Shopifyの四半期決算|2桁成長でも黒字化できない理由は?

コロナ特需を受けて、Shopifyの株価が3倍に暴騰しましたね。オンラインショップの開設をサポートするShopifyには追い風で、契約者数は増え売上高は46%も拡大しましたしかしながら、Shopifyの決算書や現状を分析すると、リスクがある可能性が高いので注意が必要です。

  • 「2桁成長で株価は3倍に高騰、今すぐ購入した方が良いはずだ…」
  • 「コロナの影響で、オンラインストアの売上高が拡大している…」
  • 「Shopifyの顧客は増え続け、売上も右肩上がりで増えるはず…」

Shopifyは、月額29ドルでオンラインショップの開設をサポートする企業です。

2019年にはeBayを抜き、米国のEコマース市場で2番手に付けるほど勢いがある会社ですね。売上高は2桁成長を続け、四半期毎の売上高は4年間で9倍にも拡大しています。オンラインショップはコロナ環境下でも唯一売上高が増え、需要はますます増加しています。

しかしながら、個人的には短期でも長期でも保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、売上高は2桁成長を続けるが、営業利益率は10%と常に赤字だからです。また、プラットフォームの強さを示すテイクレートは2.7%と低い事も不安材料です。ライバル企業であるアマゾンは15%、eBayは10%もありますね。

ビジネスが追い風でも赤字脱却できない理由は、ビジネス上の構造的な問題である可能性もあります

私たち投資家がShopifyに投資するならば、最低でも赤字経営からの脱却、それからテイクレートの改善を見る必要があります。現時点でShopifyに投資するのは、ギャンブルに近い行為かもしれません。

Shopifyの投資判断したい人向け
  1. Shopify直近の4半期決算(2020年7〜9月)は?
  2. Shopifyの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 売上高が2桁成長でも、営業利益が黒字化しない理由は?

Shopify(ショピファイ)の四半期決算は?

Shopifyの四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:4.70億ドル(前年同期比+46%
  2.  Subscription solutions:1.87億ドル(+33%
  3.  Merchant solutions:2.82億ドル(+56%
  4. 営業利益:−0.73億ドル(前年同期−0.35億ドル)
  5. 純利益:−0.31億ドル(前年同期−0.24億ドル)
  6. 一株利益:−0.27ドル(前年同期−0.22ドル)

Shopifyは、オンラインショップを月額29ドルで開設するサービスを提供しています。

コロナ特需もあり、売上高は前年比46%増で4.7億ドルですSubscription solutions事業(定額課金)とMerchant   solutions事業(手数料収入)は、どちらも大幅な増収でしたね。しかしながら、例年通り営業利益と純利益は赤字に終わりました。

コロナによる都市封鎖で小売業の売上高が減少する中で、オンラインショップは唯一売上を伸ばしていますコロナが続く環境は、Shopifyにとっては大きな追い風ですね。

コロナ危機が去ったとしても、小売業のオンライン化は避けられない流れですね。

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:7.14億ドル(前年同期比+97%
  2.  Subscription solutions:1.96億ドル(+28%
  3.  Merchant solutions:5.17億ドル(+2.48倍
  4. 営業利益:0.002億ドル(前年同期−0.39億ドル)
  5. 純利益:0.35億ドル(前年同期−0.28億ドル)
  6. 一株利益:0.29ドル(前年同期−0.26ドル)

第3Q決算(2020年9月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:7.67億ドル(前年同期比+96%
  2.  Subscription solutions:2.45億ドル(+48%
  3.  Merchant solutions:5.22億ドル(+2.33倍
  4. 営業利益:0.50億ドル(前年同期−0.35億ドル)
  5. 純利益:1.91億ドル(前年同期−0.72億ドル)
  6. 一株利益:1.54ドル(前年同期−0.64ドル)

第3Q決算(2020年8月)

2020年8月に公開予定。

では、Shopifyの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

Shopifyの10年間の損益計算書は?

Shopifyはコロナ特需を受けて、2020年に暴騰した銘柄です。2020年3月に350ドルだった株価は、2020年7月には1030ドルまで暴騰しています。4ヶ月の短期間で3倍に暴騰した事が分かりますね。

Shopifyの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

2012年以降、右肩上がりで売上高を伸ばしています。2012年に0.24億ドルだった売上高は、2019年には65倍の15.7億ドルまで拡大しています。しかしながら、営業利益も純利益もまだ1度も黒字化していないですね営業利益率は、常にマイナス10%の水準を維持しています。

赤字決算を脱却する兆しは、まだまだ見えそうにないですね。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

BPS(1株あたり純資産)だけを見ると順調に推移していると言えそうです。しかしながら、EPS(1株あたり純利益)は常にマイナスですね。投資する上では、利益を出す体質に転換できるかが重要になりますね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

2018年以前は、フリーCF(営業CF−投資CF)は赤字でした。しかしながら、2019年には大きく営業CFを増やし、フリーCFも黒字に転換しています。コロナ特需後の2020年以降も、フリーCFの黒字を維持できるかが重要なポイントですね

では、私たち投資家は、どのようにShopifyを評価すれば良いのでしょうか。

Shopifyに投資する上で注目ポイントは?

shopifyに投資するか決める上では、何に注目して判断すれば良いのででしょうか?

注目1:2桁成長の売上高は4年で9倍に拡大した?

参考:Shopify(ショピファイ)決算Q4’19はGMVが$20B超えと強く、株価新高値更新

月額3千円でオンラインショップを制作できるShopfiyは、順調に売上高が増えています。売上高成長率も取扱高も、50%近い成長率を維持していますね。四半期の売上高は、4年間だけで9倍にも成長させている事が分かります

オンラインショップの制作代行は、需要が高いビジネスモデルだと言えます。

なぜならば、小売業の多くは資金に余裕がない上にネットリテラシーも低く、自前でオンラインショップを開設できないからですオンラインショップを制作するには、少なく見積もっても3百万円以上の資金が必要です。オンラインで開設してもうまく行くかわからず、SEO対策など自分たちで学ぶ必要もあります。

オンラインショップを開設しなくても、アマゾンや楽天に出店して販売高を増やす方法もあります。しかしながら、この方法では店舗のブランドが育たないデメリットがあります楽天に出店した事がある店舗も、手数料の支払い、セールの強要を理由に、退店を決断する人も少なくありません。

月額3千円からオンライン開設できるサービスは、小規模な店舗はとても助かります。Shopifyの売上高が順調に増加しているのは、需要が高いビジネスモデルだからです。

オンラインショップは、コロナ環境下でも大きな追い風となっています。

注目2:コロナでもオンライン店舗の売上は8.4%増加?

参考:「小売売上高」のYahoo検索結果

2020年の3-4月で、小売業の売上高は16.4%も下落しています。

コロナ環境下でも唯一売上高がプラスだったのは、都市封鎖中でも購入できるオンラインショップだけでした。これまで実店舗しかない企業も、コロナを契機にオンラインショップに移行する可能性は高いです。また、コロナ危機が去ったとしても、これからの時代はオンラインでの収益化も考える必要があります。

感染症だけではなく、自然災害でも実店舗が運営できないリスクがあるからです。

今回のコロナ危機で、Spopifyに追い風が吹いてるのは間違いないですね。では、ShopifyはEコマース市場では、どれくらいシェアを獲得しているのでしょうか?

注目3:Shopifyは小売業界で3番手の規模に成長?

参考:イチから分かる決算の読み方、Shopifyで見てみよう【ECビジネス編】

順調に売上を伸ばしているShopifyは、米国市場で3番手のEコマースです。

アマゾンが圧倒的だが、世界最大のネットオークションeBayの次ですね。また、表は2018年と古いデータだが、2019年にはShopifyがeBayを抜いて2番手に来ていますWalmartやAppleよりも市場シェアが大きい事も注目すべき点ですね。

市場シェアが2番手に位置しても、2桁成長を維持している事も評価できます

しかしながら、売上高が2桁成長でも赤字経営で、営業利益率は常に10%もマイナスです。順調に成長していても、なぜShopifyは赤字なのでしょうか?

注目4:テイクレートは競合他社で最も低い2.7%だけ?

競合他社のテイクレートは...
  1. Amazon:15%
  2. eBay:10%
  3. shopify:2.7%
  4. App Store:30%
  5. Yahooショッピング:4.1%
  6. ZOZO:38.4%
  7. メルカリ:9.5%
  8. 楽天:9.5%

ECプラットフォームの競争優位性を見るのに、テイクレートが重要な指標になります。

テイクレートとは、取扱高(プラットフォーム上で売買された総額)に対する売上高の割合です。テイクレートを割り出す事で、プラットフォームの強さが分かりますね。テイクレートが30%だと、プラットフォームの取り分が多く競争優位性が高い事を示しています

Shopifyのテイクレートは、2.7%(売上高4.7億ドル / 取扱高174億ドル)しかありません。対して、Eコマース最大手のアマゾンは15%、ブランド力が高いアップルストアは30%と高いですね。

売上高が右肩上がりで増えていても利益が出ないのは、プラットフォームがまだ弱いからです。

テイクレートが低い事象は、2通りの考え方ができますね。ひとつは、市場シェアを獲得するために、あえて低く抑えている事です。この場合は、Shopifyは戦力的に市場を拡大し、営業利益を高める余地がありますね。もうひとつは、Shopifyのビジネスモデルに課題があり、価格に転覆できない構造的な問題がある事です

Shopifyの価格設定を見ると、後者なのではないかと予想しています。

注目5:赤字を脱却できない理由は月額29ドルの利用料?

参考:Shopify(ショッピファイ)とは?機能やメリット、評判や使い方までを解説

Shopifyのベーシック版は、月額29ドルでオンラインショップを開設できます。ベーシック版以外にも、スタンダード版が79ドル、プレミアム版が299ドルがあります。ベーシック版は、Shopifyが採算を取れるギリギリの価格を設定しているかもしれないですね。

Shopifyが期待するよりも、ベーシック版以外の利用者が少ない可能性が高いです

なぜならば、オンラインショップを開設できない販売店は、資金力が乏しく小規模ほど多いからですまた、SEO対策が全てで競争が激しいネット販売は、少数の圧倒的な勝者と大多数の敗者で成り立つ世界です。オンラインショップを開設しても、売上高が伸びるとは限らないですね

コロナの影響で実店舗の利益が細くなれば、より安価なプラットフォームに販売店は流れます。この状況を案じてか、Shopifyはさらに安い月額9ドルの「ライトプラン」も追加しています販売店のオンラインショップを開設しても月額9ドルでは、赤字になるのは避けられないですよね。

アナリストの質問に対して、決算発表で経営陣が次のように答えています。

安いプランに切り替える動きは一部では見られているが、ショッピファイ上にとどまっているためユーザは他社に流れてはいない。一部のユーザは既にもとの高いプランに戻す動きもある」。ライトプランに移行する販売店が増えている事を示唆していますね。

売上高が大幅に増えても利益を出せない理由は、構造的な問題である可能性が高いです。

投資家はShopify株を購入するべきか?

Shopifyを購入すべきでない理由は...
  1. 売上高2桁成長だが、営業利益率は10%も赤字である
  2. テイクレートが2.7%と、他社と比較して競争優位性が低い
  3. 月額9〜29ドルの利用者が多く、価格に転覆できていない
  4. ECサイトは競争が激しく、個人店舗が売上げるのは難しい

ShopifyはEコマースが拡大する中で、2桁成長を続けるグロース株ですね。

しかしながら、個人的には短期でも長期でも保有したい銘柄ではありません。なぜならば、売上高は2桁成長を続けるが、営業利益率は10%と常に赤字だからです。プラットフォームの強さを示すテイクレートは2.7%と弱く、他社と比較して競合優位性が低い事を示しています

営業利益が黒字化しない理由は、資金力に乏しい小規模店舗が多い事が原因だと思います。

Shopifyはオンラインショップを開設しても、月額29ドルしか得られません。また、最近では月額9ドルのライトプランも登場しています。顧客単価を上げない限りは、販売店を増やしても利益を得るのは難しいですね。構造的な問題を抱えている事が、営業赤字から脱却できない理由かもしれません。

Shopifyに投資するならば、赤字経営から脱却する事とテイクレートの改善を見る必要がありますね。

まとめ:Shopify(SHOP)の四半期決算は?

Shopifyの注目ポイントは...
  1. 2桁成長で四半期毎の売上高は、4年で9倍に拡大した
  2. コロナ環境下でも、オンラインショップの売上高は唯一増えている
  3. 2019年に、Shopifyは米国で2番手のオンラインショップである
  4. テイクレートは2.7%と低く、プラットフォームとしては弱い
  5. 月額9〜29ドルの利用者も多く、赤字経営を脱却できない

Shopifyは、月額29ドルでオンラインショップの開設をサポートする企業です。

2019年にはeBayを抜き、米国のEコマース市場で2番手に付けるほど勢いがある会社ですね。売上高は2桁成長を続け、四半期毎の売上高は4年間で9倍にも拡大しています。オンラインショップはコロナ環境下でも唯一売上高が増え、需要はますます増加しています。

しかしながら、個人的には短期でも長期でも保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、売上高は2桁成長を続けるが、営業利益率は10%と常に赤字だからです。また、プラットフォームの強さを示すテイクレートは2.7%と低い事も不安材料です。ライバル企業であるアマゾンは15%、eBayは10%もありますね。

ビジネスが追い風でも赤字脱却できない理由は、ビジネス上の構造的な問題である可能性もあります

私たち投資家がShopifyに投資するならば、最低でも赤字経営からの脱却、それからテイクレートの改善を見る必要があります。現時点でShopifyに投資するのは、ギャンブルに近い行為かもしれません。

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