フュエルセル・エナジーの四半期決算|水素銘柄でも危ない理由

欧州や米国ではクリーンエネルギー対策で国債を発行し、EVや燃料電池がブームになりつつあります。フュエルセルは1969年に創業し、燃料電池で発電する歴史ある電力会社です。国策で水素社会の実現が進むならば、今のうちにフュエルセル株に投資した方が良いのでしょうか

  • 「歴史ある老舗企業で、2000年には最高値6928ドルだった…
  • 「コロナでも燃料電池の需要は高く、コロナ後に株価は3倍に暴騰した…」
  • 「環境対策で大量の補助金や税金が流れるから、将来株価が爆上げするかも…」

電気自動車や水素燃料電池は、20年で最もホットなテーマのひとつです。

ヨーロッパは「欧州復興基金」で7500億ユーロ(92兆円)、米国では脱炭素化に2兆ドル投資すると発表しました。そのため、20〜21年はEVや水素燃料への投資家加熱化する可能性が高いです。これらの対策費用のうち、3〜5割が電解槽や燃料電池に流れると言われています。

しかしながら、個人的にはフュエルセル株に投資したいとは思いません。

なぜならば、過去10年間の売上高を見ると、14年以降は売上高が大きく鈍化傾向にあるからです。さらには、営業利益率はマイナス40%前後、粗利益率は5%未満と利益率の改善が出来ていません。1969年に創業したにも関わらず、過去50年以上で1度も黒字化できてない事は驚きます。

この事実を考えると、水素社会で需要増でもフュエルセルが利益を出すのは難しいと思います。

水素電池に投資するならば、10年で売上高を12倍に拡大したプラグパワーや、経営効率化しキャッシュフローの黒字化に成功したブルームエナジーに投資するべきです。

フュエルセルの投資判断したい人向け
  1. フュエルセルの4半期決算(2020年4-6月)は?
  2. ヒュエルセルの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 水素社会が実現しても、フュエルセルに投資すべきでない理由は?

フュエルセル・エナジー(FCEL)の四半期決算は?

フュエルセルの四半期の決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月30日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:1626万ドル(前年比−9%)
  2. 営業利益:−314万ドル(前年度−1524億ドル)
  3. 純利益:−4108万ドル(前年度−3303億ドル
  4. 一株利益:−0.2ドル(前年度ー3.97ドル)

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:1888万ドル(前年比+105%
  2. 営業利益:−814万ドル(前年度−1762億ドル)
  3. 純利益:−1476万ドル(前年度−1953億ドル
  4. 一株利益:−0.07ドル(前年度ー2.06ドル)

フュエルセルは、1969年に創業された歴史ある燃料電池の電力会社です。天然ガスとバイオガスで稼働する直接燃料電池発電プラントの設計、製造、運用、サービスをしています。

2Qの売上高は前年比105%増で1888万ドル、営業利益は814万ドルの赤字です。フュエルセルは創業して50年以上経つが、まだ黒字化に成功した事はありません。営業利益率はマイナス50%前後と低い水準を維持しています。

第3Q決算(2020年10月)

2020年10月に公開予定。

では、フュエルセル社の売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

フュエルセル・エナジー(FCEL)の10年間の損益計算書は?

2000年のネットバブルで6928ドルまで上昇したが、その後は1ドル未満で放置されていた銘柄です。しかしながら、2020年に再び注目を浴び始め、コロナ後に株価は3倍の3ドルまで急上昇しています。では、過去10年間どのように成長してきたのでしょうか?

フュエルセルの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の売上高推移を見ると、13年以降は売上高が鈍化傾向にあります。また、マイナス20%だった営業利益率も、最大でマイナス110%まで落ち込んでいますね水素社会が期待されているが、経営的にはかなり厳しい事が分かりますね。

20年以降は反転する兆しが見えるが、どちらに動くかは分からないですね。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)もEPS(1株あたり純利益)も、順調に推移しているとは言えません。ただし、EPSだけ見ると1株当たりの赤字幅は縮小しているようにも見えますね。黒字化に成功し、赤字経営から脱却できるか注目する必要がありますね

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

営業CFもフリーCF(営業CF−投資CF)も大きくマイナスです。しかしながら、18年には一時的にキャッシュフローの黒字化に成功しています。今後黒字化を継続できるならば、フュエルセルに投資する価値はあるのかもしれません。

フュエルセル・エナジーに投資する上で注目ポイントは?

フュエルセル・エナジーに投資する上で、注目するポイントを紹介します。

注目1:2030年に流通する水素量は1500倍に増える?

2018年 2020年 2030年
水素量 0.02万トン 0.4万トン 30万トン
コスト 〜100円/Nm3 〜100円/Nm3 30円/Nm3
発電 開発段階 開発段階 17円/kWh
水素ステーション 100カ所 160カ所 900カ所
FCV(自動車) 2000台 4万台 80万台
FCバス 2台 100台 1200台
FCフォークリフト 40台 500台 1万台
家庭用燃料電池 20万台 140万台 530万台

参考:日本の国家戦略「水素エネルギー」で飛躍するビジネス: 198社の最新動向

日本を始め欧米や欧州の先進国では、水素社会の実現を国策で目指しています。

日本政府が作成したロードマップでは、2030年に水素の流通量を1500倍の30万トンを目指しています。流通量を増やす事で水素価格を押し下げ、ガソリンと同じレベルまで下げる狙いです。水素燃料で動くFCV(自動車)は、80万台を目標としています。

また、欧州や米国は、日本以上に水素社会の実現に力を入れています。

例えば、欧州は新型コロナ「欧州復興基金」向けEU共同債の資金の30%をグリーンエネルギーに投資すると言います。また、米国でバイデン大統領候補は、脱炭素化に2兆ドル投資すると言います。電気自動車や水素燃料電池に、かなりの金額が投資されますね(参考:2兆ドルのクリーンエネルギー投資計画

水素社会が注目される理由は、水素と酸素から電気を発生させても水しか排出されないからです。現在のEV車だけに頼らない理由は、電気自動車は走行距離や充電時間でデメリットがあるからです

同じ電気自動車であるEVと比較して、FCVには次の利便性があります。

  • 電気を蓄電するEVと違い、走行しながら電気を作り出せる
  • EVの走行距離は短く200km、FCVは650km走れる
  • EVは満タン充電で最大10時間、急速充電でも45分掛かる
  • 水素Stの数は少ないが、水素を補充するのに3分しか掛からない
  • 蓄電と違いバッテリーの劣化がなく、モーターも劣化しない

フュエルセルは、燃料電池で発電する電力会社です。天然ガスとバイオガスで稼働する直接燃料電池発電プラントの設計、製造、運用、サービスをしています。

では、フュエルセルはどれくらい売上高をあげているのでしょうか?

注目2:20年Q2の売上高成長率は104%もある?

フュエルセルの売上高推移と売上成長率です。

成長率に一貫性がなく、成長傾向にあるのかそれとも鈍化しているのか分からないですね。前年比の成長率が100%を超える四半期もあれば、マイナス成長に落ち込む期もあります。20年2Qは104%の成長率だが、3Qや4Qはどちらに動くのか予想できないですね

長期的な視点で見ると、国策で水素社会の普及が進む以上は、どこかで成長軌道に乗る可能性は高いです。燃料電池関連に投資するのであれば、注意深く四半期毎の売上高を追う必要があります

では、粗利益や営業利益を見てみましょう。

注目3:粗利益率は5%で営業利益率は−40%しかない?

フュエルセルの粗利益率と営業利益率です。

フュエルセルは1969年に創業された歴史ある燃料電池の会社です。しかしながら、創業して40年以上が経つも、赤字経営から脱却できていません。粗利益率は平均して5%前後と、利益が出ないビジネスモデルだと分かりますね。利益が出ない理由は、水素の流通量が少なく価格が高止まりしているからです

営業利益率は、平均してマイナス40%前後で推移しています。

ただ、最近の傾向を見ると、水素エネルギーが再評価され始め20年1Qには上向いています。2Qで再び成長が鈍化した理由は、コロナによる影響が大きいですね。20年の需要増が続くのであれば、3Qや4Qでは大きく持ち直す可能性もあります。

水素価格が普及すれば価格が下がり、黒字化する可能性も否定はできません。

投資家はフュエルセル株を購入するべきか?

フュエルセル株を購入すべきでない理由は...
  1. 2014年以降は売上高は鈍化し、成長できていない
  2. 売上高が減少する中で、営業利益率も−50%と低下してる
  3. 1969年に創業しているが、粗利益率は5%もない
  4. 赤字体質に慣れてるため、水素社会でも勝てない可能性が高い

燃料電池ブームで期待されるフュエルセル株だが、個人的には投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、過去10年間の売上高を見ると、14年以降は売上高は大きく鈍化傾向にあるからです。さらには、売上高が減少する中で、営業利益率も大きく落ち込んでいます。1969年に創業したにも関わらず、過去50年以上で1度も黒字化できていません

粗利益率も一貫して5%未満と低く、私たち投資家は過大評価するべきではないですね。

おそらく、社会的に水素の需要が高まったとしても、フュエルセルが黒字化する事はないと思います。フュエルセルに投資するよりも、10年で売上高を12倍に拡大したプラグパワーや、経営効率化しキャッシュフローの黒字化に成功したブルームエナジーに投資した方が良いですね。

これらの会社は、水素が普及して単価が下がれば、利益率が大きく跳ね上がる可能性が高いです

まとめ:フュエルセル(FCEL)の四半期決算は?

フュエルセル株の注目ポイントは...
  1. 1969年に創業した、燃料電池で発電する電力会社である
  2. 燃料電池のプラントを設計、製造、運用している
  3. 13年以降は売上高が落ち込む上に、営業利益率も低下している
  4. 営業利益率は−40%、粗利益率は5%未満、利益が出ない体質である

電気自動車や水素燃料電池は、20年で最もホットなテーマのひとつです。

ヨーロッパは「欧州復興基金」で7500億ユーロ(92兆円)、米国では脱炭素化に2兆ドル投資すると発表しました。そのため、20〜21年はEVや水素燃料への投資家加熱化する可能性が高いです。これらの対策費用のうち、3〜5割が電解槽や燃料電池に流れると言われています。

しかしながら、個人的にはフュエルセル株に投資したいとは思いません。

なぜならば、過去10年間の売上高を見ると、14年以降は売上高が大きく鈍化傾向にあるからです。さらには、営業利益率はマイナス40%前後、粗利益率は5%未満と利益率の改善が出来ていません。1969年に創業したにも関わらず、過去50年以上で1度も黒字化できてない事は驚きます。

この事実を考えると、水素社会で需要増でもフュエルセルが利益を出すのは難しいと思います。

水素電池に投資するならば、10年で売上高を12倍に拡大したプラグパワーや、経営効率化しキャッシュフローの黒字化に成功したブルームエナジーに投資するべきです。

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