Fastlyの四半期決算|株価4倍でも購入してはいけない理由は?

コロナ後に株価が4倍に高騰した事で、新興株であるFastlyに注目する個人投資家は多いです。しかしながら、冷静にFastlyの決算書や現状を分析すると、投機目的以外で購入してはいけない銘柄だと分かりますねでは、なぜ私たち投資家は避けた方が良いのでしょうか?

  • 「2桁成長で株価は4倍に高騰、購入した方が良いはずだ…」
  • 「エッジクラウドの需要が高く、高い技術力がある新興企業だ…」
  • 「将来的に第2、第3のアマゾン株になる可能性がある…」

投機目的以外では、Fastlyは絶対に購入してはいけない銘柄です

Fastlyは2011年に創業した、コンテンツ配信サービス(CDN)のIT系の新興企業です。クラウド化でネット通信の負荷が増大する中で、高速にコンテンツを配信できる技術が注目されていますね。顧客には、ニューヨークタイムズやSpotify、AirBnbなどの大手企業が利用しています。

購入するべきでない理由は、過剰な期待感だけで株価が暴騰しているからです。5月7日に売上高を12%上方修正しただけで、株価は4倍に増えてしまいましたね。

冷静に現状を見ると、CDN事業者の顧客数ではFastlyは5番手、トップ企業の4%未満の水準しかありません。また、売上高は2桁成長しているが営業利益率は−25前後で、1度も黒字化に成功した事はありません。低金利時代では生きられても、金利が高い時代では借金の負担が重く生き残れない会社です。

また、技術的な優位性も高いとは言えず、経済的な堀は何も見つかりません。

つまりは、将来の期待感だけで暴騰している銘柄だと言えますね。Fastlyの投資を検討するならば、最低でもCDN市場で2番手以内、黒字化転換を待つ必要がありますそうすると新興株に投資する旨味がないと言う人は、投機やギャンブル目的で投資しているだけですね。

Fastlyが本当に優良企業ならば、市場シェア1位を獲得した後でも十分な利益をもたらします。

Fastlyの投資判断したい人向け
  1. Fastly直近の4半期決算(2020年1〜3月)は?
  2. Fastlyの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. コロナ環境下で、Fastly株が4倍に暴騰した理由は?

Fastlyの四半期決算は?

Fastlyの四半期の決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:6,292万ドル(前四半期比+6%
  2. 営業利益:−1,198万ドル(前四半期−1376万ドル)
  3. 純利益:−1,198万ドル(前四半期−1407万ドル)
  4. 一株利益:−0.13ドル(前四半期−0.15)

第2Q決算(2020年6月30日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:7,466万ドル(前四半期比+61%
  2. 営業利益:−1,443万ドル(前四半期−1168万ドル)
  3. 純利益:−1,446万ドル(前四半期−1558万ドル)
  4. 一株利益:−0.14ドル(前四半期−0.26ドル)

第3Q決算(2020年9月30日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:7,063万ドル(前四半期比+41%
  2. 営業利益:−2,345万ドル(前四半期−1275万ドル)
  3. 純利益:−2,377万ドル(前四半期−1216万ドル)
  4. 一株利益:−0.22ドル(前四半期−0.13ドル)

Fastlyは2011年に創業した、コンテンツ配信サービス(CDN)の新興企業です。

2017年に上場して以来、売上高で2桁成長を続ける企業です。売上高は前四半期で41%も増加しています。しかしながら、IT系の新興企業に多いが、営業利益はまだ1度も黒字化していませんただ、前四半期と比較すると、赤字幅は縮小傾向にあります。

Fastlyは2019年にIPOを申請し、2億1900万ドルの調達調達に成功しています。CDN市場では技術的な優位性があると言われているが、黒字に転換し成長し続けられるかは不確実性が高いと言えますね。

第4Q決算(2021年1月)

2020年1月に公開予定。

では、Fastlyの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

Fastlyの10年間の損益計算書は?

Faslyはコロナ特需で受けて、2020年に暴騰した銘柄です。2020年3月に20ドルだった株価は、2020年7月には94ドルまで暴騰しています。4ヶ月の短期間で4倍以上に暴騰した事が分かりますね。

Fastlyの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

2017年以降の売上高を見ると、2桁成長している事が分かりますね。しかしながら、営業利益と純利益は1度も黒字化した事はありません。これは、IT系の新興企業によく見られる事象ですね。営業利益率も−23%と低い水準を維持し続けています。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)も安定しているとは言えません。新興株から脱却してグロース 株になるには、BPSとEPSを改善できるかも重要ですね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

本業のお金の流れを表す営業CFが赤字なので、フリーCF(営業CF−投資CF)もマイナスですね。フリーCFの赤字幅は拡大している点には注意が必要ですね。

ただし、Fastlyは倒産の危機にある訳ではありません。2017年に2億1900万ドルの資金調達に成功、その9ヶ月前にも4000万ドル調達していますそのため、自己資本は2.5億ドルと高く、自己資本比率は80%もあります。もちろん、営業赤字が続き資本調達に失敗すると、倒産する確率は高くなる点に注意は必要です。

では、私たち投資家は、どのようにFastlyを評価すれば良いのでしょうか。

Fastlyに投資する上で注目ポイントは?

Fastlyに投資するか決める上では、何に注目して判断すれば良いのでしょうか?

注目1:売上成長率は年間38%で成長している?

参考:CDNの新興企業 fastly【FSLY】の銘柄分析

Fastlyの売上高は、年間35〜40%で拡大している急成長企業です

Fastlyの収益源は、CDN(Contents Delivery Network)技術をIT企業に提供する事で収益を上げている会社です。CDNとは、同一コンテンツを多くのユーザーに効率良く配分するための仕組みです。例えば、動画や画像などのコンテンツのコピーを、ユーザに近いサーバに配置する事でアクセス速度を改善できます。

私たちが2回目に同じページを素早く開けるのは、CDNの技術を利用しているからですね。

Fastlyが注目されている理由は、競合他社(AWS CloudFront、Akamai)にはない技術が評価されているからです例えば、Fastlyは開発者によるカスタマイズの余地が大きい、サーバに配置したコンテンツのコピーを素早く切り替えられリアルタイムに優れているなどです。

Faslyの顧客には、Google、Spotify、AirBnb、GitHubなど、大手IT企業も利用しています。では、現時点でFasltyにはどれくらいの市場優位性があるのでしょうか

注目2:CDNビジネスで5番手でトップ企業の4%しかない?

参考:Top Content Delivery Networks (CDN) In 2019

CDN事業者の顧客数を見ると、Fastlyは5番手でCluodflareの30分の1だけです。

CDNシェアを見ると、私たち投資家は過度にFasltyに期待するべきでない事が分かります。コロナ特需で2020年4月に20ドルだった株価は、2020年7月に4倍に急騰していますね。しかしながら、赤字企業であるFasltyが評価されるべき合理的な理由は現時点ではありません

CDN市場は2022年に67.2億ドル、年率35.4%で成長する分野です。しかしながら、CDN市場の未来に投資するならば、シェアが高いCloudflareやAWSに投資するべきですね

技術力でFasltyが優勢だとしても、他社が追いつくのは時間の問題です。なぜならば、カスタマイズ性やキャッシュ高速化も、技術的なハードルは決して高くはないからです

では、なぜ赤字を脱していないFastlyが、短期間で株価が4倍に高騰したのでしょうか高騰した理由は、将来のエッジクラウドプラットフォーム技術で期待されているからです。

注目3:短期間で株価が4倍に急騰した理由は?

参考:クラウドからエッジ?注目されるエッジコンピューティングとは?

Fastlyの株価が、短期間で4倍に高騰した理由は2つあります。

売上高の上方修正と、エッジクラウドプラットフォームの期待感です。最大の理由は、2020年5月7日に需要増による上方修正を行ったからです。売上高は2.5億ドルから2.8億ドル、営業利益が−0.43億ドルから−0.2億ドルです。営業利益が半分に圧縮されるのは大きいですね。

その後に株価は、わずか2ヶ月で4倍に高騰していますもうひとつの理由は、これから需要が伸びるエッジクラウドに期待されているからです。

これまでのクラウドの流れは、mailやdorpboxのように全てクラウド上で動かす事が主流でした。しかしながら、人工知能の普及で処理負荷が重くなると、クラウドだけでは対応しきれない課題に直面します。例えば、自動運転技術ではリアルタイム性が求められるが、ネット負荷が高いクラウドでは処理できません。

そのため、エッジクラウドプラットフォームという技術が注目されています。

負荷が高い処理をエッジサーバが行う事で、クラウドの処理を軽減し高速化できますね。Fastlyが期待されているのは、エッジクラウドプラットフォームという仕組みです(参考:Fastly、可観測性機能をCompute@Edgeサーバーレスコンピューティング環境にも拡張)。

もちろん、CDNと同様に私たち投資家は過度に期待するべきではないですね。エッジクラウドに研究開発しているのは、Faslty社だけではありません。普通に考えたら、CDNの顧客数が2番目に多く、クラウド事業者であるアマゾンAWSに優位性がありますね

Fastlyの株価が暴騰した理由は、値動き激しい小型株が将来性と上方修正だけで動いたと言えます。つまりは、現時点でFastlyに投資するのは、ただの投機でしかありません。

注目4:2桁成長だが営業赤字は20%以上もある?

参考:CDNの新興企業 fastly【FSLY】の銘柄分析

2011年に設立して以来、Fastlyは赤字決算を出し続けています。

直近の四半期決算を見ても、赤字を脱却する見込みは当分先だと言えそうです。創業して以来、20%前後の営業赤字が続いている点を過小評価するべきではありません。次回の四半期決算(2020 年7月)を上方修正しているが、それでも黒字になる見通しはありません。

以上を踏まえた上で、私たち投資家は冷静に判断する必要がありますね。

投資家はFastly株を購入するべきか?

Fastlyを購入すべきでない理由は...
  1. 2桁成長を続けているが、四半期決算はずっと赤字である
  2. CDN事業者の顧客数は5番目、トップの30分の1しかない
  3. エッジクラウドが期待されてるが、事業の実態はまだない
  4. 技術力が優れていても、近い将来に追随される可能性が高い
  5. CDNとクラウドでトップ企業である、アマゾンの方が遥かに優勢が高い

個人的には、Fastly株は絶対に購入すべきではない銘柄だと思っています。

なぜならば、過剰な期待感だけで株価が暴騰している銘柄だからです技術力で高い評価を受けているFastlyだが、CDN事業者の中では5番手です。売上高成長率は30%後半で推移しているが、創業以来、営業利益が黒字に転じたことはありません。技術的な優位性は高いとは言えず、経済的な堀は何も見つかりません。

他のCDN銘柄と同様に、市場拡大の恩恵を受けているだけだと言えますね。低金利時代では生きられても、金利が高い時代では借金の負担が大きく存続は難しいです

Fastlyの投資を検討するならば、最低でもCDN市場で2番手以内に入る必要がありますね。また、赤字経営を脱却し、継続的に黒字を見込む必要があります。Fastlyが本当に優良企業であれば、リスクが全て消えた後でも十分に投資家は得られます

そう言うと、「株価が暴騰した後に投資しても手遅れだ」「黒字化した後だと、新興株に投資する旨味がない」「PERが100倍以上、経営が赤字でも売上高が成長していれば十分だ」「第二のアマゾンになる可能性がある」という声が聞こえてきそうですよね。

私たち投資家は、投機か投資なのか目的をはっきりする必要があります。

Fastlyのような新興銘柄とアマゾンを安易に比較するべきではないですね。アマゾンは堅実な事業で稼いだ利益から、財政的に健全な状態で投資を行っています先行投資が膨大でも、取り返しがつかない致命的な失敗を避けるリスク回避もしています。だからこそ、PERが100倍を超えていても、将来の成長に裏付けがあると言えます

Fastlyが黒字化しない限りは、株式の資金発行や社債発行で資金調達するしかありません。

つまりは、株主の利益を食い潰して事業に投資しているという事です将来の期待値だけで投資するのは、ただのギャンブルと変わらないですね。第2、第3のアマゾン株の発掘に労力を使うよりも、アマゾン株に投資した方が利益を得られることは、過去のチャートがそれを証明しています。

まとめ:Fastly(FSLY)の四半期決算は?

Fastlyの注目ポイントは...
  1. 売上高成長率は、年間35〜40%前後で推移している
  2. 2桁成長だが、営業利益率は−20%前後で推移している
  3. CDNビジネスで5番手、トップ企業の4%の顧客数しかいない
  4. 売上高12%の上方修正で、株価は2ヶ月で4倍に高騰した
  5. 商用スタートしてないが、エッジクラウドで期待されている
  6. 技術的には競合他社より有利だが、優位性はまだない

投機目的以外では、Fastlyは絶対に購入してはいけない銘柄です

Fastlyは2011年に創業した、コンテンツ配信サービス(CDN)のIT系の新興企業です。クラウド化でネット通信の負荷が増大する中で、高速にコンテンツを配信できる技術が注目されていますね。顧客には、ニューヨークタイムズやSpotify、AirBnbなどの大手企業が利用しています。

購入するべきでない理由は、過剰な期待感だけで株価が暴騰しているからです。5月7日に売上高を12%上方修正しただけで、株価は4倍に増えてしまいましたね。

冷静に現状を見ると、CDN事業者の顧客数ではFastlyは5番手、トップ企業の4%未満の水準しかありません。また、売上高は2桁成長しているが営業利益率は−25前後で、1度も黒字化に成功した事はありません。低金利時代では生きられても、金利が高い時代では借金の負担が重く生き残れない会社です。

また、技術的な優位性も高いとは言えず、経済的な堀は何も見つかりません。

つまりは、将来の期待感だけで暴騰している銘柄だと言えますね。Fastlyの投資を検討するならば、最低でもCDN市場で2番手以内、黒字化転換を待つ必要がありますそうすると新興株に投資する旨味がないと言う人は、投機やギャンブル目的で投資しているだけですね。

Fastlyが本当に優良企業ならば、市場シェア1位を獲得した後でも十分な利益をもたらします。

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