マイクロンの四半期決算|5GやIoT特需でもリスクが高い理由?

SSDで世界1位のマイクロン社は、5GやIoTで期待される銘柄のひとつですね。18年や19年は米中貿易摩擦の影響で業績が落ち込むも、20年はコロナ環境下でも大きく売上を伸ばしています。PERも22倍と割安に放置されているマイクロン株を、私たち投資家は保有するべきでしょうか?

  • 「5G特需で恩恵を受けるのに、PERは22倍で放置されている…」
  • 「5GやIoT特需で通信量が増えれば、メモリの需要も伸びるはずだ…」
  • 「20年は業績が急回復し、株価が爆上げする可能性が高い…」

マイクロン社は、DRAMやDRAMなどのSSDで世界1位の半導体メーカーです。5GやIoT特需で通信量が増大すれば、半導体メーカーは恩恵を受けますね。そのため、5G特需として期待されている銘柄でもあります。

しかしながら、個人的にはマイクロン株に投資したいとは思いません。

なぜならば、メモリ市場は4年周期で動くため、半導体市場の中でも業績が特に安定しないからです。実際に営業利益率は18年に49%まで増えるも、20年には10%まで落ち込んでいます。コロナ環境下でも業績を急回復した点は評価できるが、長期保有には向いてないですね。

20年は買い替えサイクルで好調でも、21年以降はどちらに動くか分かりません。

また、マイクロン社は中国の売上げ比率が高く、米中貿易摩擦の影響も大きく受けます。18年には中国での製造と販売が禁止され、中国市場から締め出されています。20年現在は中国市場の比率は大きくないが、不確実性が高いのは変わらないですね。

マイクロン株の投資判断したい人向け
  1. マイクロン直近の4半期決算(2020年4〜6月)は?
  2. マイクロンの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 5G特需の半導体メーカーだが、まだ不確実性が高い理由は?

マイクロン(MU)の四半期決算は?

マイクソン社の四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2019年12月29日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:51.4億ドル(前年同期比−35%)
  2.  Compute and Networking:19.8億ドル(−45%)
  3.  Mobile:14.6億ドル(−34%)
  4.  Storage:9.6億ドル(−15%)
  5.  Embedded:7.3億ドル(−21%)
  6. 営業利益:5.94億ドル(−85%)
  7. 純利益:5.48億ドル(−85%)
  8. 一株利益:0.48ドル(−84%)

第2Q決算(2020年3月29日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:48億ドル(前年同期比−18%)
  2.  Compute and Networking:19.7億ドル(−17%)
  3.  Mobile:12.6億ドル(−22%)
  4.  Storage:8.7億ドル(−15%)
  5.  Embedded:6.9億ドル(−13%)
  6. 営業利益:5.42億ドル(−75%)
  7. 純利益:5.17億ドル(−74%)
  8. 一株利益:0.45ドル(−74%)

第3Q決算(2020年6月29日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:54.3億ドル(前年同期比+13%
  2.  Compute and Networking:22.1億ドル(+7%
  3.  Mobile:15.2億ドル(+30%
  4.  Storage:10.1億ドル(+25%
  5.  Embedded:6.7億ドル(−4%)
  6. 営業利益:8.8億ドル(−13%)
  7. 純利益:8.0億ドル(−5%)
  8. 一株利益:0.71ドル(−5%)

マイクロン社は、SSD市場で世界一の半導体メーカーです。

3Qの売上高は前年比13%増の54.3億ドル、営業利益は13%減で8.8億ドルでした部門別の売上高を見ると、パソコンやモバイル、ストレージ部門が大きく上昇したい事が分かりますね。

半導体市場は、2018〜19年は米中貿易摩擦で大きく落ち込んでいました。

2020年は大きくトレンドが変わり回復すると予測されていましたね。メモリ市場は4年周期で動き、同様に20年に上昇相場に入ると言われていましたマイクロン社の1〜3Qの結果を見ると、それが如実に現れた結果になりましたね。

コロナで経済環境が悪化するも、3Qで大きく成長に転じている事が分かります。

第4Q決算(2020年9月)

2020年9月に公開予定。

では、マイクロン社の売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

マイクロンの10年間の損益計算書は?

2008年に6ドルだったマイクロンの株価は、2020年には7.6倍の46ドルまで急成長していますね。マイクロンに100万円を投資すれば、760万円まで増えていた事になりますね。では、過去10年間にどのように成長してきたのでしょうか?

マイクロンの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、長期では成長するも波が激しい事が分かりますね。2014年と18年は大きく売上高が増えるも、その前後では浮き沈みが激しいです。業績の波が激しい理由は、半導体のメモリ市場は4年周期で動くからです。

メモリ市場は2019年に底打ち、5G需要を受けて20年に反転すると予想されています。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)は、比較的安定して推移していると言えます。しかしながら、EPS(1株あたり純利益)は安定しているとは言えないですね。18年に大きく上昇するも、それ以降はコロナの影響もあり減少に転じています。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

フリーCF(営業CF−投資CF)も、安定して推移しているとは言えないですね。営業CFは年度毎に大きく上下している事が分かります。18年以降の営業CFの増加は、5GやIoTによる需要増に対応する設備投資かもしれません。

では、私たち投資家はマイクロン株をどのように判断すれば良いのでしょうか。

マイクロンに投資する上で注目ポイントは?

マイクロンに投資する上で、注目すべき点を紹介します。

注目1:半導体業界で売上高5番目のメーカー?

参考:2019年半導体企業ランキング、Intelが首位返り咲き

1978年に設立された歴史ある半導体メーカーで、マイクロンは世界5位の売上規模です。

米国インテル、韓国サムソン、台湾TSMC、韓国SKに続き、米国で2番手の半導体メーカーですね。2019年の半導体業界は、米中貿易摩擦やスマホ販売不振で前年割れでした。トップ15社の売上高は、前年比で15%も減少しています

米中貿易摩擦やメモリの販売不振で、マイクロンの売上高は35%もマイナスです。では、マイクロン社はどんな半導体を販売しているのでしょうか?

注目2:SSD市場で業界1位のシェアで19%を占める?

参考:PCの処理速度を左右するSSD、19年をシェア1位で折り返すのは?

マイクロン社は、SSDで業界シェア1位の半導体メーカーです。

SSDとは、半導体素子メモリを使う記憶媒体の事を指します。HDDとの違いは、容量では負けるが消費電力が少なく読み書きの速度が高速なので、ノートPCに使われていますマイクロンの主力事業は、計算時に使われるDRAMとデータ記憶容量に使われるNANDの2つです。

マイクロンの競合は韓国のサムソンで、首位は短期間でよく入れ替わります。では、マイクロン社の売上高の比率はどうなっているのでしょうか?

注目3:DRAMの売上高は65%でNANDは32%を占める?

参考:[米国株]マイクロンテクノロジーの決算(20年3-5月期)まとめ

マイクロン社は、SSDのDRAMとNAND製品を販売しています。

DRAMは売上高の64%を占め、NANDは32%を占めていますね。部門別に見ると、CNBC(コンピュータ&ネットワーク)が43%と多く、次にMBU(モバイル)向けが27%、その次にSBU(ストレージ)が16%と続きます。

注目4:メモリ市場は4年周期でブル相場に突入した?

部門別 20Q1 20Q2 20Q3
Compute & Network -45 -17 7
Mobile -34 -22 30
Storage -15 -15 25
Embedded -21 -13 -4
全体 -35 -18 13

事業別の売上高を見ると、20年3Qの決算は大きく上向いている事が分かります。

モバイル端末向けやストレージ向けが、前年比で大きく成長していますね。ただし、半導体市場全体が大きく上向いている訳ではない点に注意が必要です。メモリー市場は4年周期で動き、2020年に買い替えサイクルで上げ相場に突入したからです(参考:メモリー市場は今も4年周期で動く)。

マイクロンの売上高が安定しないのも、主力のメモリ市場が4年周期で動いているからですね。

2019年6月頃に底をつけた半導体市場は、5G需要を受けて2020年に反転することは予想されていました。半導体市場を牽引するのは、4年周期で上げ相場にあるメモリー市場ですね。2020年3Q決算は、その結果が如実に現れた形になりましたね。

注目5:地域別売上高は米国が51%を占める?

地域別の売上高は、米国市場が最も大きく53%、次に中国が15%、台湾が12%、その次に香港、アジア太平洋と日本が続きます。

しかしながら、元々は米国よりも中国の売上げが51%と多かったです。米中貿易摩擦の影響で、2018年7月に中国の裁判所からDRAMやNANDの販売差し止めを命じられ撤退しています。中国から締め出されるも、米国市場の売上を伸ばす事で業績を回復できました

投資家はマイクロン株を購入するべきか?

マイクロン株の注目ポイントは...
  1. 営業利益率は10〜40%と安定していない
  2. メモリ市場は4年周期で動くため、業績が安定しない
  3. 20年の市場は好調だが、21年以降は予測できない
  4. 中国の割合が15%と、米中貿易摩擦の影響を受ける

個人的には、マイクロン株は長期で保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、メモリ市場は4年周期で動くため、業績を安定化させる事が難しいからです。2020年は買い替えサイクルが働き好調でも、21年以降はどう動くか分かりません。半導体業界全体は5GやIoT需要で期待できるが、メモリ事業だけに投資するのはリスクが高いですね

また、営業利益率の振れ幅大きい点もマイナス材料です。

2018年には営業利益率が49%になるも、20年には10%前後まで落ちています利益率の反動が激しいのは、需要と供給が大きく動く上に競争も激しい事を示しています。半導体市場は米中貿易摩擦のリスクもあり、需要は高いが不確実性も多いです。

まとめ:マイクロンの四半期決算は?

アナログデバイセズ株の注目ポイントは...
  1. 半導体業界で5位、SSD業界で1位の半導体メーカーである
  2. SSD市場シェアは19%で、競合社は韓国のサムスンである
  3. メモリ市場は4年周期で動くため、業績が安定しない
  4. 20年の市場は好調だが、21年以降は予測できない
  5. 中国の割合が15%で、米中貿易摩擦の影響を受ける

マイクロン社は、DRAMやDRAMなどのSSDで世界1位の半導体メーカーです。5GやIoT特需で通信量が増大すれば、半導体メーカーは恩恵を受けますね。そのため、5G特需として期待されている銘柄でもあります。

しかしながら、個人的にはマイクロン株に投資したいとは思いません。

なぜならば、メモリ市場は4年周期で動くため、半導体市場の中でも業績が特に安定しないからです。実際に営業利益率は18年に49%まで増えるも、20年には10%まで落ち込んでいます。コロナ環境下でも業績を急回復した点は評価できるが、長期保有には向いてないですね。

20年は買い替えサイクルで好調でも、21年以降はどちらに動くか分かりません。

また、マイクロン社は中国の売上げ比率が高く、米中貿易摩擦の影響も大きく受けます。18年には中国での製造と販売が禁止され、中国市場から締め出されています。20年現在は中国市場の比率は大きくないが、不確実性が高いのは変わらないですね。

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