Livongo Helthの四半期決算|3桁成長でも黒字化できない?

コロナ後に株価が4倍に暴騰した事で、新興株であるLivongo Helthに注目する投資家が増えています。売上高は前年比で146%も拡大し、2〜3桁成長を維持しています。しかしながら、Livongoの決算書や現状を冷静に分析すると、まだまだリスクが高い投資である事が分かります

  • 「2桁成長で株価は4倍に高騰、今すぐに購入した方が良いのかな…」
  • 「テックヘルス分野は右肩上がり、今後も2桁成長が続くよね…」
  • 「大規模な資金調達に成功し、海外展開で株価が跳ね上がるかも…」

Livongoは、糖尿病患者向けにサービスを提供するテックヘルス企業です。従業員を抱える法人向けに、社員数当たりの月額サービスを導入しています。世界中で糖尿病患者が増え続け、医療費を削減したい政府の思惑もあり、時流に乗ったビジネスだと言えそうですね

しかしながら、Livongoは株は投機以外では購入すべきではない銘柄です。

なぜならば、コロナによる一時的な追い風だけで、株価が暴騰した可能性が高いからです。売上高は2桁成長を続けるが、営業利益はまだ1度も黒字化していません。営業利益率は−20%もあり、キャッシュフローの赤字幅は年々拡大する一方です。

また、資金調達を繰り返している点も大きな懸念材料です。

営業利益が0.23億ドルの赤字にも関わらず、2018年までに過去8回、総額2.48億ドルの資金調達を行っていますさらに、2020年6月には4.75億ドルの社債を発行しています。市場から資金調達した後の社債発行による借入は、今後の悪い兆候を暗示しているかもしれません。

設立して10年以上経つのに、糖尿病患者の0.9%しか利用者がいない点も不安を感じます

Livongoの投資判断したい人向け
  1. Livongo直近の4半期決算(2020年2〜4月)は?
  2. Livongoの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. Livongoは、今後も2〜3桁成長を続けられるのか?

Livongoの四半期決算は?

Livoingoの四半期の決算を紹介します。

第1Q決算(2021年5月6日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:6,882万ドル(前年同期比+146%
  2. 営業利益:−686万ドル(前年同期−1,622億ドル)
  3. 純利益:−557ドル(前年同期−1,437億ドル)
  4. 一株利益:−0.06ドル(前年同期−0.79ドル)

Livongoは、糖尿病患者向けにサービスを提供するテックヘルス企業です。クライアントは法人が多く、企業単位でシステムを導入していますね。従業員1人あたり月額平均費用は68ドルです。SaaS銘柄で多い定額制サービスを提供しています。

Livongoは毎年2桁成長を続け、売上高は146%増で6882万ドルでしたしかしながら、営業利益は686万ドルの赤字です。決算を公開している2017年以降、まだ1度も黒字化に成功していません。粗利益率は70%前後と高いが、営業利益率は−20%を上回ります。

第2Q決算(2020年8月)

2020年8月に公開予定。

では、Livongoの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

Livongoの10年間の損益計算書は?

Livongoはコロナ特需を受けて、2020年に暴騰した銘柄です。2020年3月に22ドルだった株価は、2020年7月には108ドルまで暴騰しています。4ヶ月の短期間で4倍に暴騰した事が分かりますね。

Livongoの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

2017年以降の決算書を見ると、売上高は順調に推移している事が分かります。2年間だけで株価は2倍に成長し、直近の四半期決算の売上高では3年間で13倍まで拡大しています。しかしながら、創業して以来ずっと赤字経営を続けています。

営業利益率は−23%前後で、赤字を脱却する兆候はまだありません。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)も安定しているとは言えません。また、一株あたりの純利益の赤字幅は、拡大傾向にある点も注意が必要ですね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

営業CFもフリーCF(営業CF−投資CF)も大幅な赤字である事が分かります。売上高は2桁成長を続けているが、会社から流出するキャッシュも年々拡大傾向にあります。ただし、2019年時点の自己資本比率は90%も安定しています。大規模な資金調達に成功し、キャッシュが豊富にあるからです。

2020年6月には、4.75億ドルの社債も発行しています。社債発行は負債に計上されるため、次回の自己資本比率は大幅に悪化する可能性が高いですね。

では、私たち投資家は、どのようにLivongoを評価すれば良いのでしょうか。

Livongoに投資する上で注目ポイントは?

Livongoに投資するか決める上では、何に注目して判断すれば良いのででしょうか?

注目1:四半期毎に売上が拡大し3年で13倍に増えた?

参考:米国株「リヴォンゴ・ヘルス」に注目! 

Livongoは、四半期毎に売上高を大きく増やしています。

2017年1Qに500万ドルだった売上高は、3年後には13倍の6,882万ドルまで拡大しています。さらには、2020年1Qは過去最大の伸び率でした。法人顧客数は1年間で1252人(76%増)増え、会員数も32万人で倍増しています。

2020年1Qに急増した理由は、コロナウイルス による影響が大きいですね。

自宅待機や在宅ワークなど、コロナで通院が難しくなると遠隔診療が追い風になりますね。Livongoのシステムを利用すれば、端末の血糖値などの数値を見て直接専属コーチがアドバイスしてくれます。

米国は人口の10.5%に当たる3420万人の糖尿病患者を抱えていますね。そのため、Livongoの知名度が高くなれば、今後も順調に会員数は増え続けると予測できます。

では、Livongoシステムを利用する事で、どのような恩恵があるのでしょうか?

注目2:月平均83ドルの医療費削減に貢献している?

参考:Welcome to Livongo for Diabetes(Youtube)

Livongoを導入する効果は...
  1. 毎日測定し血糖値に異常があると、コーチから連絡が来る
  2. 1年後のHbA1c値(血糖値の目安)は、平均で0.9%低下している
  3. 医療機関への通院回数が59%低下し、緊急外来の利用も19%低下
  4. 利用者の医療コストは、利用してない人より平均月83ドル安い
  5. 利用者は、年間で医療費を996ドル節約できる
  6. ただし、Livongoの月平均費用は68ドル発生する

Livongoが急成長している理由は、医療費の増加で国民の健康意識が高まっているからです。

糖尿病患者にかかる医療コストは、健康な人の医療コストの2.3倍に達すると言われています米国は日本と違い、公的医療保険制度に加入できるのは高齢者と低所得者だけです。そのため、国民の大多数は企業が提供する民間保険に入ります。Livongoの顧客も法人が中心ですね。

Livongoを利用する最大の目的は、国や企業、個人の医療費を削減する事ですよね。

大手データ管理会社アイアン・マウンテンが、Livoingoを導入した企業の社員を調査しました。その結果、社員の医療コストは、加入していない人よりも平均で月額83ドル安いと言います年間で996ドルの節約になるため、それなりには医療費削減には貢献していると言えますね(参考:医療コストを削減するリヴォンゴ・ヘルスとは?)。

ただし、雇用主がLivongoに支払う社員1人当たりの平均費用は月額68ドルです。この結果だけ見ると、企業が積極的に導入する動機としては、それほど高くはないとも取れます。

Livongoに投資する上で1番の注意点は、膨大な資金調達を繰り返している事です。

注目3:資金調達総額は5億ドル、社債発行で4.75億ドル?

Livongoの資金調達は...
  1. 2018年に、Micorosoftなど複数企業から1億500万ドルを調達した
  2. 2018年までに8回の資金調達、総額で2億4800万ドルを調達した
  3. 2019年に、5250万ドルの資金調達に成功した
  4. 2020年6月に、4.75億ドルの社債を発行した

Livongoは、年間の売上高が2億ドルしかない小さな企業です。

営業利益が0.23億ドルの赤字にも関わらず、2018年までに総額2億4800万ドルの資金調達をしていますさらに、2020年6月には4.75億ドルの社債を発行しています(参考:Livongo Announces Pricing of Upsized $475.0 Million)。

Livongoの資産総額は5.6億ドルなので、限度一杯まで借入れた事になりますね。

糖尿病と併合しやすい他の生活習慣病である高血圧症や鬱病にも、CEOはシステムの対象を広げると言います。また、海外進出のための資金調達とも言われています。

個人的には、この傾向はあまり好ましくないと思っています。

なぜならば、10数回の資金調達を繰り返した後に、社債発行による大規模な借入だからです。市場からの資金調達に失敗した結果、更なるリスクを負い借金に踏み切ったとも読み取れますね。糖尿病患者をターゲットにしたシステムでは、期待したよりも利益を上げられてない可能性もあります。

海外展開はリスクも高く、更なる資金繰りが必要になるかもしれません。

私たち投資家は、妥当性のある適切な資金調達なのか、それとも不相応な投資なのか見極める必要があります。内情が分からない部外者から見れば、不相応な投資にも見えなくはありません。

では、なぜLivongo株に強気な投資家が多いのでしょうか?

注目4:Livongoに強気な投資家の5つの意見とは?

Livongo株に強気な投資家は...
  1. Livongoの売上高は、2桁ペースで急成長している
  2. ヘルステック市場は年率28.5%で拡大、2026年に6.3億ドルになる
  3. 糖尿病患者数は上昇を続け、2030年には4000万人に達する
  4. 糖尿病患者に対する会員数は0.9%だけで、成長余地が大きい
  5. コロナの影響で高齢者の自宅待機が増え、自宅診療の需要が高まる

強気に評価する投資家は多いが、私自身はあまり楽観的には見ていません。

なぜならば、ヘルステック分野は競合他社が多いからです。日本市場だけ見ても、血糖値を測定する端末やアプリは何年も前からたくさんあります。Livongoだけの競合優位性を見つけるのは難しいですよね。海外展開は言葉の壁や医療制度が国ごとに大きく異なるため、SNSのように簡単に参入できる訳ではありません。

糖尿患者3000万人に対し会員数32万人、シェアが0.9%しかない点も懐疑的です

なぜならば、糖尿病患者は世界中で増えているが、その全てが潜在顧客ではないですよね。女性の生理周期を管理するアプリも、潜在顧客は40億人だが実際の利用者はごく僅かです。また、生理周期を管理するシステムやアプリの競合他社は何百とあります。

逆に言うと、2008年に設立にも関わらず、糖尿病患者の0.9%しか利用していないとも言えます

黒字化を達成する前に早々に海外展開を始める決断は、国内の潜在需要が期待値より低いのかもしれません。2桁成長を続けているにも関わらず、黒字化できない点にリスクを感じます。

投資家はLivongo株を購入するべきか?

Livongo株を購入すべきではない理由は...
  1. 2桁成長を続けているが、四半期決算はずっと赤字である
  2. 資金調達5億ドルに加え、2020年に4.75億ドルの社債借入をした
  3. 海外展開のための資金調達と言うが、国内事業はまだ成功していない
  4. 設立して10年以上経つが、糖尿病患者の0.9%しか利用してない
  5. ヘルステック分野は競合が多く、競合優位性を持つのが難しい

個人的には、Livongo株は購入したい銘柄ではありません。

なぜならば、コロナによる一時的な追い風だけで、株価が暴騰した可能性が高いからです。売上高は2桁成長を続けるが、営業利益はまだ1度も黒字化していません。過去に5億ドルも資金調達した後に、2020年6月の4.75億ドルの社債発行は悪い兆候かもしれないですね。

また、設立して10年以上経つのに、糖尿病患者の0.9%しか利用者がいない点も不安を感じます

成長著しいヘルステック分野は、今後も拡大し続けるのは間違いないですね。しかしながら、糖尿病や生活習慣病の管理システムで、Livongoが先頭を走れるとは限らないですね。世界中に競合他社は多く、現時点ではLivongoだけの競争優位性を見つけるのは難しいです。

Livongoの投資を検討するならば、まずは国内市場だけで黒字をしっかり確保する事が必要ですそれから、糖尿病患者の利用者だけでも、過半数以上のシェアを獲得する必要がありますね。Livongoが本当に優良企業であるならば、黒字化して経営が安定した後でも、十分に投資家に利益をもたらします。

「Livongoは2桁成長で赤字企業だから投資する価値がある」と言う人は、投機目的で投資しているだけですね。現時点でLivongo株に投資するのは、時期早々だと言えそうです。

まとめ:Livongo(LVGO)の四半期決算は?

Livongoの注目ポイントは...
  1. 四半期毎に売上高が拡大し、3年間で13倍に成長した
  2. 導入した企業の社員は、月平均83ドルの医療費削減できている
  3. 過去に8回資金調達を行い、総額で5億ドルの調達に成功
  4. 2020年6月に、4.75億ドルの社債発行している
  5. 糖尿病患者でLivongoの利用者は、米国で0.9%しかいない

Livongoは、糖尿病患者向けにサービスを提供するテックヘルス企業です。従業員を抱える法人向けに、社員数当たりの月額サービスを導入しています。世界中で糖尿病患者が増え続け、医療費を削減したい政府の思惑もあり、時流に乗ったビジネスだと言えそうですね

しかしながら、Livongoは株は投機以外では購入すべきではない銘柄です。

なぜならば、コロナによる一時的な追い風だけで、株価が暴騰した可能性が高いからです。売上高は2桁成長を続けるが、営業利益はまだ1度も黒字化していません。営業利益率は−20%もあり、キャッシュフローの赤字幅は年々拡大する一方です。

また、資金調達を繰り返している点も大きな懸念材料です。

営業利益が0.23億ドルの赤字にも関わらず、2018年までに過去8回、総額2.48億ドルの資金調達を行っていますさらに、2020年6月には4.75億ドルの社債を発行しています。市場から資金調達した後の社債発行による借入は、今後の悪い兆候を暗示しているかもしれません。

設立して10年以上経つのに、糖尿病患者の0.9%しか利用者がいない点も不安を感じます

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