EOGリソーシズの四半期決算|シェールブーム後も業績は安定?

コロナによる原油や天然ガス価格の暴落を受けて、エネルギー株に投資する人が増えています。エネルギーは割安株が多く、資源価格が戻れば確実に利益を得られる低リスクの投資かもしれませんでは、私たち投資家は、シェール生産社であるEOGリソーシズニ投資すべきでしょうか?

  • 「世界各国の経済活動再開で、シェール株は必ず利益を得られる…」
  • 「シェールブームの15年と比較して、株価は10分の1に暴落してる…」
  • 「コロナ前に回復すれば2倍、18年水準に戻れば3倍の利益が得られる…」

シェールビジネスは、業績が不安定な企業が多いです。しかしながら、原油やガス生産企業の中でEOGリソーシズは、比較的に安心して購入できる数少ない銘柄です。20年のコロナ危機で暴落した原油価格が回復するならば、機会を見て購入したい銘柄のひとつです。

投資したい最大の理由は、負債が多いシェール企業の中で利益を重視する会社だからです

15年の原油暴落で業績が悪化するも、18年には回復し営業利益率は28%まで改善しています。19年に原油が低迷した時は、売上高を減らさずに高い利益率を維持しています。シェール企業の中では珍しく、ブームが過ぎた後でもEPSやBPSは安定、フリーCFも黒字化しています。

EOGはハイテクをうまく活用する事で、高い生産性や採算性を改善します

原油や天然ガスを生産するシェール企業は、一過性のブームで経営が安定しない会社は多いです。そんな中で、EOGリソーシズは安心して投資できる数少ない銘柄です。経済再開で原油価格が順調に回復するならば、タイミングを見て購入したいですね。

EOGリソーシズ株の投資判断したい人向け
  1. EOGリソーシズ株の4半期決算(2020年4-6月)は?
  2. EOGリソーシズ株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. シェール革命ブーム後でも、EOGに投資できる理由は?

EOGリソーシズ(EOG)の四半期決算は?

EOGリソーシズの四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:47.17億ドル(前年比+16%
  2.  Crude Oil and Condensate:20.06億ドル(−7%)
  3.  Natural Gas Liquids:1.60億ドル(−27%)
  4.  Natural Gas:2.09億ドル(−38%)
  5.  Commodity Derivative Contracts:12.05億ドル(前年度−0.2億ドル)
  6.  Gathering, Processing and Marketing:10.38億ドル(−20%)
  7.  Gains on Asset Dispositions, Net:0.16億ドル(前年度−0.03億ドル)
  8.  Other, Net:0.21億ドル(−52%)
  9. 営業利益:0.57億ドル(−94%)
  10. 純利益:0.09億ドル(−99%)
  11. 1株当たり利益:0.37ドル(+70%

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:11.03億ドル(前年比−76%)
  2.  Crude Oil and Condensate:6.14億ドル(−76%)
  3.  Natural Gas Liquids:0.93億ドル(−50%)
  4.  Natural Gas:1.41億ドル(−48%)
  5.  Commodity Derivative Contracts:−1.26億ドル(前年度1.77億ドル)
  6.  Gathering, Processing and Marketing:3.62億ドル(−76%)
  7.  Gains on Asset Dispositions, Net:0.13億ドル(+65%
  8.  Other, Net:0.03億ドル(−88%)
  9. 営業利益:−10.86億ドル(前年度11.30億ドル)
  10. 純利益:−9.09億ドル(前年度8.47億ドル)
  11. 1株当たり利益:−1.57ドル(前年度1.46ドル

EOGリソーシズは米国とカナダで天然ガス・原油の探鉱や販売を行うエネルギー企業です。テキサス州フォートワース盆地や南部で生産活動を行います。推定確認埋蔵量は33億2900万バレルあり、石油が51%、天然ガス液が22%、天然ガスが27%あります。

20年2Qの売上高は76%減で11億ドル、営業利益は10.86億ドルです。

他のエネルギー企業と同様に、20年の原油価格暴落で業績が大きく低迷しています。原油の割合が高いEOGリソーシズは、原油価格暴落の影響を大きく受けますね。1Qで売上高を維持できたのは、デリバティブ取引で原油価格をヘッジしていたからです。

第3Q決算(2020年11月)

2020年11月に公開予定。

では、EOGリソーシズの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

EOGリソーシズ(EOG)の10年間の損益計算書は?

2008年の原油価格高騰で67ドル、14年のシェール革命で116ドル、それから18年の第二シェール革命で最高値130ドルを付けています。20年9月はコロナの影響で、36ドル前後で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、原油価格が暴落した15年で業績が悪化した事が分かります。しかしながら、その後は生産性や効率性を高める事で、業績を急回復しています。19年初に原油価格が低迷した時でも、売上高を減らさずに営業利益率が23%ある点は高く評価できます

しかしながら、20年に原油価格が20ドルまで落ちた事で、再び業績は悪化する兆しが見えていますね。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は、15年と16年を除けば比較的に安定しています。他のシェール企業と比較しても、BPSとEPSは高い水準に維持していると言えます。特に、原油価格が低迷した19年に維持できてる点は評価できます

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のCFを見ると、2000年台初頭と比較して改善できてる事が分かりますね。17年以降はフリーCF(営業CF−投資CF)が黒字化し、しっかりと現金を残す体質に変わりつつあります。20年(TTM)の自己資本比率も42%と高く、他のシェール企業よりも安定しています。

では、私たち投資家はEOGリソーシズをどのように判断すれば良いのでしょうか?

EOGリソーシズに投資する上で注目ポイントは?

EOGリソーシズで注目すべきポイントを紹介します。EOGリソーシズの株価は、シェールオイルの生産割合が高く、原油の価格が上昇すれば利益を得られます。

注目1:米国は45年ぶりに世界最大の産油国になった?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

米国は2018年に世界最大の産油国になりました。

1日当たりの石油生産量は、2013年にサウジアラビアやロシアを抜いています。2018年の年間平均生産量は1095万BDとなり、45年ぶりに世界1位の産油国です。2019年も勢いは止まらず、生産量は増加を続けています。

生産量が急増した理由は、2010年代に始まったシェール革命の影響が大きいですシェール層から天然ガスを取り出す技術は、石油にも応用する事で生産量を増やしています。

また、天然ガスの生産量は、米国とロシアが中東諸国の4倍以上の生産量がありますシェール革命で天然ガスの生産量が増え続けている米国は、世界2位のロシアとも差を広げつつあります。

意外と知られてない事実だが、米国はすでに世界4番手の天然ガス輸出大国です。米国内で余った天然ガスは、液体化(LNG)して海外に輸出しています。

参考:世界の天然ガス輸出額 国別ランキング・推移

米国の原油や天然ガスの生産量増を支えているのは、シェールオイルやガスですね。

注目2:シェールオイルの生産量は右肩上がりで増加?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

シェールオイルの生産量は、一貫して上昇傾向にあります。

米国の原油生産量の60%が、シェールオイルの生産地からです。特に生産量を伸ばしているのは、テキサス州にあるPermian地域ですね。15年の原油暴落で一部の地域で生産量が鈍化したが、コスト削減に成功した事で18年に再び上昇傾向にあります

EOGリソーシズは、主にテキサス州のフォートワース盆地(Haynesville)や南部(Ealge Ford)で生産活動しています。シェールオイルの生産量は、どこの地域も増加傾向にありますね。

米国のシェール事業が18年に復活したのは、生産コストを大きく改善できたからです。では、具体的には生産コストはどれくらい下がったのでしょうか?

注目3:生産コストは半分以下の35ドルまで減少?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

シェール革命以前と比較して、北米シェールの採算性は大幅に向上しています。

リーマンショックで原油価格が40ドルまで暴落するも、2011年は110ドルまで急上昇していました。この時のシェールガスの生産コストは、80〜120ドルと言われていましたね。しかしながら、技術革新によりコスト削減が進み、17年には35ドル前後まで落ちています

これだけ生産コストが低いと、ロシアやインドネアシアと大差がない水準です。

シェールガスやオイルは、生産コストが高いから競争力がないと言われてたのは昔の時代です。ハイテクによる技術革新と効率化経営が進めば、さらに削減できる余地もあります。米国は天然ガスの輸出量を今後も増やす事が見込まれます。

では、EOGリソーシズの事業別の売上高を見てみましょう。

注目4:シェールオイルの売上高が53%を占める?

EOGリソーシズの事業別の売上高の割合です。

コロナ危機により20年は業績が悪化しているため、19年2Q時点の売上高になります。事業別の売上高を見ると、53%が非従来型(シェール)の原油を占めています天然ガス(シェールガス)の割合は5%しかないですね。

また、原油生産以外の収集や処理、小売業が31%を占める事が分かります20年2Qの売上高が76%も減少したのは、原油価格の暴落で影響を大きく受けたからですね。

では、EOGリソーシズの売上高はどのように推移しているのでしょうか?

注目5:コロナで売上高は前年比76%も急落した?

過去2年間のEOGリソーシズの売上高推移と成長率です。

19年初に原油価格が低迷した時でも、他のシェール企業と比較してEOGリソーシズの売上高は安定していましたその理由は、自社開発アプリ「iSteer(アイスティア)」を利用して、「原油のスイートスポット」を当てる技術が高かったからです。

IT技術を活用して創意工夫するEOGは、石油業界のアップルと呼ばれています(参考:「石油界のアップル」が挑む第2のシェール革命)。

しかしながら、コロナで原油価格が20ドルまで暴落した事で、20年2Qは前年比で76%も急落しています。IT技術で採算性を改善しても、ここまで暴落したら対処できないですね。1Qで影響が少なかった理由は、デリバティブ取引で原油価格にヘッジしていたからですね。

20年9月には、原油価格は40ドルまで回復しています。シェール企業が成長軌道に乗るには、60ドル付近まで回復する必要がありますね

価格競争力が高いEOGリソーシズは、他社よりも早く業績を回復する可能性があります。

注目6:20年2Qの配当利回りは4.14%もある?

エネルギー株の多くは、高配当株として高い人気を誇ります。

EOGリソーシズは、原油価格が低迷した15年や19年、それから20年のコロナ危機でも減配してない希有な原油会社です。配当金は一貫して上昇傾向にある上に、直近の配当性向は206%まで上昇しています。20年2Qの配当利回りは、4.14%です。

投資家はEOGリソーシズ株を購入するべきか?

EOGリソーシズ株に投資すべき理由は...
  1. 15年の原油暴落で悪化するも、その後は業績を回復してる
  2. 19年の原油低迷では、売上を落とさずに利益を上げている
  3. 営業利益率が高く、原油価格が不調な19年でも23%と高い
  4. 一時的に低迷するも、17〜19年のEPSとBPSは安定してる
  5. 18年以降はCFも安定し、フリーCFは黒字を継続してる
  6. IT技術に力を入れる事で、競争力と採算性を改善している
  7. 原油価格が回復すれば、1番最初に利益を得られる

EOGリソーシズ株は、原油価格の回復を見ながら購入したい銘柄です。

なぜならば、負債を低く抑え利益を重視してるため、経営体質が他のシェール企業よりも優れているからです。15年の原油暴落で業績が悪化するも、その後は持ち直していますね。19年の原油低迷では、売上高を落とさずにしっかりと利益を確保しています

そのため、17〜19年のEPSやBPSは安定、フリーCFも黒字です。

また、データサイエンティストを採用して自社アプリを開発するなど、生産性や採算性向上のためにIT技術に力を入れている点も高く評価できます。価格競争力が高いため、経済再開で原油価格が回復すれば確実に利益を得られますねシェール企業の中では、安心して投資できる数少ない銘柄です。

まとめ:EOGリソーシズ(EOG)の四半期決算は?

EOGリソーシズ株の特徴は...
  1. 1999年にエンロンから独立したエネルギー会社である
  2. シェールオイルやガスの発掘、開発、生産を行う
  3. 埋蔵量は33億バレル、石油が51%を占める
  4. 18年以降も生産量が多い、テキサス州を拠点にしている
  5. 営業利益率が高く、原油価格が不調な19年でも23%と高い
  6. 一時的に低迷するも、17〜19年のEPSとBPSは安定してる
  7. 18年以降はCFも安定し、フリーCFは黒字を継続してる
  8. IT技術に力を入れる事で、競争力と採算性を改善している

投資したい最大の理由は、負債が多いシェール企業の中で利益を重視する会社だからです

15年の原油暴落で業績が悪化するも、18年には回復し営業利益率は28%まで改善しています。19年に原油が低迷した時は、売上高を減らさずに高い利益率を維持しています。シェール企業の中では珍しく、ブームが過ぎた後でもEPSやBPSは安定、フリーCFも黒字化しています。

EOGはハイテクをうまく活用する事で、高い生産性や採算性を改善します

原油や天然ガスを生産するシェール企業は、一過性のブームで経営が安定しない会社は多いです。そんな中で、EOGリソーシズは安心して投資できる数少ない銘柄です。経済再開で原油価格が順調に回復するならば、タイミングを見て購入したいですね。

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