ヘルマリック・アンド・ペインの四半期決算|油田掘削の下請企業

コロナによる原油やガス価格の暴落で、エネルギー株に投資する人が増えています。エネルギーは割安株が多く、資源価格が戻れば確実に利益を得られる低リスクの投資かもしれませんでは、私たち投資家は、石油生産者の下請けであるヘルマリックに投資すべきでしょうか?

  • 「世界各国の経済活動再開で、シェール株は必ず利益を得られる…」
  • 「破綻するシェール株もあるが、原油が上昇すれば大きく儲けられる…」
  • PERが10倍未満と割安で、安全にバリュー株投資ができるはず…」

シェール革命とその後の技術革新で、米国内のシェールオイルやガスの生産量は増加傾向にあります。米国は天然ガス輸出で世界4位だが、近い将来にロシアを抜くほど著しく成長していますね。油田掘削の下請けであるヘルマリックは、生産量が増えるほど売上高も増加します

しかしながら、個人的にはヘルマリックは保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、14年のシェール革命ブーム以降、業績は低迷したままだからです。第二次シェールブームで売上高は回復するも、14年よりも20%程度低いです。また、売上高が増えても、営業利益率は7.3%と低い水準のままですね

ヘルマリックの業績は、原油価格の影響を直接的に受ける事が難点です。

過去のピーク値を超えて成長するには、少なくとも原油価格は80ドル以上で推移する必要があります。そして、今後も原油価格は低迷すると予想するので、業績もまだまだピークを超えない可能性が高いです。

ヘルマリック株の投資判断したい人向け
  1. ヘルマリック株の4半期決算(2020年4-6月)は?
  2. ヘルマリック株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. ヘルマリック株は、債務超過で破綻する可能性が高い?

ヘルマリック・アンド・ペインの四半期決算は?

ヘルマリックの四半期決算を紹介します。

第2Q決算(2020年3月31日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:6.33億ドル(前年比−13%
  2.  North America Solutions:5.30億ドル(−15%)
  3.  International Solutions:0.51億ドル(+1%
  4.  Offshore Gulf of Mexico:0.33億ドル(−5%)
  5.  H&P Technologies:0.17億ドル(+20%
  6. 営業利益:−5.18 億ドル(前年度0.95億ドル)
  7. 純利益:−4.20億ドル(前年度−0.60億ドル)
  8. 1株当たり利益:−3.88ドル(前年度0.55ドル)

第3Q決算(2020年6月30日)

第3Q決算の内容は...
  1. 売上高:3.17億ドル(前年比−54%
  2.  North America Solutions:2.54億ドル(−56%)
  3.  International Solutions:0.22億ドル(−57%)
  4.  Offshore Gulf of Mexico:0.37億ドル(+13%
  5.  Other:0.03億ドル(−8%)
  6. 営業利益:−0.57 億ドル(前年度−16.7億ドル)
  7. 純利益:−0.45億ドル(前年度−15.4億ドル)
  8. 1株当たり利益:−0.43ドル(前年度−1.42ドル)

ヘルマリック・アンド・ペインは、1920年に創業された油田・ガス田の掘削請負業者です。世界中で事業を展開している探鉱および生産会社向けに、石油およびガス井の掘削および関連サービスを提供しています。北米の売上高比率が高く、全体の84%を占めます。

20年3Qの売上高は前年比54%減で3.17億ドル、営業利益はマイナス0.57億ドルでしたコロナの影響は、2Qよりも3Qの方が大きく受けていますね。原油やガスの需要が低下し、売上高は5割以上も低下しています。

第4Q決算(2020年11月)

2020年11月に公開予定。

では、ヘルマリックの売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

ヘルマリック・アンド・ペインの10年間の損益計算書は?

ヘルマリックの株価は、14年のシェール革命ブームで最高値115ドルを付けています。その後は、原油価格の下落で株価も低迷しています。20年9月はコロナの影響で、14.5ドル前後で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高のピークは原油が100ドルを付けた14年です。その後は業績が低迷するも、第二次シェール革命で業績が反転していますね。2019年の原油価格が70ドルで再びピークをつけるも、売上高も営業利益もピーク値に達してません。

ヘルマリックの業績は、原油価格次第だと言えます。過去のピークを超えて成長するには、少なくても80ドル以上に原油が上昇する必要がありますね。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)は、15年以降に低迷するも比較的安定していると言えます。対して、EPS(1株あたり純利益)は15年に低迷して以降、赤字を繰り返していますね原油価格が上昇しない限りは、EPSは安定しないと言えます。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

売上高や営業利益は14年をピークに低迷していますね。しかしながら、キャッシュフロー は意外にも悪くはありません。17年にフリーCF(営業CF−投資CF)が赤字になるも、その後は投資CFを抑える事で黒字にしていますね

自己資本比率も68%と高く、安定した経営をしている事が分かります

無駄な投資や設備を削減する事で、現金を残す経営にシフトしていると言えます。では、私たち投資家は、ヘルマリック株をどのように判断したら良いのでしょうか?

ヘルマリック・アンド・ペインの注目ポイントは?

ヘルマリックに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。ヘルマリックは油田・ガス田の掘削を請負う会社です。そのため、原油の需要が高まり油田やガス田の掘削が増えれば、業績も上向きますね。

注目1:米国は45年ぶりに世界最大の産油国になった?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

米国は2018年に世界最大の産油国になりました。

1日当たりの石油生産量は、2013年にサウジアラビアやロシアを抜いています。2018年の年間平均生産量は1095万BDとなり、45年ぶりに世界1位の産油国です。2019年も勢いは止まらず、生産量は増加を続けています。

生産量が急増した理由は、2010年代に始まったシェール革命の影響が大きいですシェール層から天然ガスを取り出す技術は、原油にも応用する事でシェールオイルの生産量も増やしています。意外と知られてない事実だが、米国は原油の輸出額ランキングで世界6位、天然ガスは世界4位の輸出大国です。

そのため、米国内での油田・ガス田の掘削も増加しています。

参考:世界の石油輸出額 国別ランキング・推移

では、ヘルマリックの事業別の売上高はどうなっているのでしょうか。

注目2:米国内の油田掘削が売上高の84%を占める?

ヘルマリックの2019年度の事業別売上高です。

事業別売上高を見ると、米国内の比率が最も高く全体の84%を占めます。そのほかは、エクアドルやコロンビア などの海外陸地が7%、メキシコ湾などの海外海洋が5%、HPテクノロジーが2%です。ヘルマリックの売上高は、米国内の石油やガス田の掘削の増減に大きな影響を受けますね。

では、過去の四半期毎の売上高はどのように推移しているのでしょうか?

注目3:コロナで売上高は前年比53%も減少した?

ヘルマリックの四半期毎の売上高推移と成長率です。

ヘルマリックの売上高は、シェール革命の2014年がピークです14年以降は売上高が落ち込むも17年1Qを機に反転している事が分かりますね。売上高が復活した理由は、原油価格が底値から上昇に転じた事、それから技術革新による採算性の改善が大きいです。

米国のシェール企業の多くは、第二シェール革命で業績を回復しています。

しかしながら、19年以降は再び原油価格が低迷し売上高は減少していますさらには、コロナ危機の影響で20年3Qは前年比で53%も落ち込んでいますね。

原油価格が60ドルに回復しない限りは、ヘルマリックは低迷し続ける可能性が高いです。

注目4:20年3Qの配当利回りは6.83%もある?

ヘルマリックは高配当株として人気が高い銘柄です。

ヘルマリックは配当性向が66%と高く、過去10年以上も一貫して増配傾向にありました。しかしながら、コロナによる業績悪化を受けて、20年8月に0.71ドルから0.25ドルの減配を決めています。株価は低迷しているため、配当利回りは6.83%と高い水準をまだ維持しています

しかしながら、今後もさらに業績が低迷すれば減配する可能性は高いですね。

ヘルマリック・アンド・ペイン株を購入するべきか?

ヘルマリック株に投資すべきでない理由は...
  1. 売上高は14年がピークで、その後は高値を超えていない
  2. 原油が回復し業績回復するも、19年の営業利益は7%だけ
  3. 原油価格が80ドル以上でないと、以前の水準を回復できない
  4. 15年以降にBPSとEPSは低迷し、EPSは毎年赤字である
  5. 20年3Qは前年比で53%減、3分の1に減配を決める

シェール革命とその後の技術革新で、米国内のシェールオイルやガスの生産量は増加傾向にあります。米国は天然ガス輸出で世界4位だが、近い将来にロシアを抜くほど著しく成長していますね。油田掘削の下請けであるヘルマリックは、生産量が増えるほど売上高も増加します

しかしながら、個人的にはヘルマリックは保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、売上高や利益率は原油価格に大きく影響を受けるからです。原油価格が100ドルの14年時は過去最高の売上高で営業利益は27%です。70ドルだった19年は売上高が回復するも、営業利益は7%に止まります。

そのため、原油価格が安定して高値にないと、過去の水準まで回復するのは難しいですね。

また、20年はコロナの影響で売上高は17年1Qの水準まで低下しています20年3Qは前年比で53%も減少し、配当の減配も決めています。今後も原油価格が低迷するならば、ヘルマリックの業績もしばらくは悪化する事が予想できますね。

原油価格が80ドルを超えないと、過去の利益率20%に到達するのは難しそうです。

まとめ:ヘルマリック・アンド・ペイン株の四半期決算は?

ヘルマリック株の特徴は...
  1. 1920年に創業した、油田・ガス田の掘削請負業者である
  2. 原油生産者以上に、業績は原油価格の影響を受けやすい
  3. 売上高の最高値は、14年の原油価格が100ドルをこえたとき
  4. 16〜18年に原油が回復するも、14年のピークを超えていない
  5. 19年は売上高が好調でも、営業利益率は7%と低い水準である
  6. 15年以降にBPSとEPSは低迷し、EPSは毎年赤字である
  7. 20年3Qは前年比で53%減、3分の1に減配を決める

個人的には、ヘルマリックは長期で保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、14年のシェール革命ブーム以降、業績は低迷したままだからです。第二次シェールブームで売上高は回復するも、14年よりも20%程度低いです。また、売上高が増えても、営業利益率は7.3%と低い水準のままですね

ヘルマリックの業績は、原油価格の影響を直接的に受ける事が難点です。

過去のピーク値を超えて成長するには、少なくとも原油価格は80ドル以上で推移する必要があります。そして、今後も原油価格は低迷すると予想するので、業績もまだまだピークを超えない可能性が高いです。

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