ブルームエナジーの四半期決算|19年にCFの黒字化に成功?

欧州や米国ではクリーンエネルギー対策で国債を発行し、EVや燃料電池がブームになりつつあります。ブルームエナジーは、データーセンターなどの施設に、バックアップ電源用の発電装置を供給する会社です。国策で水素社会の実現が進む事を考えると、今のうちにブルームエナジーに投資した方が良いのでしょうか?

  • 「エネルギー対策に米国に2兆ドル、燃料電池関連に投資するべきだ…」
  • 「コロナでも燃料電池の需要は高く、コロナ後に株価は4倍に暴騰した…」
  • 創業以来1度も黒字化してないが、21年には株価が10倍になるかも…

電気自動車や水素燃料電池は、20年で最もホットなテーマのひとつです。

ヨーロッパは「欧州復興基金」で7500億ユーロ(92兆円)、米国では脱炭素化に2兆ドル投資すると発表しましたそのため、20〜21年はEVや水素燃料への投資家加熱化する可能性が高いです。これらの対策費用のうち、3〜5割が電解槽や燃料電池に流れると言われています。

しかしながら、現時点ではブルームエナジー株に投資したいとは思いません。

なぜならば、2019年から成長率が大きく鈍化傾向にあるからです20年はクリーンエネルギーで需要増が期待されるも、コロナでマイナス成長に転じています。現時点では、19年からのトレンドが変わりプラス成長に転じるか、それとも低成長を維持するかは分かりません。

ただし、上場して早々にキャッシュフローを黒字化させるなど、他の水素関連よりも有望な銘柄なのは間違いありません20年3Qや4Qの決算をみて、投資判断するのでも遅くはないですね。

長期的に見ると、国策で水素社会の実現を目指す以上は、強気な見方は変わりません。

ブルームエナジーの投資判断したい人向け
  1. ブルームエナジーの4半期決算(2020年4-6月)は?
  2. ブルームエナジーの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 赤字経営を脱していないが、将来を見通して投資するべき?

ブルームエナジー(BE)の四半期決算は?

ブルームエナジーの四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:1.56億ドル(前年比+6%
  2.  Product:0.99億ドル(+9%
  3.  Installation:0.16億ドル(+36%
  4.  Service:0.25億ドル(+7%
  5.  Electricity:0.15億ドル(−25%)
  6. 営業利益:−0.46億ドル(前年度−0.86億ドル)
  7. 純利益:−0.75億ドル(前年度−1.04億ドル
  8. 一株利益:−0.61ドル(前年度ー0.94ドル)

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:1.87億ドル(前年比−7%)
  2.  Product:0.83億ドル(−20%)
  3.  Installation:0.38億ドル(2.2倍
  4.  Service:0.28億ドル(+13%
  5.  Electricity:0.11億ドル(−23%)
  6. 営業利益:−0.29億ドル(前年度−0.63億ドル)
  7. 純利益:−0.42億ドル(前年度−0.81億ドル
  8. 一株利益:−0.34ドル(前年度ー0.72)

ブルームエナジー社は、バックアップ電源用の水素燃料を供給する企業です。停電が頻繁に発生する米国では、研究機関、医療施設、データーセンターでバックアップ電源の需要は高いです顧客には、AT&T、ホームデポ、ウォルマート、アップルなどの優良企業が名前を連ねています。

2Qの売上高は前年比7%減で1.87億ドルでした。営業利益はマイナス0.29億ドルで、他の水素関連会社と同様に赤字経営です。ただし、営業利益率はマイナス15%と悪くはありません。

カテゴリ別の売上高を見ると、主力の電力装置販売が20%もマイナスですね。コロナの影響を受けて、一時的に需要が低下している可能性が高いです。

第3Q決算(2020年9月)

2020年9月に公開予定。

では、ブルームエナジー社の売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

ブルームエナジー(BE)の10年間の損益計算書は?

2018年に上場したブルーエナジー株は34ドルまで上昇し、その後株価は下落していますね。20年3月はコロナ危機で4ドルまで暴落し、現在は16ドル前後で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

16年に創業したブルームエナジーは、3年間で大きく売上高を増やしていますね。しかしながら、19年以降は早くも成長率が横ばいに落ち着いています。売上高の増加と共に、営業利益率も大きく改善できてる点は評価できますね。20年2Qの営業利益率は、マイナス15%まで回復しています。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

BPS(1株あたり純資産)もEPS(1株あたり純利益)は、順長に推移しているとは言えません。EPSのマイナス幅は縮小傾向にあるが、反対にBPSはマイナス幅が拡大しています。自己資本比率はマイナス24%で、財務的にもかなり危険な状況にあると言えますね

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

営業CFもフリーCF(営業CF−投資CF)は、プラスでスタートしていますね。しかしながら、2019年には早くもフリーCFをプラスに転じています。ブルームエナジー以外の多くの水素関連企業は、フリーCFの大幅な赤字が続いています。その点を考えると、4年で黒字化したブルームエナジーは高く評価できますね

ブルームエナジーは、発電効率を上げてコストを下げる事を経営の目標にしていますただし、20年はコロナの影響で業績が悪化し再び赤字に転落しています。

ブルームエナジーに投資する上で注目ポイントは?

ブルームエナジーに投資する上で、注目するポイントを紹介します。

注目1:2030年に流通する水素量は1500倍に増える?

2018年 2020年 2030年
水素量 0.02万トン 0.4万トン 30万トン
コスト 〜100円/Nm3 〜100円/Nm3 30円/Nm3
発電 開発段階 開発段階 17円/kWh
水素ステーション 100カ所 160カ所 900カ所
FCV(自動車) 2000台 4万台 80万台
FCバス 2台 100台 1200台
FCフォークリフト 40台 500台 1万台
家庭用燃料電池 20万台 140万台 530万台

参考:日本の国家戦略「水素エネルギー」で飛躍するビジネス: 198社の最新動向

日本を始め欧米や欧州の先進国では、水素社会の実現を国策で目指しています。

日本政府が作成したロードマップでは、2030年に水素の流通量を1500倍の30万トンを目指しています。流通量を増やす事で水素価格を押し下げ、ガソリンと同じレベルまで下げる狙いです。水素燃料で動くFCV(自動車)は、80万台を目標としています。

また、欧州や米国は、日本以上に水素社会の実現に力を入れています。

例えば、欧州は新型コロナ「欧州復興基金」向けEU共同債の資金の30%をグリーンエネルギーに投資すると言います。また、米国でバイデン大統領候補は、脱炭素化に2兆ドル投資すると言います。電気自動車や水素燃料電池に、かなりの金額が投資されますね(参考:2兆ドルのクリーンエネルギー投資計画

水素社会が注目される理由は、水素と酸素から電気を発生させても水しか排出されないからです。現在のEV車だけに頼らない理由は、電気自動車は走行距離や充電時間でデメリットがあるからです

同じ電気自動車であるEVと比較して、FCVには次の利便性があります。

  • 電気を蓄電するEVと違い、走行しながら電気を作り出せる
  • EVの走行距離は短く200km、FCVは650km走れる
  • EVは満タン充電で最大10時間、急速充電でも45分掛かる
  • 水素Stの数は少ないが、水素を補充するのに3分しか掛からない
  • 蓄電と違いバッテリーの劣化がなく、モーターも劣化しない

ブルームエナジーは、データーセンター向けにバックアップ電源として水素燃料を提供する会社です。日本と違い、電力の停電が多い米国では、緊急用にバックアップ電源を用意しています。電力が停止したら死活問題になる、緊急病院やデーターセンターで需要がありますね

マイクロソフトも、バックアップ電源に水素燃料を検討しています(参考:バックアップ電源に水素燃料電池を試行)。では、ブルームエナジーは、どれくらい売上高を増やせているのでしょうか?

注目2:売上高成長率は20年にマイナスに転じる?

ブルームエナジーの売上高推移と売上成長率です。

売上高推移を見ると、2019年には早くも成長率が鈍化し始めている事が分かります。20年1Qにマイナス成長に転じたのは、コロナによる影響が考えられますね。2Qにはコロナの経済影響が少し収まり、少しだけ回復傾向に転じたのが分かります

20年3Q以降は水素社会の需要高でプラスに転じるのか、それとも成長率が止まったままなのか見極める必要がありますね。個人的には、コロナの影響が薄れた事と、水素社会の需要増で大きくプラスに転じると予想しています。

では、粗利益率と営業利益率の推移を見てみましょう。

注目3:営業利益率は−15%で競合他社より高い?

流通量が少ない水素は価格が高く、現時点では利益がでないビジネスです。

そのため、他の水素関連の会社と同様に、ブルームエナジーも赤字経営です。しかしながら、グルームエナジーを高く評価できる点は、創業してからすぐに利益率を改善できている点です2016年にマイナス49%だった粗利益率は、19年には12%まで増やしています。

また、営業利益率も20年2Qでマイナス15%と悪くはありません。水素関連の多くは、マイナス30%以上の赤字企業が多いです

水素の流通量が増え価格が下がれば、早い段階で黒字化できる事が分かりますね。

注目4:カテゴリ別売上は電力装置販売が61%を占める?

カテゴリー 19年2Q 20年1Q 20年2Q Y/Y
電力装置販売 144,081 99,559 116,197 -20%
設置工事 13,076 16,618 29,838 +228%
サービス 23,026 25,147 26,209 +13%
電力販売 20,143 15,375 15,612 -23%
全体 200,326 156,699 187,856 -11%

ブルームエナジーのカテゴリー別の売上高です。

売上高比率が最も高いのは、電力装置の販売で全体の61%を占めます。しかしながら、20年2Qでは、販売量が20%も落ちている事が分かりますね。反対に、設置工事の売上高が228%と大きく増えています。しかしながら、ブルームエナジーが黒字化するには、設置工事ではなく「サービス」を増やす必要があります

流通量が少なく水素価格が高い状況では、水素燃料や電力を販売するだけでは利益は出ません。サービスによる売上は、発電装置のオペレーションやメンテナンスで継続的に収益を得られますね。

投資家はブルームエナジー株を購入するべきか?

ブルームエナジー株を購入すべきでない理由は...
  1. 16年に上場するも、19年には成長率が大きく減衰してる
  2. コロナの影響で20年には、マイナス成長に転じている
  3. 営業利益率は競合他社より高いが、依然としてマイナスである
  4. 電力装置の売上比率が高く、継続収入のサービスの売上高は低い

水素社会で期待されるブルームエナジー株だが、現時点では投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、2019年から成長率が大きく鈍化傾向にあるからです20年はクリーンエネルギーで需要増が期待されていたが、コロナでマイナス成長に転じています。そのため、ブルームエナジー株に投資するならば、コロナ危機を脱し売上高がプラスに転じてからの方が賢明です。

ただし、長期的な視点で見ると、水素の需要が増え売上高が成長するのは間違いないです。

また、米国や欧州が大量に国債を発行し、クリーンエネルギ〜に投資するのも既定路線ですね。流通量が増えて水素の価格が下がれば、早い段階で黒字化すると予想できますね。ブルームエナジーの顧客は、AT&T、ホームデポ、ウォルマート、アップルなど優良企業が名前を連ねています

また、大型のデーターセンターを運営するマイクロソフトも、バックアップ電源に水素を検討している事も強気にさせますね。2020年後半の四半期決算を注視して、購入した方が良さそうですね。

まとめ:ブルームエナジー(BE)の四半期決算は?

ブルームエナジー株の注目ポイントは...
  1. データーセンターや病院向けに、バックアップ用の水素燃料を供給する
  2. 顧客にはAT&T、ホームデポ、ウォルマート、アップルなど優良企業が多い
  3. 16年に創業して、4年後にはキャッシュフローを黒字化させた
  4. 19年は売上成長率が鈍化し、20年にはマイナス成長に転じる

電気自動車や水素燃料電池は、20年で最もホットなテーマのひとつです。

ヨーロッパは「欧州復興基金」で7500億ユーロ(92兆円)、米国では脱炭素化に2兆ドル投資すると発表しましたそのため、20〜21年はEVや水素燃料への投資家加熱化する可能性が高いです。これらの対策費用のうち、3〜5割が電解槽や燃料電池に流れると言われています。

しかしながら、現時点ではブルームエナジー株に投資したいとは思いません。

なぜならば、2019年から成長率が大きく鈍化傾向にあるからです20年はクリーンエネルギーで需要増が期待されるも、コロナでマイナス成長に転じています。現時点では、19年からのトレンドが変わりプラス成長に転じるか、それとも低成長を維持するかは分かりません。

ただし、上場して早々にキャッシュフローを黒字化させるなど、他の水素関連よりも有望な銘柄なのは間違いありません20年3Qや4Qの決算をみて、投資判断するのでも遅くはないですね。

長期的に見ると、国策で水素社会の実現を目指す以上は、強気な見方は変わりません。

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