Qorvoの四半期決算|5G特需のパワー半導体でも高リスク?

5Gで需要が高まっている、窒化ガリウム半導体機器を供給するメーカーです。コロナ後には将来の需要が期待されて、株価は2倍近くまで上昇しました。しかしながら、2018年の米中貿易摩擦の影響で、期待するほど売上高は伸びていません。それでも、将来の5G需要に期待して、投資するべきでしょうか?

  • 「PERは35倍と高いが、株価はコロナ後に2倍に上昇した…」
  • 「アップルに半導体機器を輸出し、5G向けスマホの需要高い…」
  • 「成長が期待される半導体の新興企業、株価が爆上げする可能性が高い…」

窒素ガリウム半導体は、5Gスマホや基地局で需要が増している成長産業です。

しかしながら、個人的にはQorvo株を長期で保有したいとは思いません。なぜならば、上場後の2013年以降は順調に売上高を伸びるが、2017年以降は完全に成長がストップしたからです。不調に陥った原因は、米中貿易摩擦の影響、パワー半導体市場の競争、売上高がアップルに依存などが考えられます。

青色LEDで利用される窒素ガリウムは、パワー半導体と呼ばれ年率20%の成長産業です。

パワー半導体は、シリコン半導体と比較して電力効率が高く、最大40%もの省エネが期待されます。Qorvoが扱う窒化ガリウム半導体機器の期待値は高いが、さらに省電力に優れた酸化ガリウムの実用化も進んでいます成長産業であるのは間違いないが、日本やドイツも強く先が見通せない不確実性が高い産業でもあります。

配当金もない新興企業に長期投資する利点は、現時点ではなさそうです。

Qorvo株の投資判断したい人向け
  1. Qorvo株直近の4半期決算(2020年4〜6月)は?
  2. Qorvoの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 5G特需が期待される半導体企業だが、まだ不確実性が高い理由は?

Qorvo(QRVO)の四半期決算は?

Qorvoの四半期決算を紹介します。も

第1Q決算(2020年7月21日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:7.87億ドル(前年同期比+1.5%
  2.  モバイル製品:4.68億ドル(−16%)
  3.  インフラストラクチャと防衛製品:3.19億ドル(+45%)
  4. 営業利益:0.92億ドル(+67%
  5. 純利益:0.96億ドル(2.4倍
  6. 一株利益:0.83ドル(2.5倍

Qorvoは、窒素ガリウム半導体を製造し供給する会社です。供給先は、モバイル、インフラ、航空宇宙や防衛向けに提供しています。パワー半導体は、5G向けでも需要が増え期待されています。

売上高は前年比1.5%増で7. 87億ドル、営業利益は67%増で0.92億ドルですモバイル製品向けは不調だが、インフラと防衛関連の需要が大きく伸びていますね。

Qovoは米中貿易摩擦の影響を受けて売上高はほぼ成長していません。しかしながら、営業利益率は近年大幅に改善しています。2%前後だった営業利益率は、12%前後まで伸ばしています。

第2Q決算(2020年10月)

2020年10月に公開予定。

では、Qorvoの売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

Qorvo(QRVO)の10年間の損益計算書は?

2015年に67ドルだったQorvoの株価は、2020年には1.9倍の127ドルまで急成長していますね。Qorvoに100万円を投資すれば、190万円まで増えていた事になりますね。では、過去10年間にどのように成長してきたのでしょうか?

Qorvoの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の売上高を見ると、上場から2017年までは順調に売上高が伸びています。しかしながら、2017年以降は、米中貿易摩擦を理由に伸びていないですね。売上高とは対照的に、しっかりと利益を出す企業に変わりつつあります。2018年に2%だった営業利益率は、13%まで改善していますね。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)は、比較的安定して推移していると言えます。しかしながら、EPS(1株あたり純利益)は上昇傾向にあるが、まだまだ安定しているとは言えないですね。Qorvoが成長するためには、売上高を伸ばしつつ、しっかりと利益を生み出す必要があります。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

営業CFとフリーCF(投資CF−営業CF)を見ると、安定して推移している事が分かりますね。設備投資が必要な半導体メーカーだが、投資CFは低く抑える傾向にあります。営業利益率を大きく改善できたのは、投資CFを低く抑え効率化を追求したからだと想像できます

では、私たち投資家はQorvo株をどのように判断すれば良いのでしょうか。

Qorvo株に投資する上で注目ポイントは?

Qorvo株に投資する上で、注目すべきポイントを紹介します。

注目1:5G向けで期待される窒化ガリウム(GaN)半導体とは?

参考:2030年のパワー半導体の世界市場

Qorvoは5G向けで期待されている、窒化ガリウム(GaN)半導体機器を開発していますモバイル製品向けのMP部門と、防衛、航空宇宙アプリケーション向けのIDP部門の2つがあります。

パワー半導体として青色 LED などにも利用されている窒化ガリウムは、シリコン半導体と比較して電力の損失を抑えられ、発熱量も減り、電力変換器の小型化などが期待されます。さらに、次々世代と言われる酸化ガリウム系は、窒素ガリウムの3倍省エネが期待され、現在技術開発が進んでいます。

QorvoのMP部門は、アップル社を含めた5Gスマホ向けに半導体機器を供給しています。また、IDP部門では、5Gの基地局で使われる窒化ガリウムの需要増加で供給が増えています。

2030年の窒素ガリウムの世界市場規模は1085億円、年平均成長率予想は23.2%です。

注目2:売上高と成長率は-22〜35%で推移している?

Qorvoの四半期毎の売上高と成長率の推移です。

順調に売上高を拡大していたQorvoだが、2017年以降は成長率が大きく鈍化しています。現在はプラスとマイナス成長の振れ幅が大きく、成長しているとも衰退しているとも言えない状態です。

成長が止まった原因はいくつか考えられます。

まず、中国の売上高の比率が高く米中貿易摩擦の影響を大きく受けました。それから、パワー半導体市場は年率20%前後で成長しているが、ドイツや日本メーカーと競争が激しい事。モバイル製品部門は、アップルの依存度が高く、アップル製品の売上高に依存する事ですね

5G向けで期待されるQorvoだが、コロナの影響もあり将来の成長率は不確実性が高いです。では、Qorvoの海外売上の比率はどうでしょうか?

注目3:中国の海外売上比率が全体の49%を占める?

地域 19Q1(百万ドル) 20Q2 成長率(Y/Y)
中国 361 387 +7
アメリカ 267 248 -7
その他アジア 70 58 -17
台湾 40 53 +30
ヨーロッパ 35 40 +12
合計 775 787 +1.5

地域別売上高の比率と前年度の成長率です。

売上高比率が1番高いのは中国で全体の49%を占めます。その次の多いが米国で、中国と米国市場だけで全体の8割です。米国に次いで、日本を含むその他のアジア、台湾、ヨーロッパと続きます。

売上比率からも分かる通り、Qorvoは米中貿易摩擦の影響を大きく受けますまた、米国市場で売上高が大きく減少した理由は、アップル製品の販売不振とコロナの影響が考えられますね。中国や米国の不信とは対照的に、台湾やヨーロッパでの需要は増しています。

投資家はQorvo株を購入するべきか?

Qorvo株を購入すべきでない理由は...
  1. 17年以降は鈍化傾向にあり、売上高が伸びていない
  2. 13年に上場と歴史が浅く、半導体企業で珍しく配当がない
  3. パワー半導体市場は成長産業だが、ドイツや日本企業も強い
  4. 中国の売上比率が過半数近く、米中貿易摩擦の影響を受ける
  5. 5Gで期待されるも、20年も成長軌道に乗れていない

個人的には、Qorvo株を短期でも長期でも保有したいとは思いません。

なぜならば、上場後の2013年以降は順調に売上高を伸ばすも、2017年以降は完全に成長がストップしたからです。不調に陥った原因は、米中貿易摩擦の影響、パワー半導体市場の競争、売上高がアップルに依存しているなど様々あります。

パワー半導体市場は、年率20%前後で拡大する成長産業です。しかしながら、窒化ガリウム半導体機器よりもさらに省電力に優れた酸化ガリウムの実用化が進むなど、不確実性が高い領域だと言えます。

また、半導体メーカーでは珍しく配当金もなく、長期保有するメリットは少ないですね。

まとめ:Qorvo(QRVO)の四半期決算は?

Qorvo株の注目ポイントは...
  1. 電力効率が高い窒素ガリウムを開発する、新興半導体メーカーである
  2. 上場以来順調に売上高を伸ばすも、17年以降は鈍化傾向にある
  3. 中国の売上比率が過半数近く、米中貿易摩擦の影響を受ける
  4. 窒素ガリウムより電力効率が高い、酸化ガリウムの実用化が進んでる
  5. パワー半導体は成長産業だが、ドイツや日本などライバル企業が強い

窒素ガリウム半導体は、5Gスマホや基地局で需要が増している成長産業です。

しかしながら、個人的にはQorvo株を長期で保有したいとは思いません。なぜならば、上場後の2013年以降は順調に売上高を伸びるが、2017年以降は完全に成長がストップしたからです。不調に陥った原因は、米中貿易摩擦の影響、パワー半導体市場の競争、売上高がアップルに依存などが考えられます。

青色LEDで利用される窒素ガリウムは、パワー半導体と呼ばれ年率20%の成長産業です。

パワー半導体は、シリコン半導体と比較して電力効率が高く、最大40%もの省エネが期待されます。Qorvoが扱う窒化ガリウム半導体機器の期待値は高いが、さらに省電力に優れた酸化ガリウムの実用化も進んでいます成長産業であるのは間違いないが、日本やドイツも強く先が見通せない不確実性が高い産業でもあります。

配当金もない新興企業に長期投資する利点は、現時点ではなさそうです。

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