ノースロップ・グラマンの四半期決算|世界5位の軍事企業

米中貿易摩擦など、中国との対立が進む中で軍需企業が脚光を集めています。軍需企業は、政府や国防省向けに軍用機を開発するため、景気動向の影響を受けませんかつ、米国の軍用費が増えれば、売上高も拡大しますね。私たちは世界5位の軍需企業に投資するべきでしょうか

  • 「軍需企業はコロナの影響を受けず、安心して投資ができる…」
  • 「中国、中東、中央アジアなど、地政学リスクが増えれば儲けられる…」
  • ロッキード、レイセオンなど、優良な軍事企業でどれを選べば良いのか…」

ノースロップグラマンは、94年にノースロップがグラマンを買収し誕生した軍需メーカーです。主に、軍用機、防衛電子機器、人工衛星を開発し、世界で5番手の軍需企業です。近年は軍用艦船にも強みがあり、航空母艦などの軍用船シェアは世界トップです

ノースロップグラマンは、長期で保有したい銘柄のひとつです。

なぜならば、営業利益率は10%以上と高く、売上高は拡大傾向にあります。安定した利益率、EPSやBPS、さらには営業CFやフリーCFの増加など、典型的な優良企業の指標を示しています。軍用艦船では世界1位のシェアを誇り、唯一無二の軍需企業だと言えますね

しかしながら、最大手のロッキードマーチンと比較すると、購入したい銘柄ではありません。

ロッキードのPERは17倍、グラマンは22倍と少し割高です。また、ROE(自己資本利益率)はグラマンが25倍、ロッキードが195倍と資本に対する利益率が圧倒的に高いです。20年時点で軍需企業を1社上げるならば、間違いなくロッキードマーチン社になります。

ノースロップグラマン株の投資判断したい人向け
  1. ノースロップグラマン株の4半期決算(2020年4-6月)は?
  2. ノースロップグラマン株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. ノースロップグラマンよりも、ロッキード株を購入する理由は?

ノースロップグラマン(NOC)の四半期決算は?

ノースロップグラマンの過去四半期の決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:86.20億ドル(前年比+5%
  2.  Aeronautics Systems:28.43億ドル(+1%
  3.  Defense Systems:18.81億ドル(+6%
  4.  Mission Systems:23.47億ドル(+6%
  5.  Space Systems:19.48億ドル(+8%
  6.  Intersegment eliminations:−3.99億ドル(前年度−4.08億ドル)
  7. 営業利益:9.34億ドル(0%
  8. 純利益:8.68億ドル(+1%
  9. 1株当たり利益:5.15ドル(+2%

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:88.84億ドル(前年比+5%
  2.  Aeronautics Systems:29.25億ドル(+7%
  3.  Defense Systems:18.86億ドル(−2%)
  4.  Mission Systems:24.46億ドル(+2%
  5.  Space Systems:20.48億ドル(+15%
  6.  Intersegment eliminations:−4.21億ドル(前年度−3.73億ドル)
  7. 営業利益:9.94億ドル(+5%
  8. 純利益:10.05億ドル(+17%)
  9. 1株当たり利益:6.01ドル(+19%)

ノースロップグラマンは、1927年に設立した世界5位の軍需メーカーです。1994年にノースロップがグラマンを買収し、主に軍用機、防衛電子機器、人工衛星などを開発します。近年は軍用艦船にも強みがあり、軍用艦船のシェアは世界トップです。

20年2Qの売上高は前年比5%増で88.84億ドル、営業利益は5%増の9.94億ドルでした。主要顧客は米国防総省など政府機関なので、コロナの影響は全く受けていません。各事業はバランスよく売上高が拡大していますね。

第3Q決算(2020年11月28日)

2020年11月に公開予定。

では、ノースロップグラマンの売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

ノースロップグラマンの10年間の損益計算書は?

2008年のノースロップグラマンの株価は70ドルでした。2013年にようやく上昇に転じ、5年間で株価は6倍にも上昇しています。2020年1月に最高値381ドルを付けています。その後は、若干株価は低迷傾向にあり、20年10月は310ドル前後で推移していますね。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高も営業利益率も安定して推移していますね。営業利益率が低い製造業でも常に10%を超えています。また、売上高は17年以降に大きく上昇していますね。コロナの影響を受けずに、20年も成長軌道にある事が分かります。

ただし、売上高成長率は若干落ちている事が懸念材料です。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は、安定して推移していますね。BPSもEPSも、文句なしの優良企業だと言えます。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間の推移を見ると、フリーCF(投資CF−営業CF)は常に黒字です。また、営業CFが伸び続ける中で、投資CFは低く抑えられています。巨額の設備投資を必要とする製造業でも、安定してキャッシュを稼ぎ出している事が分かりますね

では、私たち投資家は、ノースロップグラマン株をどのように判断したら良いのでしょうか?

ノースロップグラマンに投資する上での注目ポイントは?

ノースロップグラマンに投資する上での注目すべきポイントを紹介します。ノースロップグラマンは、米国防総省などの政府向けに製品を開発しています。そのため、米国の軍用予算が拡大すれば、ノースロップグラマンの業績も右肩が上がりで増えますね。

注目1:世界1位の軍需産業で売上高は449億ドル?

参考:年間売上5兆円を誇る、世界No.1軍需企業「Lockheed Martin」

ストックホルム国際平和研究所が発表した、2017年の軍需企業の売上高ランキングです。

17年ランキングでは、ノースロップ社は世界5番手に位置していますただし、2〜5位は売上高に大きな違いはなく順位は変動しています。レイセオンはユナイテッドと合弁した事で、世界2位の軍需企業になりました(参考:レイセオンテクノロジーズの四半期決算|世界2位の軍事企業)。

今後のノースロップの売上高を予想するには、米国の軍事費用の推移を見る必要がありますね米国や主要国の軍事費用はどのように推移しているのでしょうか?

注目2:米国の軍事費は世界1位で7318億ドルもある?

参考:主要国の軍事費推移をグラフ化してみる

2019年時点の米国を含む上位5カ国の軍事費推移です。

軍事費は米国が7318億ドルと、特出している事が分かりますねこの時期は財政が緊迫していた事と、伝統的に戦争反対の民主党が政権だった事が挙げられます。オバマ大統領以降は、再び上昇傾向にありますね。

米国の次に特出して多いのは中国です。一進一退で中央アジアや中東、アフリカを目指す中国は、経済成長に伴い急激に拡大しています。中国に対応するためにも、今後も米国の軍需費は増え続ける事が予想できます。

ただし、GDP比で見た場合に、米国の軍事費が特出して高い訳ではありません。

注目3:軍事費は世界1位だが対GDP比は3.41%だけ?

参考:軍事費の対GDP動向をグラフ化してみる

米国の軍事費のGDP比は、3.41%と意外と多くはありません。

軍事費に対するGDPが最も大きいのは、サウジアラビアで7.98%です。次にロシアが3.88%、3番手に米国、4番手に韓国の2.67%と続きます。軍事費が急拡大している中国は1.89%、自衛隊を持つ日本は0.93%だけです。

アメリカと中国のGDP比は、まだまだ伸び代があると言えますね。また、欧州や日本と違い両国とも経済成長が続いているため、軍事費費用が拡大する余地も高いです。

では、ノースロップグラマンの売上高と成長率を見てみましょう。

注目4:19年後半以降の成長率は5%と低迷している?

過去5年間の4半期毎の売上高と前年比成長率です。

売上高に浮き沈みはあるが、一貫して上昇傾向にある事が分かりますね。特に18年後半と19年前半に成長率が高い事が分かりますね。しかし、19年後半以降は成長率が鈍化傾向にあります

これは軍需市場の縮小を示している訳ではありません。なぜならば、業界最大手のロッキードマーチンは、19年や20年でも成長率が伸びているからです(参考:ロッキードマーチンの四半期決算|中国対立で株価は上昇する?)。

順調に業績を伸ばしているが、今後はロッキードマーチンの方が成長率が高いかもしれません。

注目5:配当性向は30%で安定し利回りは1.86%?

ノースロップグラマンも、他の軍需企業と同様に増配傾向にあります。

19年の配当金は5.16ドル、10年比で3倍も上昇していますね。また、配当性向は30%未満と安定している事も好感できます。20年2Qの配当利回りは1.86%と高くはないが、今後も増配傾向にあるのは間違いありません。

投資家はノースロップグラマン株を購入するべきか?

ノースロップグラマン株に投資すべき理由は...
  1. 売上高は拡大傾向にあり、営業利益率は常に10%を超えている
  2. 過去10年間のEPSとBPSは、安定して推移している
  3. 投資CFは低く抑えられ、営業CFもフリーCFも上昇している
  4. 米国防総省など政府向けなので、コロナの影響を受けていない
  5. しかし、20年の成長率、PER、ROEではロッキードに劣る

ノースロップグラマンは、2017年時点で世界5位の軍需メーカーです。米国の軍用費は拡大傾向にあり、景気動向の影響を受けずに業績も株価も順調に伸びています。20年のコロナ危機でも、売上高はほとんど影響を受けていません。

個人的には、ノースロップグラマンは長期で保有したい銘柄のひとつです。しかしながら、軍需産業世界1位であるロッキードマーチンの方が、安全に投資できそうです

業界最大手のロッキードと同様に、営業利益率は10%以上で高く、売上高は拡大傾向にあります。EPSもBPSも安定して推移し、フリーCFも拡大傾向にありますね。他の軍需企業と同様に、どの指標を見ても優良企業である事を示しています

ただし、直近の売上高成長率はロッキードと比較して若干低迷気味です。また、PERはロッキードの17倍よりも高く22倍と少し割高水準。さらには、ROE(自己資本利益率)はグラマンが25倍、ロッキードが195倍と高いですね

以上を考慮すると、これから購入するならばロッキードマーチンだと言えます。

まとめ:ノースロップグラマン(NOC)の四半期決算は?

ノースロップグラマン株の特徴は...
  1. 1927年に創業した、94年にノースロップがグラマンを買収
  2. 世界5位の軍需企業で、戦闘機、軍用機、人工衛星、ミサイルを開発
  3. 近年は軍用艦船に強みがあり、世界トップのシェアを誇る
  4. 売上高は拡大傾向にあり、営業利益率は常に10%を超えている
  5. 米国防総省など政府向けなので、コロナの影響を受けていない
  6. しかし、20年の成長率、PER、ROEではロッキードに劣る

ノースロップグラマンは、長期で保有したい銘柄のひとつです。

なぜならば、営業利益率は10%以上と高く、売上高は拡大傾向にあります。安定した利益率、EPSやBPS、さらには営業CFやフリーCFの増加など、典型的な優良企業の指標を示しています。軍用艦船では世界1位のシェアを誇り、唯一無二の軍需企業だと言えますね

しかしながら、最大手のロッキードマーチンと比較すると、購入したい銘柄ではありません。

ロッキードのPERは17倍、グラマンは22倍と少し割高です。また、ROE(自己資本利益率)はグラマンが25倍、ロッキードが195倍と資本に対する利益率が圧倒的に高いです。20年時点で軍需企業を1社上げるならば、間違いなくロッキードマーチン社になります。

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