Salesforceの四半期決算|業界1位でも投資すべきでない理由

上場して以来2桁成長を続け、コロナ環境下でも力強く成長している銘柄です。コロナが直撃した2-4月期の決算でも、前年比30%増の売上高を記録しました。しかしながら、過去の決算書を詳しく分析すると、購入してはいけない銘柄だと分かりますなぜ、私たち投資家は購入しない方が良いのでしょうか?

  • 「世界シェア1位のCRM企業、2桁成長を続けている…」
  • 「コロナでも売上高は2桁成長、株価は爆上げしている…」
  • 「利用者は増え続けているため、赤字決算でも投資するべきだ…」

Salesforce株は、長期でも短期でも保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、売上高は2桁成長を続けるも、営業利益率は0〜3%と低いからです

営業利益はようやく2016年に黒字化するも、2019年で早くも下落しています。また、コロナ環境下の2020年1Qで、再び赤字に転落した事もマイナス材料です。CRM市場で世界シェア1位でも利益が出ないのは、顧客管理は儲からないビジネスだからです

つまりは、新規の顧客獲得コストが高く、顧客を獲得しても単価が低い事を示していますまた、CRMビジネスは、競合他社と差別化する要素が少なく、長期で勝ち続けるのは難しいです。ライバル企業はマイクロソフトやオラクル、SAPと強く、シェアを維持する事も簡単ではないですね。

2桁成長でも経済的な堀がない以上は、私たち投資家は保有するべきではありません。

Salesforce株の投資判断したい人向け
  1. Salesforce直近の4半期決算(2020年1〜3月)は?
  2. Salesforceの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 業界シェア1位でも、投資するべきではない理由は?

Salesforce(CRM)の四半期決算は?

Salesforceの四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年5月28日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:48.7億ドル(前年同期比+30%
  2.  Subscription and support:45.7億ドル(+31%
  3.   Sales Cloud:12.45億ドル(+16%
  4.   Service Cloud:12.52億ドル(+22%
  5.   Salesforce platform and other:13.64億ドル(+61%
  6.   Maketing and Commerce Cloud:7.14億ドル(+27%
  7.  Professional Service:2.9億ドル(+20%
  8. 営業利益:−1.4億ドル(前年度2.1億ドル)
  9. 純利益:0.99億ドル(−75%)
  10. 一株利益:0.11ドル(−78%)

Salesforceは、クラウドアプリやプラットフォームを営業会社に提供する会社です。マーケティング&セールス用のアプリやツールを月額で提供し利益を得ていますね。似たようなビジネスでHubSpotsがあるが、Salesforceは20倍以上の規模があります(参考:HubSpotの四半期決算|顧客獲得コストが高く黒字化できない)。

Salesforceの売上高は、前年比30%増で48.7億ドルでした。全ての事業は2桁成長で、コロナ環境下でも力強く成長している事が分かりますね特に伸び率が高い事業は「Salesforc Platform」で、前年比で61%も拡大しています。

ただし、好調な売上高とは対照的に、営業利益は2016年以来の赤字に転落しています前年度で2.1億ドルの黒字に対して、今期は1.4億ドルの赤字でした。

第2Q決算(2020年8月)

2020年8月に公開予定。

では、Salesforceの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

Salesforceの10年間の損益計算書は?

2008年に13ドルだったSalesforceの株価は、2020年には194ドルまで上昇しています。Salesforceに100万円を投資したら、14.9倍の1490万円に増えていた事になります。また、コロナ危機以降でも力強く成長している事が分かります。

では、過去10年間にどのように成長してきたのでしょうか?

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高が順調に拡大している事が分かりますね。2011年に16億ドルだった売上高は、2020年には10倍の170億ドルまで急成長しています。しかしながら、営業利益や利益は期待するようには増えていません。

2016年以降に赤字経営を脱却するも、営業利益率は0-4%と低水準です。また、2019年以降の決算では、早くもマイナス成長に転換しています。Salesforceはビジネスモデルに問題を抱えている可能性が高いですね。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)は、順調に伸びていると言えますね。しかしながら、EPS(1株あたり純利益)は、まだ成長過程にはないですねまずは、赤字経営を脱却ししっかりと利益を出せる企業になる必要があります。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

Salesforceのキャッシュフロー計算書は、順調に推移しているように見えますね。

しかしながら、営業CFの数値を見ると、営業利益の10倍の金額を計上しています。営業CFの金額が大きいのは、財務活動による資金調達や減価償却が多い、在庫などの一掃で現金化したからですね。しかしながら、営業CFの金額が大きすぎる点は、少し怪しくも見えてしまいます。

これと同じ現象は、ライバル企業のHubSpotでも見られます。

では、私たち投資家は、Salesforceに投資する上でどのような点に注目すれば良いのでしょうか?

Salesforceに投資する上で注目ポイントは?

Salesforceに投資する上で、どのような点に注目すれば良いのでしょうか?

注目1:月額3千円〜3.6万円の営業ツールを販売?

参考:Sales Cloudの料金

セールスフォースドットコム社とは、クラウドアプリやプラットフォームを営業会社に提供しています。

代表的な製品は「Sales Cloud」で、顧客管理や案件管理、レポート作成など、営業の業務負担を軽減し効率的に成果を上げる営業支援ツールをクラウドで提供しています。料金は最安値で3千円、最高値で3.6万円の月額制で提供されています。

ライバル企業のHubSpotよりも、低価格で利用できますね。

参考:HubSpotの四半期決算|顧客獲得コストが高く黒字化できない

注目2:CRM市場で世界シェア1位で17.3%もある?

参考:Salesforce Financial Update Q4 2020

セールスフォース社は、CRMで業界1位のシェアです。

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客に関するさまざまな情報を管理することで、顧客をより深く理解し、営業、サービス、マーケティング、経営戦略に活かすビジネスの事です。セールスフォースが公表するCRM市場シェアでは、セールスフォース社の成長率はダントツで1位ですね

CRMベンダーのライバル企業は、SAP、オラクル、Adobe、マイクロソフトがあります。

CRMベンダーは、ほぼ全ての競合企業が右肩上がりで売上を伸ばしています。なぜならば、CRM市場全体でも前年比17%で成長しているからです(参考:市場シェア変動? CRMの比較・選定方法)。ただし、各社が提供するツールに大きな違いはありません。

それは、市場シェア1位でも、営業利益率が3%以下と低い事からも分かります。

注目3:「Platform」部門が前年比で74%の成長率?

参考:Salesforce Financial Update Q4 2020

セールスフォースは、全ての事業が右肩上がりで成長しています。

その中でも最も伸びている事業は、「Salesforce Platform」で前年比で74%増ですね。 Platformは、営業、サービス、マーケティングなどのビジネスプロセスを、顧客毎にカスタマイズしてアプリを制作している事業です。「Sales Cloud」や「Sevice Cloud」を利用した顧客が、機能を拡張している可能性が高いですね。

コロナ環境下でも、セールスフォースは力強く成長している事が分かります。

注目4:ヨーロッパ地域は前年比で49%も伸びている?

参考:Salesforce Financial Update Q4 2020

セールスフォースは、北米以外の海外展開にも積極的です。

北米以上に成長率が高いのは、ヨーロッパ諸国で前年比で49%増でした。それから、日本やオーストラリアななどの太平洋地域でも徐々に売上を増やしています。日本に進出したのは2000年4月です。海外売上高を増やしている事からも、まだまだ伸び代があると言って良いですね。

注目5:10種類以上のサービスや機能を提供する?

製品 製品概要
Sales Cloud 見込み客の発掘から成約を管理する
Pardot マーケティングを自動化する
Salesforce CPQ 見積もり業務の自動化する
Sales Cloud Einstein AIを活用した顧客データの分析、業務の効率化数r
Service Cloud 電話対応から現場作業までのフィールドサービス業務の効率化する
Marketing Cloud Eメール、モバイル、ソーシャルメディア、Web広告、DMP(※3)によるマーケティングプロセスの最適化する
Commerce Cloud BtoC向けにSNSやWebサイト、モバイルサイトとEコマースの連携によるシームレスな顧客体験を実現する。BtoB向けにB2B顧客に合わせたオンライン購買システムを提供する
Heroku Salesforceに接続するカスタムアプリの構築する
Salesforce Platform アプリケーションの構築・実行・管理する
MuleSoft Anypoint Platform あらゆる場所のアプリケーションやデータ、デバイスの統合、システムデータの取り込みが可能となる
Einstein Analytics CRMと連携した分析、AIによる拡張分析などが可能となる
Community Cloud CRMをベースにしたWebサイトやポータル、オンラインフォーラム作成が可能となる

セールスフォースは多岐に渡るサービスや機能を提供し、それぞれで料金も異なります。

製品全般に言える事は、セールスフォースを必ずしも利用する必要性はありませんマイクロソフトのOfficeやAdobeのillustratorやPhotoshopとは違うという事です。セールスフォースの顧客は、自社で営業やマーケティング能力が乏しい零細や中小企業が中心になります。

投資家はSalesforce株を購入するべきか?

Salesforce株を購入すべきでない理由は...
  1. 売上高は2桁成長でも、営業利益率は0〜3%しかない
  2. コロナで売上高は増えるも、営業利益は再び赤字に落ち込む
  3. 市場シェア1位でも、儲からないビジネスをしている
  4. 営業ツールは、他社と差別化する要素がない
  5. 顧客はマーケティングの知識がない、中小や零細企業が多い

Salesforce株は、長期でも短期でも保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、売上高は2桁成長を続けるも、営業利益率は0〜3%と低いからです。営業利益は2019年で下落に転じ、コロナ環境下の2020年2Qで再び赤字に転落しています。市場シェア1位でも営業利益が低いのは、全体的に儲からないビジネスをしているからです。

つまりは、新規の顧客獲得コストが高く、顧客を獲得しても単価が低い事を示しています

また、CRM(顧客関係管理)ビジネスは、競合他社と差別化する要素が少ないです。Salesforceが長期に渡ってシェアを獲得し続けられる保証はありません。

まとめ:Salesforce(CRM)の四半期決算は?

Salesforceの注目ポイントは...
  1. 売上高は2桁成長で、業界シェア1位のCRM企業である
  2. 月額3千〜3.6万円の営業ツールを販売している
  3. コロナ環境下でも、全部門が力強く2桁成長した
  4. 営業利益率は低く、シェア1位でも0〜3%しかない
  5. 海外展開も好調で、欧州地域は前年比で49%も増えた

Salesforce株は、長期でも短期でも保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、売上高は2桁成長を続けるも、営業利益率は0〜3%と低いからです

営業利益はようやく2016年に黒字化するも、2019年で早くも下落しています。また、コロナ環境下の2020年1Qで、再び赤字に転落した事もマイナス材料です。CRM市場で世界シェア1位でも利益が出ないのは、顧客管理は儲からないビジネスだからです

つまりは、新規の顧客獲得コストが高く、顧客を獲得しても単価が低い事を示していますまた、CRMビジネスは、競合他社と差別化する要素が少なく、長期で勝ち続けるのは難しいです。ライバル企業はマイクロソフトやオラクル、SAPと強く、シェアを維持する事も簡単ではないですね。

2桁成長でも経済的な堀がない以上は、私たち投資家は保有するべきではありません。

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