シェニエールエナジーの四半期決算|16年に米国初のLNG輸出

コロナによる原油や天然ガス価格の暴落を受けて、エネルギー株に投資する人が増えています。エネルギーはPERが割安な株も多く、資源価格が戻れば利益を得られるリスクが少ない投資です。では、私たち投資家は、LNG輸出業者であるシェニエールに投資すべきでしょうか?

  • 「世界各国の経済活動再開で、エネルギー株は必ず利益を得られる…」
  • 「環境にやさしい天然ガスの需要は、20年間で2倍に増加する…」
  • 「コロナによる株価暴落で、配当利回りが15.2まで高騰している…」

シェニエール株は、2016年2月に米国で初めてLNGを輸出した会社です。2010年台にシェール革命の恩恵を受けて、シェニエールは5年間で株価が20倍に暴騰しています今後もアジアを中心にLNGの需要は増加するため、利益を得られる可能性が高いですね。

しかしながら、現時点ではシェニエール株を保有したくはないです。

なぜならば、短期間で急成長した事でシェニエール株の財務状況は悪化しているからですBPS(1株あたり純資産)は一貫して低く、PBR(株価純資産倍率)は基準値の1倍よりも10倍も割高水準です。また、フリーCFは10年間赤字で、自己資本比率は1%と危険水準ですね

営業利益率は35%と高いが、設備投資が膨大になる点はマイナス要因ですね。そのため、シェニエール株に投資するならば、財務が安定するのを待ってからでも遅くはありません。

シェニエール株の投資判断したい人向け
  1. シェニエール株の4半期決算(2020年4-6月)は?
  2. シェニエール株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 営業利益率35%だが、リスクが高い理由は?

シェニエールエナジー(LNG)の四半期決算は?

シェニエールの四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:27.09億ドル(前年比+19%
  2.  LNG revenues:25.68億ドル(+19%
  3.  Regasification revenues:0.67億ドル(+1%
  4.  その他:0.74億ドル(+42%)
  5. 営業利益:13.46億ドル(−18%)
  6. 純利益:6.03億ドル(2.6倍
  7. 1株当たり利益:1.43ドル(2.6倍

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:24.02億ドル(前年比+4%
  2.  LNG revenues:22.95億ドル(+5%
  3.  Regasification revenues:0.68億ドル(+1%
  4.  その他:0.39億ドル(−25%)
  5. 営業利益:9.37億ドル(2.16倍
  6. 純利益:4.04億ドル(202倍
  7. 1株当たり利益:0.78ドル(−0.44ドル

シェニエールは、米国で液化天然ガス(LNG)を最初に輸出した企業です。1996年に石油とガスの探査会社として創業し、2000年台初頭に天然ガスターミナルの開発に切り替えました。その後は、米国で天然ガスの生産量が増えた事で、輸出業に転換しています。

20年2Qの売上高は前年比4%増で24億ドル、営業利益は2倍で9.37億ドルです。売上高成長率は鈍化するも、営業利益率は39%と好調ですね。LNG事業が売上高全体の95%を占めています。

石油や天然ガス生産会社と比較して、シェニエールはコロナの影響が少ないです。

コロナの影響が少ない理由は、タンカーで天然ガスを運輸するため、輸入企業と長期契約が多いからだと予想できます。経済停止が長期化すれば、シェニエールの業績も落ちる可能性がありますね。

第3Q決算(2020年11月)

2020年11月に公開予定。

では、シェニエールの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

シェニエール(LNG)の10年間の損益計算書は?

1994年に36ドルで上場したが、その後は株価は2ドル前後まで低迷していますね。シェール革命の追い風に乗り、2015年には最高値80ドルまで暴騰しています。その後はブームが落ち着き、20年9月は50ドル前後で推移しています。

では、シェニエールの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、2016年から売上高が爆発的に伸びている事が分かりますね。暴騰した理由は、2016年に米国で天然ガスの生産量が急増したからです。天然ガス向けのターミナルを開発していたシェニエールは、16年2月に米国初のLNG輸出業者になりました。

売上高が爆発的に増加する上に、営業利益率も35%と高い水準を位置しています

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は、安定しているとは言えないですね。ただし、LNGの輸出を始めた2016年は、数値は改善傾向にあります。直近の20年(TTM)では、BPSもEPSもプラスに推移しています。

BPSは過度に低いため、財務的には好ましい状態ではないですね。PBR(株価純資産倍率)は、10倍と基準値の1倍よりもかなり割高水準ですね。また、20年の自己資本比率は1倍と危険な状態でもあります

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のCFも安定しているとは言えません。フリーCF(営業CF−投資CF)は10年以上も赤字が続いていますね。ただし、2016年以降は徐々に改善傾向にあります事業が軌道に乗った後に、しっかりと現金を残せる企業になるか見極める必要がありますね。

では、私たち投資家はシェニエール株をどのように判断すれば良いのでしょうか?

シェニエールに投資する上で注目ポイントは?

シェニエールに投資する上での注目すべきポイントを紹介します。液化天然ガス(LNG)の輸出で収益を得ているシェニエールは、天然ガスの需要が増えれば株価も上昇しますね。

注目1:2030年でも再生可能エネルギーは10%未満?

参考:世界のエネルギー消費量と人口の推移

再生可能エネルギーなど脱炭素化社会が言われています。

しかしながら、資源エネルギー庁の調査によると、2030年もエネルギーの中心は石油やガス、石炭などの炭素系が占めます。増加量が最も多いのはガスで、再生可能エネルギーの割合は2030年でも10%もない事が分かります

天然ガスの人気が高い理由は、石油よりも安い上に環境にやさしいからです。天然ガスは、石油よりも二酸化炭素排出量が30%少なく、石炭よりも47%も少ないです

シェールガス など技術開発が進む米国では、2015年に石油や天然ガスの生産量が世界1位になりました。それに伴い、液化天然ガス(LNG)の輸出量も増加しています。シェニエールは、LNG輸出で米国最大手のエネルギー企業ですね。

注目2:米国のLNG輸出額は世界で4番目に多い?

参考:天然ガス・LNG最新動向

2015年に生産量が世界1位になった米国は、LNGの輸出も加速しています。

2016年からLNG輸出を本格的に行い、2018年には10倍以上のLNGを輸出しています。輸出先で最も多いのはアジアや中南米地域で、韓国が全体の17%、中国が12%、日本が8%です。アジア勢が米国から天然ガスを輸入する理由は、中東地域からの依存を減らすためです

これにより、2019年の天然ガス輸出額ランキングで、米国は世界4位になりました。ロシア、カタール、ノルウェーに次ぐ天然ガスの輸出大国です。

参考:世界の天然ガス輸出額 国別ランキング・推移

では、シェニエールの売上高はどのように推移しているのでしょうか?

注目3:20年2Qの売上成長率はコロナで4.7%になる?

シェニエールの売上成長率を見ると、16年と17年に急騰している事が分かります。

売上高が急騰した理由は、2010年台後半に米国で天然ガスの生産量が急騰したためです。そ2016年以前のシェニエールは、天然ガスターミナル開発の需要は小さく経営に行き詰まっていましたね。シェール革命の恩恵を受けて、2010年の5年間で株価は20倍に暴騰しています

18年以降は高い成長が落ち着くも、それでも20%前後の成長率を維持しています。

ただし、コロナによる経済停止で需要が落ち込み、20年2Qの成長率は4.7%まで落ち込んでいます。経済停止で一時的に成長が鈍化するも、長期的には天然ガスの流通量や需要は増え続けます。そのため、近い将来に再び20%前後の成長率に戻る事が予想できますね。

注目4:LNG需要は2040年に2倍に増える?

参考:過去最低のLNGスポット価格

世界のLNG需要は、今後も増え続ける事が予想されます。

天然ガスは石油や石炭に比べ炭酸ガス排出量が少ない利点がありますね。そのため、40年のLNG需要はアジアを中心に現在から倍増し、年間8億1000万トンに達すると見込まれます欧州と比べて、パイプライン網が弱いアジアではLNGの需要は高いですね。

投資家はシェニエール株を購入するべきか?

シェニエール株に投資すべきでない理由は...
  1. 売上高は16年に爆発的に成長するも、現在は落ち着いている
  2. 天然ガスは供給過多で、需要が増えるも価格が上がらない
  3. 営業利益率は35%と高いが、フリーCFは毎年赤字である
  4. 利益率は高いが設備投資が必要で、資金調達に不安がある
  5. 自己資本比率は1%と低く、資金ショートする可能性もある
  6. 短期間で急成長したため、BPSやEPSは安定してない

需要増が期待されるが、シェニエール株は現時点では保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、天然ガスの需要が増えるのは間違いないが、供給量が豊富で価格については不確実性も高いからですまた、シェニエール株の売上高成長率は16年や17年のピーク値から大きく下げています。今後は20〜40%の成長率が期待されるも、以前ほどは高くはないですね。

シェニエールの業績は、直近の営業利益率が35%と高く高収益ビジネスです

しかしながら、短期間で急成長しているため、BPSとEPSは共に安定していませんまた、設備投資などの投資CFが大きく、フリーCFが赤字なのも不安材料です。ただ、将来的にはLNGの需要は急増するため、業績が安定した事を見極めた上で参入を決めたいですね。

営業利益率が20%を超えるので、優良ビジネスである可能性は高いです。

まとめ:シェニエール(LNG)の四半期決算は?

シェニエール株の特徴は...
  1. 1996年に石油とガスの探査会社として創業した
  2. 天然ガス向けターミナル開発から、LNG輸出業者へ転換する
  3. 16年に天然ガス生産量が増えた事で、売上高が激増する
  4. 16年で成長率が千倍を超えるが、現在は20%前後で落ち着く
  5. 営業利益率は35%と高いが、フリーCFは毎年赤字である
  6. 利益率は高いが設備投資が必要で、資金調達に不安がある
  7. 自己資本比率は1%と低く、資金ショートする可能性もある
  8. 短期間で急成長したため、BPSやEPSは安定してない

シェニエール株は、2016年2月に米国で初めてLNGを輸出した会社です。2010年台にシェール革命の恩恵を受けて、シェニエールは5年間で株価が20倍に暴騰しています今後もアジアを中心にLNGの需要は増加するため、利益を得られる可能性が高いですね。

しかしながら、現時点ではシェニエール株を保有したくはないです。

なぜならば、短期間で急成長した事でシェニエール株の財務状況は悪化しているからですBPS(1株あたり純資産)は一貫して低く、PBR(株価純資産倍率)は基準値の1倍よりも10倍も割高水準です。また、フリーCFは10年間赤字で、自己資本比率は1%と危険水準ですね

営業利益率は35%と高いが、設備投資が膨大になる点はマイナス要因ですね。そのため、シェニエール株に投資するならば、財務が安定するのを待ってからでも遅くはありません。

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