ブロードコムの四半期決算|5G特需でもリスクが高い理由は?

5G銘柄として高い人気を集める半導体メーカーですね。通信機器向けの半導体でシェアが高いブロードコムは、5Gでも高い競争力を持つ事が期待されています。しかしながら、半導体事業は世界的に競争が激しく、リスクが高い投資である事も忘れてはいけません

  • 「PERは50倍だが、5G特需で恩恵を受ける銘柄だ…」
  • 「クアルコム株と同様に、通信機器市場で独占状態にある…」
  • 「コロナで工場が分断されるも、経済再開で恩恵を受けるはず…」

5G銘柄として、クアルコム株と同様に注目を集める銘柄のひとつです。

しかしながら、ブロードコムは投資判断が難しく、5G銘柄だからと安易に飛びつくべきではありません。個人的には、高配当の配当金狙いであれば長期で保有したいが、今の段階では保有したい銘柄ではありません

なぜならば、買収を繰り返す事で売上高は成長軌道にあるが、営業利益率が常に安定しないからです。2016年には、営業利益が4%で赤字決算に転落しています。その後は、業績が回復し2018年に25%まで回復するものの、再び利益率は下落傾向にあります。

現時点では、高い優位性があるのか判断するのは難しいですね。

また、半導体市場は競争が激しく、常に設備投資や技術開発が必要なことも懸念材料です。半導体事業は、台湾や中国メーカーの勢いも強く、米国企業がトップを走り続けるのは難しいですね。ブロードコムの5Gに投資するならば、安定して営業利益率が20%維持できるかに注目したいです。

ブロードコム株の投資判断したい人向け
  1. ブロードコム直近の4半期決算(2020年2〜4月)は?
  2. ブロードコムの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 5G特需の半導体メーカーだが、不確実性が高い理由は?

ブロードコム(AVGO)の四半期決算は?

ブロードコムの四半期決算を紹介します。

第2Q決算(2020年6月4日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:57.4億ドル(前年同期比+4%
  2.  Semiconductor solutions:40.2億ドル(−2%)
  3.  Infrastructure software:17.1億ドル(+21%
  4. 営業利益:7.6億ドル(−19%)
  5. 純利益:5.6億ドル(−19%)
  6. 一株利益:1.17ドル(−29%)

ブロードコムは、通信インフラ向け半導体を開発する半導体メーカーです。スマホ用通信半導体で高いシェアを保有し、スマホ、ネットワーク、サーバやストレージなど、様々な機器向けに通信用半導体を供給しています。

2Qの売上高は、前年比4%増で57.4億ドルでした。事業別の売上高を見ると、インフラ向けの半導体よりも、ソフトウェア部門が伸びていますね。営業利益率は前年比19%減で7.6億ドルした。データセンター向けが好調で売上高が予想を若干上回るも、コロナの影響で供給網の分断された事で利益は影響を受けました。

また、世界的なスマホ端末の販売不振で、携帯向けの半導体メーカーは不調が続いています。5G特需で恩恵を受けるのは、もう少し先になりそうですね。

第3Q決算(2020年9月29日)

2020年9月に公開予定。

では、ブロードコムの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

ブロードコムの10年間の損益計算書は?

2010年に17ドルだったブロードコムの株価は、2020年には19倍の328ドルまで成長していますね。ブロードコムに100万円を投資すれば、1900万円まで増えていた事になります。では、過去10年間にどのように成長してきたのでしょうか?

ブロードコムの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

10年間の推移を見ると、買収を繰り返す事で売上高が順調に増えている事がわかります。しかしながら、営業利益や純利益はかなり不安定に推移していますね

2016年には、大型買収した事で営業利益率は5%まで下落しています。その後、営業利益率は再び高い水準に戻るも、2018年以降は下落傾向にあります。スマホ向け半導体事業は、中国や台湾などのアジア勢に勢いがありますね。5Gでブロードコムがどれだけ恩恵を受けるは、まだ未知な部分が大きいです。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)は、比較的に安定して推移していますね。2016年は大型買収に成功し、資産も大きく増やせている事が分かります。しかしながら、EPS(1株あたり純利益)は安定しているとは言えません。

今後は5G端末の普及で、安定して成長できるか見極める必要があります。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

営業CFとフリーCF(投資CF−営業CF)を見ると、安定して推移している事が分かりますね。設備投資や研究開発が大きい半導体事業でも、営業CFが低く抑えられている点は大きな好材料ですね。キャッシュフローの推移を見ると、今後もブロードコムは順調に成長しそうにも見えます。

では、ブロードコム株に投資する上で、私たち投資家はどのような点に注目すれば良いのでしょうか?

ブロードコムに投資する上で注目ポイントは?

ブロードコムに投資する上で、注目すべき点を紹介します。

注目1:ブロードコムは世界で6位の半導体メーカー?

参考:2019年半導体企業ランキング、Intelが首位返り咲き

2019年の半導体企業の売上高では、ブロードコムは世界6位の通信用半導体メーカーです。

業界1位のインテルと比較すると、売上高規模は4分の1程度しかないですね。売上高の規模が小さい理由は、クアルコムと同様に工場を持たないファブレス半導体メーカーだからです。開発研究や設計だけを行い、製造工程は他の半導体メーカーに外部委託します。

2018年に、ブロードコムは世界7位の半導体メーカーであるクアルコムの買収を画策しました。しかしながら、国家安全保障を懸念するトランプ大統領によって買収を阻止されています。買収が実現していたら、世界で3番手か4番手の半導体メーカーでした(参考:Broadcomのクアルコム買収を阻止したトランプ政権の思惑)。

注目2:有線通信のインフラ向けが売上高の45%を占める?

参考:ブロードコム【AVGO】買収によって成長してきた通信用半導体大手

ブロードコムの事業内容は、通信インフラ関連で多岐に渡ります。

ブロードコムは、通信インフラ向け半導体を開発する半導体メーカーです。スマホ用通信半導体で高いシェアを保有し、スマホ、ネットワーク、サーバやストレージなど、様々な機器向けに通信用半導体を供給しています。セグメント別売上高を見ると、有線インフラやワイヤレス(無線)通信事業が強いですね。

クアルコムの買収に成功していたら、相乗効果が高い買収案でした。なぜならば、ブロードコムは有線通信インフラに強く、クアルコムはワイヤレス通信やモバイル通信に強い半導体メーカーだからです。

スマホなどの通信機器で、通信速度の向上や高速通信の安定化の需要が拡大しています。また、高速通信の需要はクラウド事業者からもあります。そのため、データ通信量の需要に合わせて、ブロードコム製品の需要も増していますね。

注目3:5G特需でも半導体メーカーの売上高は減少傾向にある?

参考:韓国半導体メーカーの世界シェアは本当に高いのか?

主要半導体メーカーの売上高推移を見ると、インテル以外は下落傾向にあります。

サムソンやクアルコム、ブロードコムの売上高が落ちている理由は、世界的なスマホ端末の販売不振があります。対して、業界トップのインテルが伸びている理由は、クラウド事業者向けに大型PCの需要が高いからです。インテルだけではなく、ゲーム機向けのGPUを開発するNVIDIAやAMDも好調です。

5G需要を期待される半導体メーカーが、軌道に乗り始めるのは2020年後半以降です

スマホ端末が世界的に販売不振でも5G特需が期待される理由は、スマホ端末だけではなく全ての電子機器を巻き込むからです5G向けの半導体を生産できる企業はまだ少なく、ブロードコムやクアルコムは恩恵を受ける可能性が高いですね。ただし、半導体メーカーは競争が激しく、不確実性が高い点も注意が必要です。

台湾や中国の半導体メーカーも、存在感を強めていますね。

注目4:配当性向は100%以上で利回りは4%と高い?

ブロードコムの配当性向は安定せず、23〜272%の振れ幅がありますね。

ただし、配当金額は一貫して上昇傾向にあり、利回りも4%前後と高い水準にあります。スマホ特需で売上高が急成長し、5G特需も期待できるならば、現在の配当金は維持される可能性が高いですね。

投資家はブロードコム株を購入するべきか?

ブロードコム株を購入すべきでない理由は...
  1. 買収を繰り返し売上高の成長率は高いが、営業利益は安定してない
  2. 5G特需で期待できるが、半導体市場は競争が激しい
  3. 通信半導体は米国が強いが、アジア勢が追い上げる可能性も高い

5G特需が期待されるが、今の段階では配当目的以外で保有したい銘柄ではありません。

保有したくない理由は、売上高は成長軌道にあるが営業利益率が安定しないからです。2016年には、営業利益が4%で赤字に転落しています。その後は、2018年に大きく業績を回復するも、利益率はまた下落傾向にあります。

買収を繰り返して大きくなったブロードコムは、業績がまだまだ安定していないですね。

また、半導体市場は競争が激しく、常に設備投資や技術開発が必要なことも懸念材料です。半導体事業は、台湾や中国メーカーの勢いも強く、米国企業がトップを走り続けるのは難しいですね。5G特需で高い競争力があるならば、安定して営業利益率が20%維持できるか見極める必要があります。

ブロードコムに投資するよりも、特許やライセンス収入を期待できるクアルコムの方が魅力です。

参考:クアルコムの四半期決算|5G特需でもリスクが高い理由は?

まとめ:ブロードコム(AVGO)の四半期決算は?

ブロードコム株の注目ポイントは...
  1. ブロードコムは、世界で6番目の半導体メーカーである
  2. 有線通信のインフラ向けが強く、売上高の45%を占める
  3. 5G特需でも、2020年決算では減少傾向にある
  4. 買収を繰り返し売上高の成長率は高いが、営業利益は安定してない
  5. 5G特需で期待できるが、半導体市場は競争が激しい
  6. 通信半導体は米国が強いが、アジア勢が追い上げる可能性も高い

5G銘柄として、クアルコム株と同様に注目を集める銘柄のひとつです。

しかしながら、ブロードコムは投資判断が難しく、5G銘柄だからと安易に飛びつくべきではありません。個人的には、高配当の配当金狙いであれば長期で保有したいが、今の段階では保有したい銘柄ではありません

なぜならば、買収を繰り返す事で売上高は成長軌道にあるが、営業利益率が常に安定しないからです。2016年には、営業利益が4%で赤字決算に転落しています。その後は、業績が回復し2018年に25%まで回復するものの、再び利益率は下落傾向にあります。

現時点では、高い優位性があるのか判断するのは難しいですね。

また、半導体市場は競争が激しく、常に設備投資や技術開発が必要なことも懸念材料です。半導体事業は、台湾や中国メーカーの勢いも強く、米国企業がトップを走り続けるのは難しいですね。ブロードコムの5Gに投資するならば、安定して営業利益率が20%維持できるかに注目したいです。

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