アナログデバイセズの四半期決算|5G特需でもリスクが高い理由は?

5G銘柄として高い人金を集める半導体メーカーですね。5G基地局に必要なアナログ半導体で市場シェア2位を獲得しています。しかしながら、2019年の米中貿易摩擦の影響で、期待する通信向けの売上は伸びていません。それでも、将来の5G需要に期待して、私たちは投資するべきでしょうか?

  • 「5G特需で恩恵を受けるのに、PERは26倍で放置されてる…」
  • 「5G特需で通信向けが伸びれば、株価は爆上げするはずだ…」
  • 「5Gで期待されるが、米中貿易摩擦の影響をどれくらい受けるのか…」

5G特需が期待されるも、現時点では保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、2019年は米中貿易摩擦の影響を受けて、業績が大きく減速しているからです米中貿易摩擦に加えて、コロナによる需要低下やサプライチェーンの影響もあります。5Gが期待される通信向けでも、売上高は前年比で24%もマイナスなのは大きな懸念材料ですね

アナログデバイセズは中国の売上比率が高く、コロナ後も政治的な影響は避けられないですね。

アナログデバイセズが、5G恩恵をどれだけ受けるかはまだ未知数な所が多いです。5Gは2020年に開始するも、本格的な稼働は2021年以降になります。5Gへは設備投資の負担が重く、通信業社も試行錯誤しながらの導入となるからです

アナログ半導体は供給者も多く、どれだけ需要を取り込めるかは分かりません。5G目的で投資するならば、4半期毎の売上高の動向に注視した方が良いですね

アナログデバイセズ株の投資判断したい人向け
  1. アナログデバイセズ直近の4半期決算(2020年3〜5月)は?
  2. アナログデバイセズの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 5G特需の半導体メーカーだが、まだ不確実性が高い理由は?

アナログデバイセズ(ADI)の四半期決算は?

アナログデバイセズの四半期の決算を紹介します。

第1Q決算(2020年6月20日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:13.1億ドル(前年同期比−14%)
  2.  Industrial:7.1億ドル(−8%)
  3.  Communications:2.7億ドル(−24%)
  4.  Automotive:1.8億ドル(ー23%)
  5.  Consumer:1.4億ドル(−5%)
  6. 営業利益:3.44億ドル(−27%)
  7. 純利益:2.67億ドル(−28%)
  8. 一株利益:0.72ドル(−27%)

アナログデバイセズは、アナログ半導体を製造するメーカーです。具体的には、アナログやデジタル変換回路、センシング技術、計測技術、コネクト技術を通信業界や自動車業界、工場や医療現場に供給しています。

2019年に引き続き、2020年も業績不調が続いています。

売上高は前年比14%減で13.1億ドル、営業利益は前年比27%減で3.44億ドルでした。事業別の売上高を見ても、全ての業種でマイナスです。また、5Gで期待される通信業界向けも、マイナス24%と減少傾向にありますね

2019年は米中貿易摩擦、2020年にはコロナ危機の影響を受けています。

第2Q決算(2020年9月)

2020年9月に公開予定。

では、アナログデバイセズの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

アナログデバイセズの10年間の損益計算書は?

2008年に27ドルだったアナログデバイセズの株価は、2020年には4.2倍の116ドルまで急成長していますね。アナログデバイセズに100万円を投資すれば、420万円まで増えていた事になります。では、過去10年間にどのように成長してきたのでしょうか?

アナログデバイセズの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、順調に売上高が増えている事が分かりますね。2017年には、Linear Technologyを買収する事で、大幅に売上高を伸ばしています。2021年には、さらに大きい大型買収も計画しています(参考:Maximを2兆円で買収)。

売上高を増やすだけではなく、安定して高い営業利益をキープしている点も好感できますね。営業利益率は21〜31%と高い水準を維持しています。ただし、直近の19年と20年の四半期決算は、減速してる点に注意が必要ですね

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は安定して推移しています。大型買収に成功する事で、BPSもEPSも順調に増やしていますね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

営業CFとフリーCF(投資CF−営業CF)を見ると、安定して推移している事が分かりますね。設備投資や研究開発が膨大になる半導体企業にも関わらず、営業CFを低く抑えてる点は高く評価できます。米中貿易摩擦さえ乗り切れば、安定して推移しそうにも見えますね。

では、アナログデバイセズ株に投資する上で、どのような点に注目すれば良いのでしょうか?

アナログデバイセズに投資する上で注目ポイントは?

アナログデバイセズに投資する上で、注目すべき点を紹介します。

注目1:アナログ半導体で業界2位で市場シェア9%?

参考:2018年のアナログ半導体企業トップ10

アナログデバイセズは、アナログ半導体市場で世界2位のメーカーです。

アナログ半導体上位10社の売上高合計は、前年比9.4%増の361億ドル、業界全体の60%を占めています。業界2位のアナログデバイセズでも業界シェアは9%、1位のテキサス・インスツルメントでも18%だけです世界中には、市場シェア1%に満たないアナログ半導体メーカが多数存在します。

アナログIC市場は、通信や自動車、エレクトロニクス産業で需要があり、前年比で10%前後で成長していますね。では、なぜデジタル時代にも関わらず、アナログ市場も拡大しているのでしょうか

注目2:5G通信でも需要が高いアナログ半導体とは?

参考:5Gにおけるアナログ・デバイセズ

アナログ半導体とは、アナログ信号を処理する回路構成です。アナログ半導体に対して、デジタル信号を処理するのはデジタル半導体ですね。デジタル化された世界でも、アナログ半導体の需要は必ずあります。なぜならば、音声などのアナログ信号は、デジタルに変換して通信回線に載せる必要があるからです

アナログデバイセズは、2G〜4G時代から通信業界にアナログ半導体を供給しています。そのため、5G通信で恩恵を受ける企業として人気を集めています。アナログデバイセズは創業1969年と歴史がある半導体メーカーです。

ホームページを見ると、いかに5Gに力を入れているかが分かります。

また、IoT時代には通信業界だけではなく、様々な業界の電化製品や端末にアナログ半導体が組み込まれます。アナログ半導体は、IoT時代で最も恩恵を受ける業種のひとつでもあります。自動車産業向けではEV、ADAS(先進運転支援システム)にも、アナログ半導体は使われます。

では、実際にアナログデバイスの事業はどのように成長してきたのでしょうか?

注目3:部門別売上高は前年比を大きく下回る?

部門別 19Q2 20Q1 20Q2 成長率
産業業界 7.7億$ 6.8億$ 7.1億$ -8%
通信業界 3.6億$ 2.3億$ 2.7億$ -25%
自動車業界 2.3億$ 2.0億$ 1.8億$ -22%
流通業界 1.5億$ 1.7億$ 1.4億$ -7%
全体 15.1億$ 12.8億$ 13.0億$ -14%

部門別の売上高の推移を見ると、全ての部門が不調である事が分かりますね。

業績が不調である原因は、2020年のコロナによるサプライチェーンの停止だけではありません。中国の売上比率が高いアナログデバイセズは、米中貿易摩擦の影響を強く受けるからです。米国の禁輸措置を受けて、大型顧客であるファーウェイの販売が中断されました。

2020年に5Gが開始するにも関わらず、通信向けの売上高が伸びないのは気がかりですね。

また、自動運転やIoT特需で恩恵を受けるのは、まだまだ先になりそうです。アナログデバイセズは競合他社も多く、5Gの恩恵をそれほど受けない可能性もあります

5G目的で投資するならば、4半期決算の動向を注視する必要がありますね。

注目4:配当性向は75%で配当利回りは2%前後?

アナログデバイセズは、他の半導体企業と同様に配当金を出します。

アナログデバイセズの配当性向は60〜80%、配当利回りは2%前後と高い水準を維持しています。一時的に配当性向は下向くも、配当金はしっかりと切り上げている事が分かりますね。毎年増配傾向にあるため、配当金目的でも安心して保有できますね。

投資家はアナログデバイセズ株を購入するべきか?

アナログデバイセズ株を購入すべきでない理由は...
  1. 営業利益率は高いが、2019年以降は業績が悪化している
  2. 中国の売上比率が高く、米中貿易摩擦の影響を受ける
  3. 5G特需を期待できるが、期待値よりも売上が伸びていない
  4. アナログ半導体は競争相手も多く、シェア拡大が難しい

5G特需が期待されるも、現時点では保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、2020年にはコロナ危機、2019年には米中貿易摩擦の影響を強く受けて、業績は下降気味だからです。5G特需が期待される通信業界向けも、前年比で20%もマイナスです。アナログデバイセズは中国の売上比率が高く、コロナ後も政治的な影響は避けられないですね。

アナログデバイセズが、5G恩恵をどれだけ受けるはまだ未知数な所が多いです。

5Gは設置する基地局の数が4Gよりも段違いで多く、半導体は特需を受けやすい業種です。しかしながら、2020年に5Gは開始するも、一部の都市圏に絞ったテスト運行の側面が強いです。AT&Tなどの通信事業者が、本格的に基地局数を増やすのはまだ先の事ですね

アナログ半導体は供給者が多いため、どれだけ需要を取り込めるかは分かりません。5G目的で投資するのであれば、4半期毎の売上高の動向を見守る必要があります。

まとめ:アナログデバイセズ(ADI)の四半期決算は?

アナログデバイセズ株の注目ポイントは...
  1. 大型買収を成功させながら、売上高は順調に推移している
  2. アナログ半導体で業界2位で、営業利益率も30%と高い
  3. 5Gで期待されるが、19年以降は米中貿易摩擦で減速してる
  4. アナログ半導体は競争相手も多く、シェア拡大が難しい

5G特需が期待されるも、現時点では保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、2019年は米中貿易摩擦の影響を受けて、業績が大きく減速しているからです米中貿易摩擦に加えて、コロナによる需要低下やサプライチェーンの影響もあります。5Gが期待される通信向けでも、売上高は前年比で24%もマイナスなのは大きな懸念材料ですね

アナログデバイセズは中国の売上比率が高く、コロナ後も政治的な影響は避けられないですね。

アナログデバイセズが、5G恩恵をどれだけ受けるかはまだ未知数な所が多いです。5Gは2020年に開始するも、本格的な稼働は2021年以降になります。5Gへは設備投資の負担が重く、通信業社も試行錯誤しながらの導入となるからです

アナログ半導体は供給者も多く、どれだけ需要を取り込めるかは分かりません。5G目的で投資するならば、4半期毎の売上高の動向に注視した方が良いですね

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