エンブリッジの四半期決算|コロナで売上高は65%も減少?

コロナによる原油や天然ガス価格の暴落を受けて、エネルギー株に投資する人が増えています。エネルギーはPERが割安な株も多く、資源価格が戻れば利益を得られるリスクが少ない投資です。では、私たち投資家は、輸送業者のエンブリッジ株に投資するべきでしょうか?

  • 「世界各国の経済活動再開で、エネルギー株は必ず利益を得られる…」
  • 「2040年のLNG需要は2倍、アジアや欧州で輸出量が拡大してる…」
  • PERが10倍未満と割安で、安全にバリュー株投資ができるはず…」

エンブリッジは、1949年にカナダで設立されたエネルギー輸送会社です。カナダと米国を中心に輸送業を行い、北米で最長の原油と液体炭化水素の輸送システムを持ちます。

個人的には、エンブリッジ株は将来的に長期で保有したい銘柄のひとつです。

なぜならば、将来的に原油や天然ガスの需要は伸び続けるため、エネルギー流通業者の業績も右肩上がりで上昇するからですエンブリッジ株は他のエネルギー企業と違い、19年の原油低迷でも売上高を伸ばしている珍しい銘柄です。

売上高だけではなく、営業利益、BPSやEPS、フリーCFも改善しています。コロナ危機で株価は低迷するも、自己資本比率は高く逆に割安で購入するチャンスかもしれません。ただし、エネルギー流通業者ライバル企業も多く、慎重に投資すべき銘柄でもあります。

エンブリッジ株の投資判断したい人向け
  1. エンブリッジ株の4半期決算(2020年4-6月)は?
  2. エンブリッジ株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. エンブリッジ株は、流通業者の中でも最も有望株である?

エンブリッジ(ENB)の四半期決算は?

エンブリッジの四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:120.13億ドル(前年比−7%
  2.  Liquids Pipelines:15.34億ドル(−43%)
  3.  Gas Transmission and Midstream:13.57億ドル(+2%
  4.  Gas Distribution and Storage:16.82億ドル(−24%)
  5.  Renewable  Power Generation:1.53億ドル(0%)
  6.  Energy Services:73.98億ドル(+10%
  7.  Eliminations and Other:−1.11億ドル(−1.36億ドル)
  8. 営業利益:15.13億ドル(−43%
  9. 純利益:−13.64億ドル(前年度20.23億ドル)
  10. 1株当たり利益:−0.71ドル(前年度0.94ドル)

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:79.56億ドル(前年比−41%
  2.  Liquids Pipelines:29.45億ドル(+14%
  3.  Gas Transmission and Midstream:12.03億ドル(−7%)
  4.  Gas Distribution and Storage:9.03億ドル(−8%)
  5.  Renewable  Power Generation:1.50億ドル(+9%
  6.  Energy Services:29.49億ドル(−65%)
  7.  Eliminations and Other:−1.94億ドル(−1.26億ドル)
  8. 営業利益:20.98億ドル(−9%
  9. 純利益:13.84億ドル(−3%)
  10. 1株当たり利益:0.82億ドル(−5%)

エンブリッジは、1949年にカナダで設立されたエネルギー輸送会社です。カナダと米国を中心に輸送業を行い、北米で最長の原油と液体炭化水素の輸送システムを持ちます。主に、オンタリオ州、ケベック州、ニューヨーク州で配送サービスを提供しています。

20年2Qの売上高は前年比41%減で79.56億ドル、営業利益は9%減で20.98億ドルでした。

コロナの影響は、エネルギーサービス(小売や流通業)が最も大きく受けた事になります。原油価格は今後も低く抑えられるため、エンブリッジの業績が回復するのはまだ先だと言えますね。

第3Q決算(2020年11月)

2020年11月に公開予定。

では、エンブリッジの売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

エンブリッジ(ENB)の10年間の損益計算書は?

エンブリッジの株価は、2008年の原油価格高騰で22ドルを付けています。最高値は53ドルで、シェール革命ブームの15年でした。その後の株価は低迷傾向にあり、コロナ危機の後の現在は30ドル前後で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算を見ると、売上高と営業利益は拡大傾向にあります。19年の原油価格低迷で、売上高が縮小する原油生産者や輸送業者が多い中で、検討したと言える決算ですねコロナ危機がなければ、20年も成長していた可能性が高いです。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)も、比較的に安定していると言えます。特に、17年以降はどちらも拡大傾向にあると言えますね。

ただし、1株当たりの資産が増加傾向にあるのは、新規株式発行を行っているからです。エンブリッジは、10年比で3倍の新規株発行を行っている点はマイナス材料です

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のCF計算書を見ると、フリーCF(営業CF−投資CF)はマイナスになる年が多いです。しかしながら、直近の18年以降は大きく改善傾向にありますね。フリーCFが改善している事と新規株発行もあり、自己資本比率は41%と高いです

では、私たち投資家はエンブリッジ株をどのように投資判断すれば良いでしょうか?

エンブリッジに投資する上での注目ポイントは?

エンブリッジに投資する上での注目ポイントを紹介します。原油や天然ガスの輸送業者であるエンブリッジは、資源の需要が増し価格が高騰すれば株価も上昇しますね。

注目1:米国は45年ぶりに世界最大の産油国になった?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

米国は2018年に世界最大の産油国になりました。

1日当たりの石油生産量は、2013年にサウジアラビアやロシアを抜いています。2018年の年間平均生産量は1095万BDとなり、45年ぶりに世界1位の産油国です。2019年も勢いは止まらず、生産量は増加を続けています。

生産量が急増した理由は、2010年代に始まったシェール革命の影響が大きいですシェール層から天然ガスを取り出す技術は、石油にも応用する事で生産量を増やしています。

また、天然ガスの生産量は、米国とロシアが中東諸国の4倍以上の生産量がありますシェール革命で天然ガスの生産量が増え続けている米国は、世界2位のロシアとも差を広げつつあります。

意外と知られてない事実だが、米国はすでに世界4番手の天然ガス輸出大国です。米国内で余った天然ガスは、液体化(LNG)して海外に輸出しています。

参考:世界の石油輸出額 国別ランキング・推移

では、原油や天然ガスの将来の見通しは、どのように予測されているのでしょうか?

注目2:30年も原油やガスがエネルギーの8割を占める?

参考:世界のエネルギー消費量と人口の推移

再生可能エネルギーなど脱炭素化社会が言われています。

しかしながら、資源エネルギー庁の調査によると、2030年もエネルギーの中心は石油やガス、石炭などの炭素系が占めます。増加量が最も多いのはガスで、再生可能エネルギーの割合は2030年でも10%もない事が分かります

天然ガスの人気が高い理由は、石油よりも安い上に環境にやさしいからです。天然ガスは、石油よりも二酸化炭素排出量が30%少なく、石炭よりも47%も少ないです原油や天然ガスの需要が高くなれば、パイプラインの運営や輸送業者であるエンブリッジは事業を拡大できますね。

では、エンブリッジの事業別の売上高を見てみましょう。

注目3:エネルギー小売業が売上高の58%を占める?

エンブリッジは、カナダとアメリカで原油と天然ガスの輸送業者をしています。また、燃料の販売業者として、カナダ最大の天然ガス配送ネットワークも所有しています。

2019年度の売上高を見ると、エネルギー流通事業の売上高が最も多く全体の58%を占めます。次に多いのが液体パイプライン事業で20%、天然ガス輸送事業が10%、天然ガス貯蔵事業が10%を占めます。再生可能エネルギーを手掛けるも、売上は1%だけです。

では、エンブリッジの事業は、コロナの影響をどれくらい受けたのでしょうか?

注目4:エネルギー小売業が前年比で65%もマイナス?

事業 19Q2 20Q1 20Q2 前年比
液体パイプライン 2,569 1534 2,945 +14%
天然ガス輸送 1,288 1357 1,203 -7%
天然ガス貯蔵 977 1682 903 -8%
再生可能エネルギー 137 153 150 +9%
エネルギー流通 8,418 7398 2,949 -65%
排除 -126 -111 -194
合計 13,263 12013 7,956 -41%

エンブリッジの四半期の事業別売上高の推移です。

前年比で比較すると、小売などのエネルジー流通事業が最もコロナの影響を受けています。エネルギー流通事業は、前年比で65%もマイナスです。一方で、液体パイプラインや天然ガス輸送は大きな影響を受けてないですね。

原油や天然ガスの燃料価格が回復しなければ、エネルギー流通業の収益は改善しないですね。では、過去の売上高成長率はどのように推移しているのでしょうか?

注目5:コロナで20年2Qの売上高は40%減少?

過去5年間の四半期決算の売上高推移と成長率です。

エンブリッジは、波がありながらも順調に売上高を増やしてきました。19年2Qに売上高はピーク値を付けています。しかしながら、コロナの影響で20年1Qは−6.5%、2Qは40%も売上高が減少しています。特に減少している事業は、エネルギーの小売をしている流通事業です。

原油価格はしばらく低迷すると予想できます。そのため、小売業の売上比率が高いエンブリッジの業績が回復するには、まだまだ時間が掛かりそうです

注目6:20年2Qの配当利回りは8.18%もある?

エンブリッジは、過去10年間で一貫して増配を続けています。

コロナ危機の20年でも増配し、20年2Qの配当利回りは8.18%に達していますしかし、配当性向は329%と高く、業績が回復しなければ是正される可能性はありますね。

ただ、経営陣は将来の見通しに対しては、楽観的な見通しをしている事が分かります。将来的に、原油や天然ガスの需要は伸び続けるため、流通業者であるエンブリッジは利益を得られます。

投資家はエンブリッジ株を購入するべきか?

エンブリッジ株に投資すべきでない理由は...
  1. 原油価格が低迷した19年でも、売上高は上昇傾向にある
  2. 営業利益率も改善傾向にあり、19年には17%を付けている
  3. エネルギー流通業者では珍しく、EPSとBPSが安定している
  4. 18年にフリーCFが黒字化し、キャッシュは増加傾向にある
  5. 経済再開し景気回復すれば、再び成長軌道に乗る可能性が高い
  6. 20年も増配を決め、経営陣は将来を楽観視している

エンブリッジ株は、将来的にタイミングを見て投資したい銘柄のひとつです。

なぜならば、他のエネルギー企業と違い、19年でも売上高は上昇傾向にあるからです。原油や天然ガスが低迷する中でも、しっかりと業績を伸ばしてきました。また、売上高だけではなく、営業利益、BPSやEPS、それからフリーCFも改善傾向にある点は高く評価できます

コロナ危機で業績と株価は低迷しているが、逆に割安で購入するチャンスかもしれません。

ただし、エネルギー流通業者ライバル企業も多く、慎重に投資すべき銘柄でもあります。また、新規株式は過去10年で3倍に希薄化されている点も懸念材料です

エンブリッジ株が他社にはない競争上の優位性を持つならば、長期で保有したいですね。

まとめ:エンブリッジ(ENB)の四半期決算は?

エンブリッジ株の特徴は...
  1. 1949年にカナダで創業した、エネルギー輸送業者である
  2. 北米で最長の原油と液体単価水素の輸送システムを管理している
  3. 主にオンタリオ州、ケベック州、ニューヨーク州で配送サービスを提供
  4. 原油や天然ガスの需要が伸びれば、輸送業者の業績も拡大する
  5. 営業利益率も改善傾向にあり、19年には17%を付けている
  6. エネルギー流通業者では珍しく、EPSとBPSが安定している
  7. 18年にフリーCFが黒字化し、キャッシュは増加傾向にある

エンブリッジ株は将来的に長期で保有したい銘柄のひとつです。

なぜならば、将来的に原油や天然ガスの需要は伸び続けるため、エネルギー流通業者の業績も右肩上がりで上昇するからですエンブリッジ株は他のエネルギー企業と違い、19年の原油低迷でも売上高を伸ばしている珍しい銘柄です。

売上高だけではなく、営業利益、BPSやEPS、フリーCFも改善しています。コロナ危機で株価は低迷するも、自己資本比率は高く逆に割安で購入するチャンスかもしれません。ただし、エネルギー流通業者ライバル企業も多く、慎重に投資すべき銘柄でもあります。

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