェスト航空だけです。

参考:サウスウェスト航空の四半期決算|自己資本は30%で安全?

ユナイテッド航空株を購入するべきか?

ユナイテッド株に投資すべきでない理由は...
  1. コロナで20年の売上高は、3割まで急落した
  2. コロナで営業利益率は、10%から0.3に急落した
  3. 資本比率は11%まで急落、コロナが続けば債務超過に陥る
  4. フリーCFは不安定で、コロナ以前にも赤字の年がある
  5. 同時期のサウスウェスト航空の資本比率は30%と高い
  6. 国内線が95%を占めるサウスウェストの方が回復が早い

ユナイテッド航空を含めて、個人的には航空株は長期で投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、競争が激しい航空会社は、過去に何度も経営破綻に陥り破産申請法を適用しているからです。13年以降に航空株が好調だったのは、米国の好景気に支えられていたからですね。そのため、今回のコロナ危機で立ち直ったとしても景気後退が始まれば、再び業績は悪化します。

コロナの逆張りで航空会社を選ぶならば、サウスウェスト航空に投資します。

なぜならば、サウスウェスト航空は財務が健全で、コロナ環境下でも自己資本比率が30%と高いからです。同時期にユナイテッド航空の資本比率は11%だけです。おそらく、赤字決算が2〜3四半期続けば、ユナイテッド航空も債務超過に陥る可能性が高いですね。

まとめ:ユナイテッド(UAL)の四半期決算は?

ユナイテッド株の特徴は...
  1. 1924年に創業した、世界3番手の大手航空会社である
  2. 路線数は1176便、国内線が875便で全体の74%を占める
  3. 02年に米国破産法を適用し、経営再建に成功する
  4. 米国4位のコンチネンタル航空と合弁し、番手の航空会社になる
  5. コロナで営業利益率は、10%から0.3%に急落する
  6. 自己資本比率は11%まで急落、20年末に債務超過に陥る
  7. 財務的にはサウスウェスト航空が良く、安全に逆張り投資できる

ユナイテッド航空は1924年に設立された、世界で2番目に大きい航空会社です。コロナ危機で業績が一時的に低迷するも、経済が本格的に再開すれば元の株価に戻る可能性は高いですね

しかしながら、ユナイテッド航空を含めて、全ての航空株は長期保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、競争が激しい航空会社は、過去に何度も経営破綻に陥り破産申請法を適用しているからです。13年以降に航空株が好調だったのは、世界的な景気回復と原油価格の低迷に支えられていたからです。そのため、コロナ危機で回復したとしても景気が鈍化すれば再び苦境に陥ります。

ユナイテッド航空は営業利益が高い利点があるが、自己資本比率は11%まで急落しています赤字経営が2〜3四半期続けば、高い確率で債務超過に陥ると予想できますね。おそらく、航空会社全般が黒字化できるのは、21年後半になると思います。

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