DocuSingの四半期決算|2桁成長でも黒字化できない理由は?

コロナ特需を受けて、クラウド関連のSaaS企業が大きく買われていますね。DocuSingも売上高の2桁成長を続け、過去4ヶ月で株価も2倍に暴騰しています。しかしながら、DocuSingを冷静に分析すると、購入してはいけない銘柄だと分かりますね。では、なぜ私たち投資家は避けた方が良いのでしょうか?

  • 「2桁成長で株価は2倍に高騰、購入した方が良いはずだ…」
  • 「リモートワークが増えると、電子署名は追い風になる…」
  • 「世界シェア1位のDocuSingは、株価が暴騰するかもしれない…」

DocuSingは世界188カ国で顧客数66万人が利用する、電子署名サービスの会社です。

電子書籍はリモートワーク環境に強く、2020年1Qだけでも新規顧客を43%も増やしました。また、売上高は39%増と、2016年の決算公開以来2桁成長を維持しています。

しかしながら、冷静に分析するとDocuSingに投資すべきでない事が分かります。

なぜならば、売上高成長率や新規顧客数が2桁成長でも、営業利益率は−20%と大幅な赤字だからです。設立して20年近く経つが、まだ1度も黒字化に成功していません。成長を続けても黒字化できない理由は、新規参入が容易で競合他社が多過ぎるからですね

市場で首位を獲得しても利益を出せないならば、旨味があるビジネスとは言えないですね。市場シェアを維持するためにも、高いコストが掛かる事を示しています。DocuSingはコロナ特需を受けて、他の銘柄につられて株価が上昇している可能性が高いですね

私たち投資家は、2桁成長でも利益が出せない理由を冷静に判断する必要があります。

DocuSingの投資判断したい人向け
  1. DocuSing直近の4半期決算(2020年2〜4月)は?
  2. DocuSingの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 売上高が2桁成長でも、黒字化できない理由は?

DocuSing(ドキュサイン)の四半期決算は?

DocuSingの四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年6月4日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:2.97億ドル(前年同期比+39%
  2.  Subscription:2.80億ドル(+39%
  3.  Professional services and other:0.16億ドル(+28%
  4. 営業利益:−0.41億ドル(前年同期−0.42億ドル)
  5. 純利益:−0.47億ドル(前年同期−0.45億ドル)
  6. 一株利益:−0.26ドル(前年同期−0.27ドル)

DocuSingは世界188カ国で顧客数66万人が利用する、電子署名サービスの会社です。

2020年2-4月期の決算は、前年比+39%で2.97億ドルでした。しかしながら、営業利益は−0.41億ドルと赤字で着地しています。DocuSingは毎年売上高で2桁成長を続けるが、営業利益はずっと赤字の会社です

設立以来、5億ドル以上の資金調達に成功しています。また、最近でも2018年に持株の4倍以上の新株を発行しています。2桁成長の売上高とは裏腹に、利益を出せる体質にはまだまだ遠いです。売上高は2桁成長でも、なぜ利益を出せないかに着目する必要がありますね

第2Q決算(2020年9月)

2020年9月に公開予定。

では、DocuSingの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

DocuSingの10年間の損益計算書は?

DocuSingはコロナ特需を受けて、2020年に暴騰した銘柄です。2020年3月に80ドルだった株価は、2020年7月には196ドルまで暴騰しています。4ヶ月の短期間で2.5倍に暴騰した事が分かりますね。

DocuSingの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

DocuSingが決算書を公開しているのは2016年以降です。

売上高は4年間で4倍、2.5億ドルから9.7億ドルまで拡大しています。しかしながら、営業利益と純利益は共にマイナスですね。営業利益率は2019年に大幅に悪化し−60%、直近の四半期決算では−20%と低い水準です。赤字幅の波が大きく、今後も黒字化できる見込みはないように見えますね。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

BPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)も安定しているとは言えません。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

2018年以降は、営業CFが黒字化しフリーCF(営業CF−投資CF)もプラスです。しかしながら、2018年以降も損益決算の営業利益が黒字化した訳ではないですね。DocuSingは新株発行による資金調達で、手元キャッシュを増やしたからです。

新株発行は、株主から見たらネガティブなニュースですね。自己資本比率も28%と下がっている点にも注意が必要です。では、私たち投資家は、どのようにDocuSingを評価したら良いのでしょうか?

DocuSingに投資する上で注目ポイントは?

DocuSingに投資する上では、何に注目して判断すれば良いのでしょうか?

注目1:電子契約サービス市場は5年で5倍に拡大する?

参考:電子契約サービス市場規模推移および予測(2016~2022年度予測)

電子契約サービスの市場は、年率40%前後で拡大しています。

国内電子契約の2017年度の売上金額は21.5億円でした。2022年には117億円に拡大すると予測しています。電子契約に移行する事で、契約書の作成、印刷、押印、郵送の手間を省けますね。ネット経由で電子契約する事で、業務効率化とコスト削減が見込めます。

コロナ環境下のリモートワークの増加は、電子契約業界にとっては大きな追い風になります。

ハンコ文化がある日本市場でも、電子契約は増加傾向にあります。サイン文化の欧米諸国の方が電子契約の浸透率は高いですね。では、成長する電子契約サービス市場で、DocuSingはどれくらい売上を上げているのでしょうか

注目2:前年同期比の売上高成長率は39%もある?

参考:DocuSign(DOCU)FY21 Q1決算レポート 

四半期毎の売上高を見ると、DocuSingは2桁成長を続けています。

2019年度の売上高は9.7億ドル、4年間で4倍近く拡大しました。また、DocuSingの顧客数は世界で66万人、2020年1Qだけでも6.8万人の新規顧客で前年比43%の増加でした。新規顧客数の増加は、リモートワークの増加が追い風になっていますね。

粗利益率は75%と高い上に、売上成長率も前年同期比も39%高水準ですね。

ただし、顧客数は増え続けていても、売上成長率は若干の減少傾向にあります。また、売上高や成長率では好調に見えるDocuSingだが、決算書の営業利益は常に赤字です。新規顧客数は増加し、かつ粗利益率も高いサブスクリプション型のビジネスなのに、なぜ赤字経営を脱却できないのでしょうか

注目3:利益を出せない理由は競合他社が多すぎるから?

参考:「リーガルテックカオスマップ 2020」

利用者が増え続けているのに、利益がでない理由は競合他社が多いからです。

日本市場だけで見ても、たくさんのスタートアップ企業が参入しています。リーガルテックカオスマップを見ると、法律関連の電子署名や契約書で20社以上の企業が競合していますね電子契約サービスの市場が拡大しても、それ以上に競合他社が多い事が分かります。

DocuSingは2003年に設立した、世界トップの電子契約サービス会社です。しかしながら、日本市場ではクラウドサインが80%のシェアを確保しています(参考:電子契約シェア80%のクラウドサインは本当か? )。また、米国でもAdobeなどの大手企業が電子契約に参入してる事も不安材料です

つまりは、DocuSingの経済的な堀は高くないという事です。

競合他社との競争に打ち勝つには、先行投資や営業などお金が必要になります参入障壁は高くはないため、利益を確保するのが難しいですね。実際に、DocuSingは設立して20年近く経つが、まだ一度も黒字化に成功していません。私たち投資家は、この事実を冷静に受け止める必要がありますね。

市場首位でも稼げないならば、ビジネスとしては旨味がないという事です。

投資家はDocuSing株を購入するべきか?

DocuSingを購入すべきでない理由は...
  1. 売上高が2桁成長だが、営業利益率は−20%と高い
  2. 設立して20年以上経つが、まだ1度も黒字化していない
  3. 電子契約や署名は競合他社が多く、儲からないビジネスである

DocuSing株は、長期的にも短期的にも保有するべきではありません。

なぜならば、売上高成長率や新規顧客数が2桁成長でも、営業利益率は−20%と大幅な赤字だからです。設立して20年近く経つが、まだ1度も黒字化に成功していません。成長を続けても黒字化できない理由は、新規参入が容易で競合他社が多過ぎるからですね

市場で首位を獲得しても利益を出せないならば、旨味があるビジネスとは言えません。

市場で1位を確保するために、膨大な維持費が掛かる事を示していますそのため、電子契約サービス市場は拡大を続けるが、今後も利益が出る可能性は低そうですね。リモートワークで成長が加速しても、その傾向は変わらない可能性が高いです。

まとめ:DocuSing(DOCU)の四半期決算は?

DocuSingの注目ポイントは...
  1. 電子契約サービス市場は、5年間で5倍も拡大している
  2. DocuSingの売上高成長率は、39%と2桁成長を維持してる
  3. DocuSingの新規顧客数は、1Qだけで前年比43%も増加した
  4. 黒字化できない理由は、競合他社が多過ぎるから
  5. 電子契約や署名サービスは、参入障壁が低い

DocuSingは世界188カ国で顧客数66万人が利用する、電子署名サービスの会社です。

電子書籍はリモートワーク環境に強く、2020年1Qだけでも新規顧客を43%も増やしました。また、売上高は39%増と、2016年の決算公開以来2桁成長を維持しています。

しかしながら、冷静に分析するとDocuSingに投資すべきでない事が分かります。

なぜならば、売上高成長率や新規顧客数が2桁成長でも、営業利益率は−20%と大幅な赤字だからです。設立して20年近く経つが、まだ1度も黒字化に成功していません。成長を続けても黒字化できない理由は、新規参入が容易で競合他社が多過ぎるからですね

市場で首位を獲得しても利益を出せないならば、旨味があるビジネスとは言えないですね。市場シェアを維持するためにも、高いコストが掛かる事を示しています。DocuSingはコロナ特需を受けて、他の銘柄につられて株価が上昇している可能性が高いですね

私たち投資家は、2桁成長でも利益が出せない理由を冷静に判断する必要があります。

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