デルタ航空の四半期決算|コロナで資本比率は4%まで急落?

コロナによる世界的な都市封鎖で、航空会社の株価は半分以下にまで暴落しました。しかしながら、コロナ危機が一時的な事象ならば、近い将来に株価を戻す可能性は高いですね。では、株価が暴落したデルタ航空に投資しれば、私たち投資家は利益を得られるのでしょうか?

  • 「暴落した航空業界の株を買えば、経済回復後に利益を得られる…」
  • 「世界中の人々が活動を始めたら、株価は2倍になるはずだ…」
  • 「大手航空会社4社で、どの会社が1番安全に儲けられるだろうか…」

デルタ航空は1924年に設立された、世界で2番目に大きい航空会社です。コロナ危機で業績が一時的に低迷するも、経済が本格的に再開すれば元の株価に戻る可能性は高いですね。

しかしながら、デルタ航空を含めて、全ての航空株は長期保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、競争が激しい航空会社は、過去に何度も経営破綻に陥り破産申請法を適用しているからです。13年以降に航空株が好調だったのは、世界的な景気回復と原油価格の低迷に支えられていたからです。そのため、コロナ危機で回復したとしても景気が鈍化すれば再び苦境に陥ります。

デルタ航空は営業利益が高い利点があるが、自己資本比率は4%まで急落しています20年3Qや4Qに赤字を脱却できなければ、高い確率で債務超過に陥ります。おそらく、航空会社が黒字化するのは、21年後半になると思います。

デルタ株の投資判断したい人向け
  1. デルタ株の4半期決算(2020年7-9月)は?
  2. デルタ株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 大手航空会社4社の中で、最も安全に投資できる理由は?

 デルタ航空(DAL)の四半期決算は?

デルタ航空の四半期決算の結果を紹介します。。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:85.92億ドル(前年比−18%
  2.  Passenger:75.69億ドル(−18%)
  3.  Cargo:1.52億ドル(−21%)
  4.  Other:8.71億ドル(−15%)
  5. 営業利益:−4.10億ドル(前年度10.20億ドル
  6. 純利益:−5.34億ドル(前年度7.30億ドル
  7. 1株当たり利益:−0.84ドル(前年度1.09ドル)

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:14.68億ドル(前年比−88%
  2.  Passenger:6.78億ドル(−94%)
  3.  Cargo:1.08億ドル(−42%)
  4.  Other:6.82億ドル(−31%)
  5. 営業利益:−48.15億ドル(前年度21.28億ドル
  6. 純利益:−57.17億ドル(前年度14.43億ドル
  7. 1株当たり利益:−9.01ドル(前年度2.21ドル)

第3Q決算(2020年9月30日)

第3Q決算の内容は...
  1. 売上高:30.62億ドル(前年比−76%
  2.  Passenger:19.38億ドル(−83%)
  3.  Cargo:1.42億ドル(−25%)
  4.  Other:9.82億ドル(+2%)
  5. 営業利益:−63.86億ドル(前年度20.71億ドル
  6. 純利益:−53.79億ドル(前年度7.41億ドル
  7. 1株当たり利益:−8.47ドル(前年度2.31ドル)

デルタ航空は、1924年に設立した米国2番手の航空会社です。2005年に破産申請法を適用し、07年に経営再建に成功しました。08年に全米5位のノースウエスト航空と合併する事で、世界2位の航空会社になります。

路線数は全部で872便、米国内線が674便で全体の77%を占めます

20年3Qの売上高は76%減で30.62億ドル、営業利益はマイナス63.86億ドルでした売上高は2Qよりも大きく改善していますね。しかしながら、営業損失は2Qよりも拡大しています。営業赤字を脱出するのは、21年半期頃になると予想できます。

第4Q決算(2021年2月…)

2021年2月に公開予定。

では、デルタ航空の売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

デルタ航空(DAL)の10年間の損益計算書は?

景気敏感株である航空株は、2008年に大きく低迷していますね。しかしながら、景気回復を始めた13年以降は順調に株価は回復し、20年に最高値である60ドルを付けています。しかし、コロナ危機で再び業績が悪化し、20年10月は31ドル前後で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、20年以前は売上高も営業利益率も安定していた事が分かります。19年の営業利益率は22%と高く、他の大手航空会社よりも大幅に高いですこれは、デルタ航空はコストを切り詰める事で、高い利益率を維持してきたと言えます。

しかしながら、コロナ危機で業績は急激に悪化しています。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

BPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は、13年以降は比較的に安定していると言えますね。13年以降は、世界的な景気回復と原油価格の低迷で航空業界全般は好調でしたねしかしながら、20年のコロナ危機で状況が大きく変わりました。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、黒字を維持しているが若干安定していません。営業CFと投資CFは大きく波があると言えますね。20 年のCFも、他の数値と同様に大きく悪化しています。

では、私たち投資家はデルタ航空株をどのように投資判断すれば良いのでしょうか?

デルタ航空(DAL)に投資する上で注目ポイントは?

デルタ航空に投資する上で注目すべきポイントを紹介します。

注目1:売上高421億ドルで世界2位の航空会社である?

売上高ランキング
  1. アメリカン航空(米):430億ドル
  2. デルタ航空(米):421億ドル
  3. ユネイテッドコンチネンタル航空(米):415億ドル
  4. ルフトハンザ航空(独):383億ドル
  5. エールフランス-KLM(仏、蘭):291億ドル
  6. エミレーツ航空(UAE):279億ドル
  7. インターナショナルエアライズグループ(西、英):260億ドル
  8. サウスウエスト航空(米):212億ドル
  9. 中国南方航空(中):197億ドル
  10. ANAホールディングス航空(日):178億ドル

参考:【2018年】航空会社(エアライン)の売上ランキング世界&国内

2018年の世界の航空会社の売上高ランキングです。

デルタ航空は米国で2番手、世界でも2番手の航空会社です。デルタ航空は2005年の原油価格高騰で収益が悪化、加えてハリケーンによって同社の基盤であるアメリカ南部が大きく被害を受けました。その結果、経営難に陥り05年にCapter11を申請しています

その後は、07年にChapter 11から脱却、経営再建に成功しています。08年には全米5位のノースウエスト航空と合併し、現在のデルタ航空に至ります。

18年は876機の航空機を運行し、毎年1億8千万人に利用されています。では、将来の航空業界はどのように成長するのでしょうか?

注目2:世界の航空旅客数は年率4.6%で拡大している?

参考:成田空港の現状と将来

成田空港における、世界の航空旅客輸送量の予測です。

世界の旅客者数は、年率4.6%の右肩上がりで上昇します。2036年には、アジアの旅客者数が最も多く年率5.5%で成長し6469億人まで増加します上昇率が大きい地域は、中東や中南米などの途上国ですね。世界全体でも、37年までに2倍のペースで拡大します。

コロナで旅客数が減少しても、一時的な事象だと言えますね。では、20年のコロナ危機で航空業界はどれほど影響を受けたのでしょうか?

注目3:コロナで海外旅客者数は前年比2.9%に急落した?

2020年 4月 5月 6月 7月 8月
国際線 旅客者数 34,976 24,179 32,427 33,597 37,239
前年比 4.2% 2.9% 3.8% 3.7% 4.0%
国内線 旅客者数 270,468 155,018 562,738 836,529 961,337
前年比 8.8% 4.5% 17.6% 24.4% 23.7%

参考:ANAグループ実績(2020年7月)

デルタ航空ではなく、日本のANAの旅客者数推移です。コロナ環境下では、日本も米国も同じように推移すると仮定しています。

国際線も国内線も、最も影響を受けたのは経済停止後の5月ですね。国際線が6月以降も低迷を続けるのに対し、国内線はいち早く回復している事が分かります米国でも同様です。デルタ航空CEOは、7月の国内線運航便数を5月の倍とする計画を示しています(参考:7月は現行より74%増便へ)。

コロナ環境下では、国際線よりも国内線の方が早く回復する事が見込めます。

デルタ航空の国内線は、全体の77%を占めます。そのため、国内線から徐々に回復する事が見込まれますね。では、航空会社に乗客が戻ってくるまでに、デルタ航空は財務的に持ち堪えられるでしょうか?

注目4:自己資本比率は30%と最も安定している?

デルタ航空の負債総額と自己資本比率です。

20年(TTM)の負債総額は、コロナ危機の影響で増加している事が分かりますね。自己資本比率は、23%から4.3%まで急落しています。デルタ航空の財務状況は、10年代にまで逆戻りしましたね。

国内線の乗客数は徐々に戻しているが、20年3Qや4Qも赤字になる事が予想できます。そのため、デルタ航空は再び債務超過に陥る可能性は高いです

米国航空会社の中で、コロナ環境下でも財務が健全なのはサウスウェスト航空だけです。

参考:サウスウェスト航空の四半期決算|自己資本は30%で安全?

注目5:デルタ航空はコロナ危機で配当は一時停止?

経営再建に成功して以降、デルタ航空は順調に増配してきました。

19年の配当金は1.5ドル、配当性向も20.5%と安定しています。しかしながら、コロナ危機で状況が一変し、配当は一時停止にしています。米国政府から資金注入してもらう状態で配当を出すわけにはいかないですね。

20年4Qには債務超過に陥る事を考えると、再配当するのはまだまだ先だと言えます。

投資家はデルタ航空株を購入するべきか?

デルタ株に投資すべきでない理由は...
  1. コロナで20年の売上高は半分まで急落する
  2. コロナで営業利益率は、22%から−10%になる
  3. 自己資本比率は4%まで急落、20年末に債務超過に陥る
  4. 同時期のサウスウェスト航空の資本比率は30%と高い
  5. 国内線が95%を占めるサウスウェストの方が回復が早い

デルタ航空を含めて、個人的には航空株は長期で投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、競争が激しい航空会社は、過去に何度も経営破綻に陥り破産申請法を適用しているからです。13年以降に航空株が好調だったのは、米国の好景気に支えられていたからですね。そのため、今回のコロナ危機で立ち直ったとしても景気後退が始まれば、再び業績は悪化します。

コロナの逆張りで航空会社を選ぶならば、サウスウェスト航空に投資します。

なぜならば、サウスウェスト航空は財務が健全で、コロナ環境下でも自己資本比率が30%と高いからです同時期にデルタ航空の資本比率は4%だけです。おそらく、20年3Qも4Qも赤字決算が続くため、デルタ航空は債務超過に陥る可能性が高いと言えます。

まとめ:デルタ航空(DAL)の四半期決算は?

デルタ航空株の特徴は...
  1. 1924年に創業した、世界2番手の大手航空会社である
  2. 路線数は872便、国内線が674便で全体の77%を占める
  3. 05年に破産法を適用し、07年に経営再建に成功する
  4. 米国5位のノースウエスト航空と合弁し、2番手の航空会社になる
  5. 営業利益率は20%台と高く、大手4社で最も高い水準である
  6. コロナで営業利益率は、22%から−10%になる
  7. 自己資本比率は4%まで急落、20年末に債務超過に陥る
  8. 財務的にはサウスウェスト航空が良く、安全に逆張り投資できる

デルタ航空は1924年に設立された、世界で2番目に大きい航空会社です。コロナ危機で業績が一時的に低迷するも、経済が本格的に再開すれば元の株価に戻る可能性は高いですね。

しかしながら、デルタ航空を含めて、全ての航空株は長期保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、競争が激しい航空会社は、過去に何度も経営破綻に陥り破産申請法を適用しているからです。13年以降に航空株が好調だったのは、世界的な景気回復と原油価格の低迷に支えられていたからです。そのため、コロナ危機で回復したとしても景気が鈍化すれば再び苦境に陥ります。

デルタ航空は営業利益が高い利点があるが、自己資本比率は4%まで急落しています20年3Qや4Qに赤字を脱却できなければ、高い確率で債務超過に陥ります。おそらく、航空会社が黒字化するのは、21年後半になると思います。

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