デボンエナジーの四半期決算|シェール革命も業績は低迷?

コロナによる原油や天然ガス価格の暴落を受けて、エネルギー株に投資する人が増えています。エネルギーはPERが割安な株も多く、資源価格が戻れば確実に利益を得られ、リスクが少ない投資です。では、私たち投資家は、シェール生産社であるデボンエナジーに投資するべきでしょうか?

  • 「世界各国の経済活動再開で、エネルギー株は必ず利益を得られる…」
  • 「株価はコロナ前の4分の1、高配当なのに割安に放置されてる…」
  • 「コロナによる株価暴落で、配当利回りが4.9まで高騰している…」

デボンエナジーは、シェールガスやオイルを生産するエネルギー会社ですね。2018年に米国は、サウジアラビやロシアを抜いて、世界1位の産油国になりました。コロナによる経済再開が落ち着き、需要が回復すれば儲けられる可能性が高いですね

しかしながら、デボンエナジー株は投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、コロナ危機以前から、デボンエナジーの業績は大きく低迷しているからですシェール企業の多くは、2015年の原油暴落で売上が急落しました。再び生産高を増やし回復したシェール企業もあるが、デボンエナジーには回復の見込みがありません。

主要拠点であるバーネットシェールは、埋蔵量が少なく業績に悪影響を与えてる可能性がありますね。シェール企業に投資するならば、LNG輸出やパイプラインの保有会社に投資した方が安全です。

デボンエナジー株の投資判断したい人向け
  1. デボンエナジー株の4半期決算(2020年4-6月)は?
  2. デボンエナジー株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. シェール革命でも、デボンエナジーに投資すべきでない理由は?

デボンエナジー(DVN)の四半期決算は?

デボンエナジーの四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:20.87億ドル(前年比+93%
  2.  Upstream revenues :15.27億ドル(4.86倍
  3.  Marketing and midstream revenues:5.6億ドル(−27%)
  4. 営業利益:−21.07億ドル(前年度−4.97億ドル)
  5. 純利益:−18.16億ドル(前年度−3.17億ドル)
  6. 1株当たり利益:−4.82ドル(前年度−0.74ドル

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:3.94億ドル(前年比−82%)
  2.  Oil, gas and NGL sales:4.24億ドル(−48%)
  3.  Oil, gas and NGL derivatives:−3.61億ドル(前年度7.2億ドル)
  4.  Marketing and midstream revenues:3.31億ドル(−41%)
  5. 営業利益:−6.8億ドル(前年度−21.07億ドル)
  6. 純利益:−6.7億ドル(前年度−18.16億ドル)
  7. 1株当たり利益:−1.78ドル(−4.82ドル

デボンエナジーは、1972年に設立した独立エネルギー会社です。シェールガスの主要生産地である米国テキサス州のバーネットシェールで最大の生産量があり、ブラジルやアンゴラでも油田を保有しています。15年以降は、保有する資産を次々に競合他社に買収しています(参考:Devon Energy Wikipedia)。

デボンエナジーはシェール企業であり、天然ガス比率は60%を占めます。

20年2Qの売上高は前年比82%減の3.94億ドルです。営業利益はマイナス6.8億ドルと、前年度よりは赤字幅は縮小しています。売上高が大きく減少した理由は、コロナによる急激な原油や天然ガスの需要減少が原因ですね。

また、部門別の売上高を見ると、原油や天然ガスのデリバティブ取引で大損した事が分かります。

第3Q決算(2020年11月)

2020年11月に公開予定。

では、デボンエナジーの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

デボンエナジー(DVN)の10年間の損益計算書は?

デボンエナジーは、原油高の2008年に最高値120ドルを付けています。しかしながら、その後はシェール革命の波に乗れず、株価は低迷傾向にありますね。コロナ危機の影響で、20年9月は8ドルまで急落しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、15年以降に売上高と営業利益率が大きく落ち込んでいます。15年以降に低迷した理由は、WTI原油価格が20ドルまで暴落したからです。その後はシェールガスで17年に持ち直すも、再び業績は低迷していますね。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)を見ると、15年以降に低迷している事が分かりますね。20年(TTM)も純資産は大きく落ち込み、純利益は赤字まで転落しています。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のキャッシュフロー を見ると、投資CFは14年以降に縮小傾向にありますね。しかしながら、15年以降は営業CFも大きく縮小傾向にあります。そのため、フリーCF(営業CF−投資CF)はゼロに近く、手元にキャッシュが残らない状態が何年も続きます

シェール生産社は、設備投資が大きい割に儲かりにくいビジネスだと分かりますね。自己資本比率は31%と悪くはないが、事業で利益が出ないため縮小傾向にあります。

では、私たち投資家は、デボンエナジーをどのように評価すれば良いのでしょうか。

デボンエナジーに投資する上で注目ポイントは?

デボンエネジーに投資する上での注目すべきポイントを紹介します。シェール最大手のデボンエナジーは、天然ガスの需要が高くなれば業績も上昇します。

注目1:米国は45年ぶりに世界最大の産油国になった?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

米国は2018年に世界最大の産油国になりました。

1日当たりの石油生産量は、2013年にサウジアラビアやロシアを抜いています。2018年の年間平均生産量は1095万BDとなり、45年ぶりに世界1位の産油国です。2019年も勢いは止まらず、生産量は増加を続けています。

生産量が急増した理由は、2010年代に始まったシェール革命の影響が大きいですシェール層から天然ガスを取り出す技術は、石油にも応用する事で生産量を増やしています。

また、天然ガスの生産量は、米国とロシアが中東諸国の4倍以上の生産量がありますシェール革命で天然ガスの生産量が増え続けている米国は、世界2位のロシアとも差を広げつつあります。

意外と知られてない事実だが、米国はすでに世界4番手の天然ガス輸出大国です。米国内で余った天然ガスは、液体化(LNG)して海外に輸出しています。

参考:世界の天然ガス輸出額 国別ランキング・推移

米国の原油や天然ガスの生産量増を支えているのは、シェールオイルやガスですね。

注目2:シェールガスの生産量は右肩上がりで増加?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

シェールガスの生産量は、一貫して上昇傾向にあります。

特に生産量が著しく増えているのは、AppalachiaとPermian地方ですね。15年の原油価格暴落で、コストが高いシェールオイル やガスの生産量が一部の地域で鈍化しました。しかしながら、技術開発でコスト削減に成功した事で再び生産量は増加しています

2000年代始め、北米の天然ガス生産の主役はメキシコ湾の海上でした。しかしながら、シェール革命とその後の技術革新によるコスト削減で、米国内陸地に天然ガスの生産地が移動しています。メキシコ湾の天然ガス生産量は、2002年から5分の1に低下しました

米国内陸地に移動した理由は、シェールオイル やガスの方が生産コストが低いからです。では、シェールガスやオイルの生産コストはどれくらい下がったのでしょうか

注目3:生産コストは半分以下の35ドルまで減少?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

シェール革命以前と比較して、北米シェールの採算性は大幅に向上しています。

リーマンショックで原油価格が40ドルまで暴落するも、2011年は110ドルまで急上昇していました。この時のシェールガスの生産コストは、80〜120ドルと言われていましたね。しかしながら、技術革新によりコスト削減が進み、17年には35ドル前後まで落ちています

これだけ生産コストが低いと、ロシアやインドネアシアと大差がない水準です。

シェールガスやオイルは、生産コストが高いから競争力がないと言われてたのは昔の時代です。ハイテクによる技術革新と効率化経営が進めば、さらに削減できる余地もあります。

米国は天然ガスの輸出量を今後も増やす事が見込まれます。

注目4:貿易摩擦でもLNG輸出量は前年比63%増?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

米国は2016年に、中南米向けにLNGの輸出を開始しています。天然ガス(LNG)の輸出量は増加傾向にあり、2020年にはエネルギーの純輸出大国になります。

米中貿易摩擦の影響で、中国のLNG輸出はゼロになりました。しかしながら、中国の穴を埋める形で、欧州や中南米の輸出量が急増しています。2019年第2四半期は、対前年同期比で63%増を記録しています。アジアでは日本、台湾、韓国、インド向けの輸出が多いですね。

欧州向けの輸出が増えてる理由は、欧州諸国はロシアの天然ガス依存度を減らしたいからです。米国の輸出先は、経済成長著しいアジアや中南米が多く、今後も増加する事が予想できますね。また、中国との貿易摩擦が緩和されたら、さらに輸出量は増えるかもしれません。

では、天然ガスを生産するデボンエネルギーの売上高はどのように推移してるでしょうか?

注目5:コロナで売上高は前年比78%まで減少?

過去2年間の売上成長率を見ると、デボンエナジーは低迷している事が分かります。

20年2Qに低迷してる理由は、コロナの影響で原油価格が20ドルに暴落したからですね。生産コストが向上するも、従来型の原油や天然ガスと比較して、シェールガスの生産コストは割高です。原油やガスの需要減少で、企業破綻したシェール系企業は多いです(参考:米石油企業破綻、29社に倍増)。

20年以前から低迷してる理由は、主要拠点のテキサス州バーネットシェールの生産量が増えてないからかもしれませんシェールガスやオイルは、地域によって取れ高が大きく異なります。

20年2Qに売上高が激減した事からも分かる通り、かなり危険な状況にありますね。

注目6:20年9月の配当金利回りは4.91%もある?

エネルギー株の多くは、高配当株として高い人気を誇ります。

シェール革命ブームの2015年まで、デボンエナジーは順調に配当金を増やしいました。しかしながら、原油暴落の2015年以降は、配当金を大きく減配していますね。20年の配当性向は13.6%、株価暴落で配当利回りは4.91%と高いです

しかしながら、今後も業績低迷が続くならば、さらに減額される可能性が高いですね。

投資家はデボンエナジー株を購入するべきか?

デボンエナジー株に投資すべきでない理由は...
  1. 原油暴落の15年以降に、売上高と営業利益率が低迷してる
  2. 15年以降にBPSとEPSも低迷し、20年にEPSはマイナスである
  3. 投資CFと営業CFは同額で、フリーCFは4年間もゼロに近い
  4. 主要拠点であるテキサス州のバーネットで、生産量が増えていない
  5. マイナス成長率が続き、コロナで20年はマイナス78%に落ち込む
  6. コロナによる原油暴落で、破産するシェール企業が増えている
  7. シェール生産社よりも、輸送やパイプラインの方が安全に投資できる

シェール革命とその後の技術革新で、米国内のシェールオイル やガスの生産量は増加傾向にあります。米国は天然ガス輸出で世界4位だが、近い将来にロシアを抜くほど著しく成長していますね。しかしながら、個人的にはデボンエナジー株は保有したい銘柄ではjありません

なぜならば、コロナ危機以前の2015年から、業績が大きく低迷しているからです

シェール企業の多くは、2015年の原油価格暴落で大きく売上が落ち込みます。米国内のシェールオイルやガスは、中東やロシアよりも生産コストが高く、価格競争で勝てないからです。しかしながら、一部のシェール企業は技術革新や効率化で持ち直しました。

ただ、全てのシェール企業が生産量を持ち直した訳ではありません。

シェールガスやオイルは、埋蔵量が従来型の油田より少なくすぐに枯渇する地域も多いです。そのため、負債が大きい中小シェール企業は経営危機に陥り、コロナ破綻した会社も少なくありません。

デボンエナジーの生産拠点であるバーネットシェールも、生産量が多い地域ではありません。15年に低迷した売上高や営業利益が戻らない理由は、シェールガスが期待より採掘されてない可能性が高いですね。自己資本比率は31%と悪くないが、フリーCFやEPSは赤字で危険な状態だと言えます。

シェール企業に投資するならば、LNG輸出やパイプラインを保有する会社に投資した方が安全です。

まとめ:デボンエナジー(DVN)の四半期決算は?

シェニエール株の特徴は...
  1. 1971年に設立された、独立系エネルギー会社である
  2. 2019年に7億5700万バレルの石油換算を証明する
  3. テキサス州のバーネットシェールに最大の生産拠点がある
  4. 探鉱、開発、生産を行い、ブラジルとアンゴラにも油田がある
  5. 原油価格が暴落した15年以降は、業績が低迷している
  6. マイナス成長率が続き、コロナで20年はマイナス78%に落ち込む

デボンエナジーは、シェールガスやオイルを生産するエネルギー会社ですね。2018年に米国は、サウジアラビやロシアを抜いて、世界1位の産油国になりました。コロナによる経済再開が落ち着き、需要が回復すれば儲けられる可能性が高いですね

しかしながら、デボンエナジー株は投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、コロナ危機以前から、デボンエナジーの業績は大きく低迷しているからですシェール企業の多くは、2015年の原油暴落で売上が急落しました。再び生産高を増やし回復したシェール企業もあるが、デボンエナジーには回復の見込みがありません。

主要拠点であるバーネットシェールは、埋蔵量が少なく業績に悪影響を与えてる可能性がありますね。シェール企業に投資するならば、LNG輸出やパイプラインの保有会社に投資した方が安全です。

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