アメリカン航空の四半期決算|コロナ以前から債務超過にある?

コロナによる世界的な都市封鎖で、航空会社の株価は半分以下にまで暴落しました。しかしながら、コロナ危機が一時的な事象ならば、近い将来に株価を戻す可能性は高いですね。では、株価が暴落したアメリカン航空に投資すれば、私たち投資家は利益を得られるのでしょうか?

  • 「暴落した航空業界の株を買えば、経済回復後に利益を得られる…」
  • 「世界中の人々が活動を始めたら、株価は2倍になるはずだ…」
  • 「大手航空会社4社で、どの会社が1番安全に儲けられるだろうか…」

アメリカン航空は1930年に設立された、米国の3大航空会社のひとつです。2018年には、売上高で世界最大の航空会社にランクインもしています。コロナ危機で業績が一時的に低迷するも、経済が本格的に再開すれば元の株価に戻る可能性は高いですね

しかしながら、アメリカン航空を含めて、全ての航空株は長期保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、競争が激しい航空会社は、過去に何度も経営破綻に陥り破産申請法を適用しているからです。13年以降に航空株が好調だったのは、世界的な景気回復と原油価格の低迷に支えられていたからです。そのため、コロナ危機で回復したとしても景気が鈍化すれば再び苦境に陥ります。

特に、アメリカン航空は投資に値しない銘柄です。なぜならば、コロナ以前の18年からすでに債務超過に陥っているからです20年3Q時点で、自己資本比率は−4%です。他の航空会社が黒字化するのは1年後でも、アメリカン航空は2〜3年必要とするかもしれません。

アメリカン航空株の投資判断したい人向け
  1. アメリカン航空株の4半期決算(2020年7-9月)は?
  2. アメリカン航空株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. コロナ以前の18年前から、債務超過に陥っている?

アメリカン航空(AAL)の四半期決算は?

アメリカン航空の四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:105.84億ドル(前年比−20%
  2. 営業利益:−4.30億ドル(前年度13.20億ドル
  3. 純利益:−22.41億ドル(前年度1.85億ドル
  4. 1株当たり利益:−5.26ドル(前年度0.41ドル)

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:16.22億ドル(前年比−87%
  2. 営業利益:−33.25億ドル(前年度20.97億ドル
  3. 純利益:−20.67億ドル(前年度6.62億ドル
  4. 1株当たり利益:−4.82ドル(前年度1.49ドル)

第3Q決算(2020年9月30日)

第3Q決算の内容は...
  1. 売上高:31.73億ドル(前年比−73%
  2.  Passenger:25.40億ドル(-76%)
  3.  Cargo:2.07億ドル(-1%)
  4.  Other:4.26億ドル(-39%)
  5. 営業利益:−28.71億ドル(前年度8.08億ドル
  6. 純利益:−23.99億ドル(前年度4.25億ドル
  7. 1株当たり利益:−4.71ドル(前年度0.96ドル)

アメリカ航空は、1930年に設立した世界最大の航空会社です。11年には、原油価格高騰で経営危機に陥りChapter11を申請しています。13年にはUSエアウェイズと合弁し、世界最大の航空会社になりました。

路線数は全部で1083便、米国内線が814便で全体の75%を占めます。

20年3Qの売上高は73%減で31.73億ドル、営業利益はマイナス28.71億ドルでした。売上高は2Qよりも大幅に改善しているが、営業損失も膨らんでいますね。アメリカン航空が営業赤字を脱出するには、21年半期頃になるかもしれないですね。

第4Q決算(2021年2月…)

2021年2月に公開予定。

では、アメリカン航空の売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

アメリカン航空(AAL)の10年間の損益計算書は?

景気敏感株である航空株は、2008年に大きく低迷していますね。しかしながら、景気回復を始めた13年以降は順調に株価は回復し、18年に10年以来の高値58ドルを付けています。しかしながら、19年の景気後退とコロナ危機で業績が悪化し、20年10月は12ドル前後で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高は拡大傾向にあるが営業利益は伸びていない事が分かります。営業利益率は13年に17%に改善するも、19年には8.1%まで低迷しています。20年(TTM)は、コロナの影響で−10%まで急落していますね。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)も安定しているとは言えません。14年にプラスに上向くも、低い水準に止まっていますね。20年には、コロナ危機で再びマイナスに転落しています。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)も安定しているとは言えません。フリーCFの黒字化に成功したのは16年の1度だけです。営業CFが不安定な上に、投資CFも大きく利益がでない体質だと分かりますね

では、私たち投資家はアメリカン航空株をどのように投資判断すれば良いのでしょうか?

アメリカン航空に投資する上で注目ポイントは?

アメリカン航空に投資する上で注目すべきポイントを紹介します。

注目1:売上高430億ドルで世界最大の航空会社である?

売上高ランキング
  1. アメリカン航空(米):430億ドル
  2. デルタ航空(米):421億ドル
  3. ユネイテッドコンチネンタル航空(米):415億ドル
  4. ルフトハンザ航空(独):383億ドル
  5. エールフランス-KLM(仏、蘭):291億ドル
  6. エミレーツ航空(UAE):279億ドル
  7. インターナショナルエアライズグループ(西、英):260億ドル
  8. サウスウエスト航空(米):212億ドル
  9. 中国南方航空(中):197億ドル
  10. ANAホールディングス航空(日):178億ドル

参考:【2018年】航空会社(エアライン)の売上ランキング世界&国内

2018年の世界の航空会社の売上高ランキングです。

アメリカン航空は米国で1番手、世界最大の航空会社ですただし、米国の上位3航空会社は大きな差がないため、年度毎に順位は入れ替わっていますね。

アメリカン航空も、2番手のデルタや3番手のユナイテッドと同様に何度も経営不振に陥っています

まずは、01年の同時多発テロでハイジャックされた影響で、利用客が激減しました。この時、ユナイテッド、デルタ、ノースウエスト航空は経営破綻します。アメリカ航空は持ちこたえるも、今度は燃料費高騰により11年にChapter11の申請に至ります。

13年にはUSエアウェイズと合弁し現在に至り、18年時点で650機を保有しています。

では、将来の航空業界はどのように成長するのでしょうか?

注目2:世界の航空旅客数は年率4.6%で拡大している?

参考:成田空港の現状と将来

成田空港における、世界の航空旅客輸送量の予測です。

世界の旅客者数は、年率4.6%の右肩上がりで上昇します。2036年には、アジアの旅客者数が最も多く年率5.5%で成長し6469億人まで増加します上昇率が大きい地域は、中東や中南米などの途上国ですね。世界全体でも、37年までに2倍のペースで拡大します。

コロナで旅客数が減少しても、一時的な事象だと言えますね。では、20年のコロナ危機で航空業界はどれほど影響を受けたのでしょうか

注目3:コロナで海外旅客者数は前年比2.9%に急落した?

2020年 4月 5月 6月 7月 8月
国際線 旅客者数 34,976 24,179 32,427 33,597 37,239
前年比 4.2% 2.9% 3.8% 3.7% 4.0%
国内線 旅客者数 270,468 155,018 562,738 836,529 961,337
前年比 8.8% 4.5% 17.6% 24.4% 23.7%

参考:ANAグループ実績(2020年7月)

アメリカン航空ではなく、日本のANAの旅客者数推移です。コロナ環境下では、日本も米国も同じように推移すると仮定しています。

国際線も国内線も、最も影響を受けたのは経済停止後の5月ですね。国際線が6月以降も低迷を続けるのに対し、国内線はいち早く回復している事が分かります米国でも同様です。デルタ航空CEOは、7月の国内線運航便数を5月の倍とする計画を示しています(参考:7月は現行より74%増便へ)。

コロナ環境下では、国際線よりも国内線の方が早く回復する事が見込めます。

アメリカン航空の国内線は、全体の75%を占めます。そのため、国内線から徐々に回復する事が見込まれますね。では、航空会社に乗客が戻ってくるまでに、アメリカン航空は財務的に持ち堪えられるでしょうか?

注目4:コロナ以前から債務超過で資本比率は−4%?

アメリカン航空の負債総額と自己資本比率です。

実は、アメリカン航空はコロナ以前の18年から債務超過に水準にあります。自己資本比率は18年に-0.3%、20年(TTM)には-4.9%です。12年時ほど業績は悪化していないが、すでに危ない水準にあると言えますね。

そのため、アメリカン航空がコロナ危機から脱しても、債務超過に陥っていることになります。アメリカン航空が債務超過から脱するのは数年先になる事が予想できます。

米国航空会社の中で、コロナ環境下でも財務が健全なのはサウスウェスト航空だけです。

参考:サウスウェスト航空の四半期決算|自己資本は30%で安全?

注目5:政府救済により配当は20年2Qに一時停止?

アメリカン航空は、14年から配当金を出しています。

しかしながら、債務超過にある事を考えると、配当金は不相応だと言えますね。また、コロナ危機で米政府の救済を受けていることから、20年2Q以降は配当は停止されています。

投資家はアメリカン航空株を購入するべきか?

アメリカン航空株に投資すべきでない理由は...
  1. コロナで20年の売上高は、3割まで急落した
  2. コロナで営業利益率は、%から−10に急落した
  3. 資本比率は−4%まで急落、コロナ以前から債務超過にある
  4. フリーCFは不安定で、コロナ以前にも赤字の年がある
  5. 同時期のサウスウェスト航空の資本比率は30%と高い
  6. 国内線が95%を占めるサウスウェストの方が回復が早い

アメリカン航空を含めて、個人的には航空株は長期で投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、競争が激しい航空会社は、過去に何度も経営破綻に陥り破産申請法を適用しているからです。13年以降に航空株が好調だったのは、米国の好景気に支えられていたからですね。そのため、今回のコロナ危機で立ち直ったとしても景気後退が始まれば、再び業績は悪化します。

コロナの逆張りで航空会社を選ぶならば、サウスウェスト航空に投資します。

なぜならば、サウスウェスト航空は財務が健全で、コロナ環境下でも自己資本比率が30%と高いからです同時期にアメリカン航空の資本比率は−4%、コロナ以前から債務超過の水準にあります。

まとめ:アメリカン航空(AAL)の四半期決算は?

アメリカン航空株の特徴は...
  1. 1930年に創業した、世界最大の航空会社である
  2. 路線数は1083便、国内線が814便で全体の75%を占める
  3. 原油価格の高騰で、11年に米国破産法を適用している
  4. 13年にUSエアウェイズと合弁し、世界最大の航空会社になる
  5. コロナで営業利益率は、8%から−10%に急落する
  6. 自己資本比率は−4%、18年から債務超過に陥っている
  7. 財務的にはサウスウェスト航空が良く、安全に逆張り投資できる

アメリカン航空は1930年に設立された、米国の3大航空会社のひとつです。2018年には、売上高で世界最大の航空会社にランクインもしています。コロナ危機で業績が一時的に低迷するも、経済が本格的に再開すれば元の株価に戻る可能性は高いですね

しかしながら、アメリカン航空を含めて、全ての航空株は長期保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、競争が激しい航空会社は、過去に何度も経営破綻に陥り破産申請法を適用しているからです。13年以降に航空株が好調だったのは、世界的な景気回復と原油価格の低迷に支えられていたからです。そのため、コロナ危機で回復したとしても景気が鈍化すれば再び苦境に陥ります。

特に、アメリカン航空は投資に値しない銘柄です。なぜならば、コロナ以前の18年からすでに債務超過に陥っているからです20年3Q時点で、自己資本比率は−4%です。他の航空会社が黒字化するのは1年後でも、アメリカン航空は2〜3年必要とするかもしれません。

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