アパッチエナジーの四半期決算|債務超過で高確率で破綻する?

コロナによる原油やガス価格の暴落で、エネルギー株に投資する人が増えています。エネルギーは割安株が多く、資源価格が戻れば確実に利益を得られる低リスクの投資かもしれませんでは、私たち投資家は、シェール生産社であるアパッチエナジーに投資すべきでしょうか?

  • 「世界各国の経済活動再開で、シェール株は必ず利益を得られる…」
  • 「破綻するシェール株もあるが、原油が上昇すれば大きく儲けられる…」
  • PERが10倍未満と割安で、安全にバリュー株投資ができるはず…」

コロナ危機で株価が暴落した事で、割安のエネルギー株を購入する投資家が増えていますね。しかしながら、シェール企業は財務状況が不安定で、かなり危険な状態にある会社も多いです。実際に、大手シェール会社のチェサピークは経営破綻、他にも潰れている会社は多いです。

個人的には、アパッチエナジー株は保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、20年1Qと2Qで営業損失が膨らみ、債務超過の水準にあるからです20年のアパッチエナジー の自己資本比率は、マイナス13%まで悪化しています。新たに融資してくれる銀行がなければ、アパッチエナジーは経営破綻しますね。

アパッチエナジーの過去の決算書を見ると、苦境は15年から続いています。

15年の原油価格暴落で、売上高の4倍に当たる営業損失額を計上しました。その後も業績は回復せず、負債総額が膨らむ中でコロナ危機を迎えました。15年以降は事業を縮小するも、ほぼ現金が残らない経営状態でしたね。

アパッチエナジー株の投資判断したい人向け
  1. アパッチエナジー株の4半期決算(2020年4-6月)は?
  2. アパッチエナジー株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. アパッチエナジー株は、債務超過で破綻する可能性が高い?

アパッチエナジー(APA)の四半期決算は?

アパッチエナジー株の四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:13.44億ドル(前年比−26%)
  2.  Oil revenues:10.32億ドル(−22%)
  3.  Natural gas revenues:1.23億ドル(−48%)
  4.  Natural gas liquids revenues:0.81億ドル(−25%)
  5.  Purchased oil and gas sales:1.08億ドル(4.5倍)
  6. 純利益:−44.80億ドル(前年度−0.47億ドル)
  7. 1株当たり利益:−11.86ドル(前年度−0.12ドル)

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:7.52億ドル(前年比−57%)
  2.  Oil revenues:5.13億ドル(−64%)
  3.  Natural gas revenues:1.30億ドル(+10%)
  4.  Natural gas liquids revenues:0.54億ドル(−35%)
  5.  Purchased oil and gas sales:0.55億ドル(3.05倍)
  6. 純利益:−3.86億ドル(前年度−3.60億ドル)
  7. 1株当たり利益:−1.02ドル(前年度−0.96ドル)

アパッチエナジーは、1954年に創業した老舗のエネルギー会社です。米国内外に生産拠点を持ち、米国ではメキシコ湾やテキサス州付近で活動しています。米国内の原油生産量は51%、エジプトは36%、英国北海は13%です。推定埋蔵量は米国外を含めて11億7500万バレルです。

20年2Qの売上高は前年比57%減で7.52億ドル、営業利益はマイナス3.86億ドルです。

コロナ危機の影響は1Qの方が大きく、営業損失額は売上高の3倍に近い水準です。1Qと2Qで財務状況が大きく悪化し、債務超過の危機に直面しています

第3Q決算(2020年11月)

2020年11月に公開予定。

では、アパッチエナジーの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

アパッチエナジーの10年間の損益計算書は?

アパッチエナジー の株価は、原油価格が暴騰した2008年に最高値133ドルを付けています。その後は、株価は回復する事なく低迷しています。コロナ危機後の20年9月は、10ドル未満で推移していますね。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、15年に大きく業績が悪化している事が分かります。業績が悪化した理由は、シェールブームで競合企業が増えた事と、15年に原油価格が大きく暴落したからです。アパッチエナジーは、その後も業績が回復する事なく、20年のコロナ危機でさらに悪化しています。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は、15年以前は安定していた事が分かります。しかしながら、15年以降は大きく悪化し、その後も前の水準に回復していません。20年(TTM)は、BPSも赤字化し債務超過の状態にあります。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

業績が好調な15年以前でも、フリーCF(営業CF−投資CF)は赤字だった事が分かります。15年以降は事業を縮小し営業CFを減らすも、それでも黒字化できてない事が分かります会社にキャッシュが残らない経営をしているため、コロナ危機で財務状況が急激に悪化しています。

では、私たち投資家はアパッチエナジーをどうのように判断すればいいのでしょうか?

アパッチエナジーに投資する上で注目すべきポイントは?

アパッチエナジーに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。アパッチエナジーは、原油生産量の割合が高く、原油の需要が増えれば株価も上昇します。

注目1:米国は45年ぶりに世界最大の産油国になった?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

米国は2018年に世界最大の産油国になりました。

1日当たりの石油生産量は、2013年にサウジアラビアやロシアを抜いています。2018年の年間平均生産量は1095万BDとなり、45年ぶりに世界1位の産油国です。2019年も勢いは止まらず、生産量は増加を続けています。

生産量が急増した理由は、2010年代に始まったシェール革命の影響が大きいですシェール層から天然ガスを取り出す技術は、原油にも応用する事でシェールオイルの生産量も増やしています。意外と知られてない事実だが、米国は原油の輸出額ランキングで世界6位、天然ガスは世界4位の輸出大国です。

エネルギーを輸出する事で、貿易赤字額を縮小しています。

参考:世界の石油輸出額 国別ランキング・推移

米国の原油や天然ガスの生産量の増加を支えているのは、シェールオイルやガスです。

注目2:シェールオイルの生産量は右肩上がりで増加?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

シェールオイルの生産量は、一貫して上昇傾向にあります。

米国の原油生産量の60%が、シェールオイルの生産地からです。特に生産量を伸ばしているのは、テキサス州にあるPermian地域ですね。15年の原油暴落で一部の地域で生産量が鈍化したが、コスト削減に成功した事で18年に再び上昇傾向にあります

アパッチエナジーは、米国内外に幅広く油田の生産拠点を持ちます。

米国ではメキシコ湾、テキサス州、ニューメキシコ州東部(Permian)、オクラホマ州西部(Anadarko)です。米国の生産量が全体の51%を占めるが、米国以外ではエジプトで36%、イギリスの北海でも13%もあります。

米国のシェール事業が18年に復活したのは、生産コストを大きく改善できたからです。では、具体的には生産コストはどれくらい下がったのでしょうか?

注目3:生産コストは半分以下の35ドルまで減少?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

シェール革命以前と比較して、北米シェールの採算性は大幅に向上しています。

リーマンショックで原油価格が40ドルまで暴落するも、2011年は110ドルまで急上昇していました。この時のシェールガスの生産コストは、80〜120ドルと言われていましたね。しかしながら、技術革新によりコスト削減が進み、17年には35ドル前後まで落ちています

これだけ生産コストが低いと、ロシアやインドネアシアと大差がない水準です。

シェールガスやオイルは、生産コストが高いから競争力がないと言われてたのは昔の時代です。ハイテクによる技術革新と効率化経営が進めば、さらに削減できる余地もあります。米国は原油や天然ガスの輸出量を今後も増やす事が見込まれます。

米国のエネルギー事情については、かなり楽観的な見通しが立てられますね。しかしながら、シェール事業jへの投資はリスクが高いので注意が必要です。なぜならば、大量に社債(借金)を発行し、自転車操業の会社も少なくないからです。

注目4:エネルギーの社債総額は1.5倍以上に膨らむ?

参考:Oil and debt – BIS

15年に原油価格が暴落して以降、苦境に陥っているシェール企業は多いです。

左図を見ると、シェール革命ブームの09年以降、エネルギーの社債額が膨らんでいる事が分かります。右図を見ると、負債額を増やした企業は、資産総額が25兆ドル未満の中小企業だと分かりますね。つまりは、借金が膨らんでいる原因は、シェールブームで積極的に借入を行う中小企業が増えたからです。

そのため、15年の原油価格暴落や20年のコロナ危機で、経営破綻するシェール企業が増えています(参考:米石油企業破綻、29社に倍増、シェール苦境続く)。そのため、私たち投資家は財務状況を見た上で投資判断する必要がありますね。

アパッチエナジーは、自己資本比率がマイナスに落ち込み、20年2Qに債務超過にあります。

注目5:自己資本比率は−13%で債務超過にある?

過去10年間のアパッチエナジー の負債総額と自己資本比率です。

アパッチエナジー の負債総額は、2015年の原油暴落で大きく膨らんでいます。その後は、負債を減らし経営を立て直すも、20年のコロナ危機で過去最大に悪化しています。その結果、20年(TTM)の自己資本比率はマイナス13%で債務超過にあります

そのため、アパッチエナジーは融資して貰わなければ破綻します。原油価格が40ドルを割る状況下では、新たな融資先を見つけるのは難しいですね。シェール大手のチェサピークは、20年6月末に連邦破産法11条を申請して破綻しています。

参考:チェサピークエナジーの四半期決算|経営破綻の予兆は15年から

注目6:債務超過でも配当利回りは1.07%もある?

エネルギー株の多くは、高配当株として高い人気を誇ります。

アパッチエナジーは、原油価格が低迷する15年以前は一貫して増配傾向にありますね。17年以降の配当性向は40〜50%と高い水準を維持し、20年の利回りは1.04%ですしかしながら、アパッチエナジーの財務状況を考えると、配当金を出すべきではないですね。

配当金の減配ができないのは、株価がいま以上に暴落するリスクがあるからです。

投資家はアパッチエナジー株を購入するべきか?

アパッチエナジー株に投資すべきでない理由は...
  1. 15年の原油価格暴落で、営業損益が売上高の4倍に膨らむ
  2. 業績が15年に悪化して以降、まだ回復傾向にはない
  3. 15年以降、営業利益率は−5〜26%と安定していない
  4. 15年にEPSとBPSが大きく落ち込み、まだ回復してない
  5. 事業を選択して縮小するも、フリーCFは黒字化できてない
  6. 20年のコロナ危機で、自己資本比率は−13%まで落ち込む

米国は第二シェール革命で、原油と天然ガスの生産量が大幅に上昇していますエネルギーを大量に輸入し世界最大の貿易赤字国だったが、20年現在の米国は原油の輸出額ランキングで世界6位、天然ガスは世界4位の輸出大国に返り咲いています。

しかしながら、アパッチエナジー株は保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、20年の自己資本比率はマイナス13%まで悪化し、債務超過の危機にあるからです新たな融資先が見つからなければ、アパッチエナジー株は経営破綻する可能性が高いです。20年4〜6月期で29社破綻しているし、シェール大手のチェサピークも経営破綻しています

アパッチエナジーは、15年の原油価格で売上高の4倍の営業損益を計上しました

15年以降は第二シェール革命でも経営が軌道に乗らず、業績が悪化したままでした。その後に20年の原油価格暴落で、一気に財務状況が悪化しましたね。アパッチエナジーは破綻する可能性が高く、絶対に投資してはいけない銘柄のひとつです。

まとめ:アパッチエナジー株の四半期決算は?

アパッチエナジー株の特徴は...
  1. 1954年に創業、天然ガスや原油の生産や開発を行う
  2. 原油生産量は米国で51%、エジプトで36%、英国で13%ある
  3. 米国内の活動拠点は、メキシコ湾やテキサス州付近に多い
  4. 確認埋蔵量は11億バレル、生産量は石油の割合が多い
  5. 業績が15年に悪化して以降、まだ回復傾向にはない
  6. 15年以降、営業利益率は−5〜26%と安定していない
  7. 20年のコロナ危機で、自己資本比率は−13%まで落ち込む

アパッチエナジー株は保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、20年1Qと2Qで営業損失が膨らみ、債務超過の水準にあるからです20年のアパッチエナジー の自己資本比率は、マイナス13%まで悪化しています。新たに融資してくれる銀行がなければ、アパッチエナジーは経営破綻しますね。

アパッチエナジーの過去の決算書を見ると、苦境は15年から続いています。

15年の原油価格暴落で、売上高の4倍に当たる営業損失額を計上しました。その後も業績は回復せず、負債総額が膨らむ中でコロナ危機を迎えました。15年以降は事業を縮小するも、ほぼ現金が残らない経営状態でしたね。

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