キンダーモルガンの四半期決算|営業利益率が30%超え優良株?

コロナによる原油価格の暴落を受けて、割安のエネルギー株を購入する投資家が増えています。確かに、経済活動が再開すれば、原油や天然ガス価格は上昇する確率が高いですねしかしながら、パイプラインを保有するキンダーモルガンに投資すれば、本当に利益を得られるのでしょうか?

  • 「世界各国の経済活動再開で、エネルギー株は必ず利益を得られる…」
  • 「コロナによる株価暴落で、配当利回りが7.6%まで高騰している…」
  • 「生産者ではないパイプラインを保有する会社は、リスクが少ない投資だ…」

キンダーモルガン株は、原油や天然ガスのパイプラインを保有するエネルギーのインフラ会社です。

個人的には、キンダーモルガン株は保有したい銘柄のひとつです。なぜならば、原油や天然ガスの需要は高く、資源価格が上昇すれば確実に儲けられるビジネスだからです

また、パイプライン保有会社は、利益率が高くリスクが少ない投資である点も魅力です

原油や天然ガスを開発、生産する会社と違い、投資CFが少なく流通量が増えれば収益を得られます。そのため、原油価格が暴落した2016年でも、営業利益率は30%と高い水準を維持しています1度建設すれば安定して収益を得られるため、営業CFやフリーCFも安定しています。

21年や22年以降は、ドル安やインフレが進み資源価格が高騰する可能性が高いですドル安やインフレ懸念は、新興国や資源株は大きな恩恵を受けますね。

キンダーモルガン株の投資判断したい人向け
  1. キンダーモルガン株の4半期決算(2020年4-6月)は?
  2. キンダーモルガン株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 18年の商品サイクルで、2025年に資源価格は暴騰する?

キンダーモルガン(KMI)の四半期決算は?

キンダーモルガンの四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:31.0億ドル(前年比−10%)
  2. 営業利益:0.4億ドル(−96%)
  3. 純利益:−3.06億ドル(前年度5.56億ドル)
  4. 1株当たり利益:0.24ドル(−4%

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:25.6億ドル(前年比−21%)
  2.  天然ガスパイプライン:50%
  3.  ターミナル:17%
  4.  製品パイプライン:17%
  5.  二酸化炭素関連:13%
  6. 営業利益:−2.82億ドル(前年度9.13億ドル)
  7. 純利益:−6.24億ドル(前年度5.18億ドル
  8. 1株当たり利益:0.17ドル(−23%

キンダーモルガンは、1997年に設立したエネルギー全般のインフラ会社です。石油や天然ガスなどのパイプラインを持ち、資源の流通やマーケティングの中流事業をしています。

20年2Qの売上高は、前年比21%減の25.6億ドルでした。対して、営業利益率はマイナス2.82億ドルまで落ち込んでいます1Qと2Qで売上高が大きく落ち込んだ理由は、コロナによる経済停止が原因ですね。

ただし、原油や天然ガスを開発、生産する会社よりも影響は少ない事も分かります。

第3Q決算(2020年11月)

2020年11月に公開予定。

では、キンダーモルガンの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

キンダーモルガン(KMI)の10年間の損益計算書は?

2011年に31ドルで上場した株価は、2015年に最高値43ドルを付けています。その後は、原油価格の暴落で株価は低迷し、コロナ後の20年9月は13ドル前後で推移しています

では、キンダーモルガンの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高は伸びていないが安定している事が分かりますね。営業利益率は30%と高い水準を示しています。16年と20年(TTM)で売上高が減少した理由は、原油価格が大きく暴落したからです。

原油価格が暴落しても、営業利益は比較的に安定している事が分かりますね。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)は、比較的に安定していると言えますね。しかしながら、EPS(1株あたり純利益)は、マイナスではないが安定と言える水準ではありません。パイプライン株はEPSが低く、PER(株価 / EPS)は185倍(13ドル / 0.07ドル)と割高水準にあります。

対して、PBRは(株価 / BPS)は、0.87倍と割安水準にあります

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

キンダーモルガンの営業CFとフリーCF(営業CF−投資CF)は安定して推移しています。パイプラインの新設や増設は投資CFが掛かるが、一度建設すれば安定して収益を得られますね。フリーCFが年々増加傾向にある点は大きく評価できますね。

では、私たち投資家はキンダーモルガン株をどのように判断すれば良いのでしょうか?

キンダーモルガンに投資する上で注目ポイントは?

キンダーモルガンに投資する上での注目すべきポイントを紹介します。パイプラインを保有するキンダーモルガンの株価は、原油や天然ガスの需要が増え価格が増えるほど上昇します。

注目1:石炭、石油、ガスはエネルギーの85%を占める?

参考:エネルギー需要の概要等(資源エネルギー庁)

社会的には、原油や天然ガスなどの脱炭素化社会が進むと一般的に言われています。先進国では電気や水素で動く自動車、太陽光などのソーラパネルが開発され、原油や天然ガスの依存度は以前よりも低下していますね。

しかしながら、エネルギー消費量を見ると、全く異なる印象を受けます。

石油と天然ガス、石炭を中心に炭素系のエネルギーは増加する一方です。他再生エネルギーは2.8%と、割合も増加率も他のエネルギーよりも小さい事が分かります意外かもしれないが、10年後の社会でも再生エネルギーの消費量が大きくない事が予想されます。

例えば、2019年に自動車の世界販売台数は9130万台でした。

その中で、EVやPHVの販売台数は220万台、全体の2%に止まりますアメリカや中国を中心に、政府の補助金によってEV車の割合は増加傾向にあります。しかしながら、販売台数が増加し続ける途上国ではガソリン車が今も爆発的に売れ続けていますね

こうした現実を考えると、原油や天然ガスの消費量はまだまだ増加を続けます。実際に、2030年予測でも再生可能エネルギーの割合は小さいです。

注目2:2030年でも再生可能エネルギーは10%未満?

参考:世界のエネルギー消費量と人口の推移

資源エネルギー庁の調査によると、2030年もエネルギーの中心は炭素ですね。石油やガス、石炭の消費量が大きく増加するのに対し、再生可能エネルギーの割合は10%程度に止まります

エクソンモービル社の調査内容でも、再生可能エネルギーの増加率は低いです。

2040年予測で、最も需要の伸び率が高いのは天然ガスです。天然ガスの増加量が、石油や石炭よりも高い理由は環境に優しいエネルギーだからです。天然ガスは石油よりも二酸化炭素排出量が30%少なく、石炭よりも47%も少ないです

環境対策、エネルギー効率、費用対効果の面で、天然ガスは大きく市場シェアを伸ばします。では、キンダーモルガンの部門別の売上高を見てみましょう。

注目3:天然ガスパイプラインが売上高の50%を占める?

参考:増配に期待してパイプラインのキンダーモルガン

キンダーモルガンは、エネルギー全般のインフラ会社です。

売上高の50%を占める天然ガスパイプライン事業は、米国内のパイプラインと貯蔵システム及び液化天然ガス施設を運営しています。17%を占めるターミナル事業は、米国、カナダのジョーンズ・アクト・タンカーの一部に位置する液体、バルク・ターミナル施設を運営します。

同じ17%を占める製品パイプライン事業は精製石油、天然ガス液、原油、凝縮液のパイプラインの運営です。13%を占める二酸化炭素関連は、油田に提供するCO2の生産と輸送に対する収益です。

エネルギー全般に関するインフラを整備する会社だと分かりますね。輸送に使う保有パイプラインは、8万5000マイル(約13万km)にも及びます

では、キンダーモルガンの売上高はどのように推移しているのでしょうか?

注目4:コロナで売上成長率は−20%まで低下?

キンダーモルガンの売上高は、原油や天然ガスの資源価格に大きく依存します。

2016年に売上高が低迷した理由は、15年に原油価格が100ドルから40ドルに暴落したからです原油価格が低迷すれば、必然的に天然ガスの価格も下がります。原油価格は18年に上昇するも、中国など途上国の景気低迷を受けて19年に下落しています。

20年1Qと2Qで成長率が大きく落ち込んだのは、コロナによる経済停止が原因ですね。世界各国が経済再開し、原油価格が上昇すればキンダーモルガンの成長率も上向きます。

注目5:原油価格は18年の商品サイクルで高騰する?

参考:comparison of commodity and equity valuations 1970-2017

エネルギー関連は、商品価格の高騰で最も恩恵を受ける銘柄です。

株式市場と商品価格は負の相関関係があり、18年周期でトレンドが変わると言われています。過去に商品価格が高騰したのは、1973年のオイルショック、90年の湾岸戦争、2008年のリーマンショック前です。08年には原油価格は140ドルまで暴騰しています。

このトレンドが歴史的に繰り返すならば、商品価格は2025年前後に最高値をつけると予想できますもちろん、必ずしも過去と同じ道を辿る保証はないですね。

しかしながら、現在の状況は商品価格高騰(インフレ)の前触れとも言えます。08年以降の大規模な金融緩和、世界中でコロナによる給付金のバラマキ、先進国の歴史的な超低金利、新興企業の長い不況期など、トレンドが変わる転換点に来ています。

バークシャーハサウェイ率いるバフェットは、インフレにヘッジする銘柄を購入しています。

2020年にバークシャーハサウェイは、ドミニオン・エナジーから天然ガスパイプライン網を97億ドルで買収しています。パイプラインを購入した理由は、資源価格が将来上昇すると思っているからですね。環境団体からの圧力もあり、パイプライン事業は新規の建設が難しくなっています。

他にも、原油や天然ガスを生産するカナダのサンコアエナジー株、金鉱を開発するバリックゴールド株にも投資しています(参考:Berkshire Switches Bets on Banks, Adds Wager on Barrick Gold)。

米ドル安やインフレ懸念は、資源国や資源株には追い風です。

注目6:20年9月の配当利回りは7.77%と高い?

エネルギー株の多くは、高配当株として高い人気を誇ります。

キンダーモルガンは、2011年から配当を開始していますね。2016年は業績不振で減配するも、配当性向は100%と高いです。配当利回りは年々上昇を続け、20年9月時点では7.77%と高いです。

投資家はキンダーモルガン株を購入するべきか?

キンダーモルガン株に投資するべき理由は...
  1. 営業利益率が30%前後と、利益率が高いビジネスである
  2. 原油やガス生産社と比較して、パイプラインはリスクが少ない
  3. 投資CFは減少し、フリーCFは年々増加傾向にある
  4. 脱炭素化が進む2030年でも、再生可能エネは10%未満
  5. ドル安とインフレ懸念で、新興国や資源株は大きな恩恵を受ける
  6. 商品相場は18年周期で、資源価格は25年前後にピークを付ける
  7. 環境問題による規制や訴訟で、新規のパイプライン建設が難しい
  8. 経済再開で原油価格が上昇すれば、原油や株価は上昇する

キンダーモルガン株は、長期で保有したい銘柄のひとつです。

なぜならば、原油や天然ガスの探索や開発する会社と違い、リスクが少ない上に利益率が高いビジネスモデルだからです利益率が高い理由は、パイプラインや流通網さえ整備すれば、流通量に応じて収益を得られる優良ビジネスだからです。

2016年や20年は原油価格が低迷するも、営業利益率は30%前後と高いです。また、投資CFは年々低下傾向にあり、手元に残るフリーCFは増加傾向にあります。

原油や石炭と比較してCO2排出量が少ない天然ガスは、今後10年間で最も市場シェアが増加するエネルギーだと言われています。パイプライン最大手のウィリアムズ社CEOは、2040年までの天然ガス需要は、原油の3倍のスピードで伸びるとみています

また、現在の景気対策や金融相場は、ドル安やインフレ圧力を強くします。ドル安やインフレは新興国や資源株に大きな恩恵を与えますね。

まとめ:キンダーモルガン(KMI)の四半期決算は?

キンダーモルガン株の特徴は...
  1. 1997年に設立した、エネルギー全般のインフラ会社である
  2. 全米にパイプラインを保有し、天然ガスが売上高の50%を占める
  3. 売上高は原油や天然ガス価格に、大きく影響を受ける
  4. パイプライン保有会社は、リスクが少なく利益率が安定している
  5. 原油価格が低迷した16年でも、営業利益率は30%と高い
  6. 高配当銘柄で、20年の利回りは7%以上もある

キンダーモルガン株は、原油や天然ガスのパイプラインを保有するエネルギーのインフラ会社です。

個人的には、キンダーモルガン株は保有したい銘柄のひとつです。なぜならば、原油や天然ガスの需要は高く、資源価格が上昇すれば確実に儲けられるビジネスだからです

また、パイプライン保有会社は、利益率が高くリスクが少ない投資である点も魅力です

原油や天然ガスを開発、生産する会社と違い、投資CFが少なく流通量が増えれば収益を得られます。そのため、原油価格が暴落した2016年でも、営業利益率は30%と高い水準を維持しています1度建設すれば安定して収益を得られるため、営業CFやフリーCFも安定しています。

21年や22年以降は、ドル安やインフレが進み資源価格が高騰する可能性が高いですドル安やインフレ懸念は、新興国や資源株は大きな恩恵を受けますね。

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