オクシデンタル・ペトロリウムの四半期決算|逆張りはリスク高い

コロナによる原油やガス価格の暴落で、エネルギー株に投資する人が増えています。エネルギーは割安株が多く、資源価格が戻れば確実に利益を得られる低リスクの投資かもしれませんでは、私たち投資家は、シェール生産社であるオクシデンタル・ペトロニウムに投資すべきでしょうか?

  • 「世界各国の経済活動再開で、シェール株は必ず利益を得られる…」
  • 「破綻するシェール株もあるが、原油が上昇すれば大きく儲けられる…」
  • PERが10倍未満と割安で、安全にバリュー株投資ができるはず…」

オクシデンタル・ペトロニウムは1920年に創業した老舗エネルギーです。テキサス州で9番目に大きい生産会社で、シェールオイルの生産量が最も多いパーミヤン地域で活動しています。各国の経済が再開し原油の需要が回復すれば、利益を得られる可能性が高いですね。

しかしながら、個人的にはオクシデンタル株は保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、20年2Qの売上高の落ち込みが大きく、不確実性が高い投資だからです。2Qの営業損益は売上高の2.5倍にも膨らんでいます。また、業績が好調だった1Qと比較して、売上高は95%も下落しています自己資本比率は減少傾向にあり、26%まで下げています。

また、オクシデンタル株は四半期の配当金を80分の1まで減配しています。

オクシデンタルの経営陣は、将来の原油需要に対してかなり悲観的な見通しをしている証拠ですね。シェールオイルの生産量が多い地域に油田を持つが、業績がいつ回復するかはまだまだ不確実性が高いです。オキシデンタル株に投資するならば、業績が完全に回復するのを待つ必要があります。

オキシデンタル株の投資判断したい人向け
  1. オキシデンタル株の4半期決算(2020年4-6月)は?
  2. オキシデンタル株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. オキシデンタル株は、債務超過で破綻する可能性が高い?

オクシデンタル・ペトロリウムの四半期決算は?

オクシデンタル・ペトロリウムの四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:66.54億ドル(前年比+62
  2.  Oil & Gas:50.6億ドル(+2.1倍
  3.  Chemical:9.62億ドル(−10%)
  4.  Midstream & Marketing:7.9億ドル(−4%)
  5.  Eliminations:−1.99億ドル(−2.22億ドル)
  6. 営業利益:−13.20 億ドル(前年度7.83億ドル)
  7. 純利益:−22.32億ドル(前年度6.31億ドル)
  8. 1株当たり利益:−2.49ドル(前年度0.84ドル)

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:29.28億ドル(前年比−34%)
  2.  Oil & Gas:20.4億ドル(−25%)
  3.  Chemical:8.46億ドル(−16%)
  4.  Midstream & Marketing:2.04億ドル(−78%)
  5.  Eliminations:−1.62億ドル(−2.05億ドル)
  6. 営業利益:−83.01億ドル(前年度8.44億ドル)
  7. 純利益:−83.53億ドル(前年度6.35億ドル)
  8. 1株当たり利益:−9.12ドル(前年度0.84ドル)

オクシデンタル・ペトロリウムは、1920年に創業したテキサスで9番目の老舗エネルギー企業です。米国、中東、コロンビアで原油やガス探査を行い、米国、カナダ、チリで化学製品の製造を行います。米国の生産量が7割と多く、シェールオイルが最も豊富なパーミヤン地域で活動しています

オクシデンタルの埋蔵量は38億2700万バレルで、石油が51%を占めます。

20年2Qの売上高は前年比34減で29.28億ドル、営業利益はマイナス83億ドルです。コロナ危機でも1Qは好調だったが、2Qはその反動で大きく落ち込んでいますね。原油や天然ガス事業の割合が高く、全四半期比で売上高は96%も減少しています。

第3Q決算(2020年11月)

2020年11月に公開予定。

では、オキシデンタルの売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

オクシデンタル・ペトロリウムの10年間の損益計算書は?

オキシデンタルの株価は、08年の原油価格高騰で89ドルを付けています。その後のシェール革命ブームで、11年に最高値109ドルまで上昇していますね。その後の株価は低迷し、コロナ危機後の現在は10ドル未満で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の売上高推移をみると、シェール革命ブームの13年が売上高のピークです。15年の原油価格暴落で、業績は大きく落ち込んでいる事が分かりますね。しかしながら、シェールオイル で生産量が多いパーミヤン地域に油田を持つため、売上高はすぐに持ち直してる事が分かります。

しかしながら、営業利益は19年に低迷し、コロナ危機で大きく落ち込んでいます。20年2Qの営業損益は、売上高の2.5倍に膨らんでいます。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は、14年以降安定してない事が分かりますね。BPSは15年に落ち込み、まだ元の水準に戻していません。EPSは赤字になる年も多く、全体的に安定していないですね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)も、安定していない事が分かります。18年や19年は営業CFが拡大するも、投資CFも増えていますね。原油や天然ガスを生産するには設備投資が必要で、全体的に利益が得にくいビジネスだと分かります。

では、私たち投資家はオキシデンタル・ペトロリウムをどのように投資判断すれば良いのでしょうか?

オキシデンタル・ペトロリウムの注目ポイントは?

オキシデンタルに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。オキシデンタルは、天然ガスや原油の探鉱や生産から、中流工程の販売や処理、輸送、それからプライラインの所有から運営まで幅広くビジネスしています。

そのため、天然ガスや原油の需要が高まれば、各事業の売上が伸び株価も上昇します。

注目1:米国は45年ぶりに世界最大の産油国になった?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

米国は2018年に世界最大の産油国になりました。

1日当たりの石油生産量は、2013年にサウジアラビアやロシアを抜いています。2018年の年間平均生産量は1095万BDとなり、45年ぶりに世界1位の産油国です。2019年も勢いは止まらず、生産量は増加を続けています。

生産量が急増した理由は、2010年代に始まったシェール革命の影響が大きいですシェール層から天然ガスを取り出す技術は、原油にも応用する事でシェールオイルの生産量も増やしています。意外と知られてない事実だが、米国は原油の輸出額ランキングで世界6位、天然ガスは世界4位の輸出大国です。

エネルギーを輸出する事で、貿易赤字額を縮小しています。

参考:世界の石油輸出額 国別ランキング・推移

米国の原油や天然ガスの生産量の増加を支えているのは、シェールオイルやガスです。

注目2:シェールオイルの生産量は右肩上がりで増加?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

シェールオイルの生産量は、一貫して上昇傾向にあります。

米国の原油生産量の60%が、シェールオイルの生産地からです。特に生産量を伸ばしているのは、テキサス州にあるPermian地域ですね。15年の原油暴落で一部の地域で生産量が鈍化したが、コスト削減に成功した事で18年に再び上昇傾向にあります

オキシデンタルは、米国内外に幅広く油田の生産拠点を持ちます。

米国内の最大の油田拠点は、オイル生産量が最も多いPermian地域で生産量の69%を占めます。米国以外では中東とコロンビアにも生産拠点があります。中東は、オマーン、カタール、アラブ首長国連邦にあり、生産量は全体の24%です。コロンビアは4%を占めます。

米国のシェール事業が18年に復活したのは、生産コストを大きく改善できたからですでは、具体的には生産コストはどれくらい下がったのでしょうか?

注目3:生産コストは半分以下の35ドルまで減少?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

シェール革命以前と比較して、北米シェールの採算性は大幅に向上しています。

リーマンショックで原油価格が40ドルまで暴落するも、2011年は110ドルまで急上昇していました。この時のシェールガスの生産コストは、80〜120ドルと言われていましたね。しかしながら、技術革新によりコスト削減が進み、17年には35ドル前後まで落ちています

これだけ生産コストが低いと、ロシアやインドネアシアと大差がない水準です。

シェールガスやオイルは、生産コストが高いから競争力がないと言われてたのは昔の時代です。ハイテクによる技術革新と効率化経営が進めば、さらに削減できる余地もあります。米国は原油や天然ガスの輸出量を今後も増やす事が見込まれます。

米国のエネルギー事情については、かなり楽観的な見通しが立てられますね。しかしながら、シェール事業jへの投資はリスクが高いので注意が必要です。なぜならば、大量に社債(借金)を発行し、自転車操業の会社も少なくないからです

では、オキシデンタルの事業別の売上高を見てみましょう。

注目4:原油や天然ガスの生産や開発が64%を占める?

オキシデンタルの2019年度の事業別の売上高です。

事業別の売上高を見ると、上流事業の原油や天然ガス生産の割合が大きく、全事業の64%を占めます。化学製品と中流事業は共に18%だけです。また、原油やガスの生産量は、米国内だけで全体の7割を占めます。さらには、米国の生産拠点の中心はパーミヤン地域に集中していますね。

そのため、オキシデンタルの業績は、パーミヤンの油田に大きく左右されると言えます。では、過去の売上高はどのように推移しているのでしょうか?

注目5:20年2Qは前四半期比で95%も減少?

オキシデンタルの四半期毎の売上高の推移です。

他のエネルギー企業と同様に、15年の原油価格でマイナス成長に陥っている事が分かりますねしかしながら、生産量が右肩上がりのパーミヤン地域に油田を持つオキシデンタルは、17年には再び成長軌道に乗っています。

19年初の原油低迷で再び成長率が落ち込むも、その後はすぐに急回復しています。

多くのエネルギー企業は、20年初頭に中国でコロナ危機が報道され業績が落ち込んでいます。しかしながら、オキシデンタルは20年1Qに前年比で62%も成長していますねただし、次の2Qは大きく失速し前年比で33%も減少しています。

20年1Qと比較して、原油と天然ガス事業が30億ドルも落ち込みました20年3Qや4Qは、業績が回復するかはまだ分からないですね。オキシデンタルに投資するならば、原油や天然ガスの需要が回復するのを見届けてからの方が安全です。

注目6:20年2Qの配当利回りは0.41%しかない?

増配傾向にあったオキシデンタル株だが、近年は減配傾向にある点に注意が必要です。

19年に3.14ドルだった配当金は、20年(TTM)で2.38ドルまで落ち込みます。また、四半期毎の配当金で見ると、コロナ前の12月は0.79ドル、配当利回りは7.68%でした。しかし、20年9月の配当金は0.01ドルで利回りは0.41%まで下がります

配当金の減配は、将来の原油需要に対して悲観的に見ているからですね。自己資本比率が26%まで落ち込んでいる事を考えると、妥当な判断だと言えます。

オキシデンタル・ペトロリウム株を購入するべきか?

オキシデンタル株に投資すべきでない理由は...
  1. 16年以降売上高は上昇するも、営業利益率は19年に低下
  2. 20年2Qは前四半期比で、売上高が95%も下落した
  3. 20年2Qの営業損失は、売上高の2.5倍以上に膨らむ
  4. 売上高は上昇傾向でも、BPSやBPS、フリーCFは安定しない
  5. 自己資本比率は減少傾向にあり、20年は26%まで下落
  6. 配当利回りは1%未満、コロナ後に80分の1まで減配

オキシデンタル・ペトロリウムは、現時点では保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、コロナの影響で業績がどこまで落ち込むか分からないからです。オキシデンタルは、20年1Qは他の石油生産企業と違い、売上高が前年比62%増で着地しました。しかしながら、2Qは前四半期比で売上高が95%も下落しています

2Qの前四半期比で、原油や天然ガス事業は30億ドルも落ち込んでいます

コロナによる原油低迷は続くため、まだまだ不確実性が高い投資だと言えます。オキシデンタルは自己資本比率が26%まで落ち込み、四半期の配当金も80分の1まで減配してる点も懸念材料ですオキシデンタルは自社の見通しについて、かなり悲観的に見ていますね。

ただし、原油の需要が戻るならば、オキシデンタル株に投資したいです。

なぜならば、米国内で最もシェールオイル 生産量が多いパーミヤン地域に油田を持つからです。15年の原油価格暴落以降に、売上高を拡大し事業を回復できた点は評価できますね。しかしながら、オキシデンタルに投資するならば、業績が回復し上昇軌道に乗るのを確認できてからです。

まとめ:オキシデンタル株の四半期決算は?

オキシデンタル株の特徴は...
  1. 1920年に創業し、テキサスで9番目の石油生産会社
  2. 原油の探鉱や生産、化学製品の製造、輸送など中流事業も行う
  3. 米国だけではなく、中東やコロンビアにも生産拠点を持つ
  4. シェールオイルの生産量が多いバーミヤン地域に油田を持つ
  5. 20年2Qは前四半期比で、売上高が95%も下落した
  6. 20年2Qの営業損失は、売上高の2.5倍以上に膨らむ
  7. 自己資本比率は減少傾向にあり、20年は26%まで下落

個人的には、オクシデンタル株は保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、20年2Qの売上高の落ち込みが大きく、不確実性が高い投資だからです。2Qの営業損益は売上高の2.5倍にも膨らんでいます。また、業績が好調だった1Qと比較して、売上高は95%も下落しています自己資本比率は減少傾向にあり、26%まで下げています。

また、オクシデンタル株は四半期の配当金を80分の1まで減配しています。

オクシデンタルの経営陣は、将来の原油需要に対してかなり悲観的な見通しをしている証拠ですね。シェールオイルの生産量が多い地域に油田を持つが、業績がいつ回復するかはまだまだ不確実性が高いですオキシデンタル株に投資するならば、業績が完全に回復するのを待つ必要があります。

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