エヌビディアNVIDIAの四半期決算|クラウド+AIで大幅な増収増益?

NVIDIA(エヌビディア)は、ゲーム機用にGPU(グラフィックチップ)を開発する半導体メーカーです。しかしながら、近年はAIの機械学習でGPUが導入された事で注目を集めています。10年で株価は51倍まで拡大しましたね。PER75倍を超えているが、私たち投資家は購入するべきなのでしょうか?

  • 「株価は50倍でPERは75倍、割高すぎて買えない…」
  • 「クラウドやAI向けのGPU開発で、どこまで成長するのか…」
  • 競争が激しい半導体メーカーに、投資しても大丈夫なのか…」

NVIDIA株は、長期で保有したい銘柄のひとつです。

NVIDIAの最大の特徴は、最新技術であるクラウド、人工知能、自動運転に投資できる事です。クラウド事業者の人工知能を搭載するサーバ向けにGPUを販売しています。また、AIを搭載する自動運転車のGPUも開発しています。自動運転の大量生産が進めば、売上高を押上げする可能性がありますね。

2020年1Qは売上高で20%増、営業利益で173%増と好調でした。

ただし、PER75倍を超えている現状は、割高に評価されている可能性も十分にありますまず、メディアで過大に取り上げられているNVIDIAは、インテルの7分の1の規模しかないです。GPUの技術開発では先行利益を得られても、2〜3年後には技術的な差を埋める可能性もあります。

半導体企業は性能と単価が重要視されるため、最終的に価格競争に陥りやすい分野でもあります。そうなると、市場規模や開発規模で圧倒しているインテルに利があります。

NVIDIAの投資判断したい人向け
  1. NVIDIA直近の4半期決算(2020年2〜4月)は?
  2. NVIDIAの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. クラウド+人工知能で、売上高はどこまで拡大する?

NVIDIAの四半期決算は?

NVIDIAの四半期の決算を紹介します。

第1Q決算(2020年5月21日)

第1Qの決算内容は...
  1. 売上高:30.8億ドル(前年比+39%
  2.  Gaming:13.4億ドル(+27%
  3.  Data Center:11.4億ドル(+80%
  4.  Professional Visualization:3.0億ドル(+15%
  5.  Automotive:1.5億ドル(−7%)
  6.  OEM & Other:1.3億ドル(+30%
  7. 営業利益:9.76億ドル(+173%
  8. 純利益:9.17億ドル(+133%
  9. 一株利益:1.47ドル(+130%

ゲーム用のGPUを製造するNVIDIAは、大幅な増収増益で着地しましたね。前年比で売上高は39%増加、営業利益は173%でした。事業別の売上高は、データセンター部門が前年比よりも80%も高いです。

NVIDIAが好調な理由は、クラウド事業者向けにGPUを供給しているからです。

NVIDIAはゲーム機用のGPU(グラフィックチップ)開発で、1993年に設立した半導体メーカーです。NVIDIAの高性能GPUが、AIなどの機械学習で使われています。なぜならば、ディープラーニングなどの画像処理技術は、計算速度が早いCPUよりも、並列化処理できるGPUの方が適しているからです。

そのため、クラウド市場の拡大と、人工知能がGPUの需要を押し上げています

データセンタ部門の売上高が右肩上がりで増加し、4年間で7倍も拡大しています。クラウド市場は2桁成長しているため、NVIDIAの売上高も成長する可能性が高いですねまた、都市封鎖や在宅ワークの影響で、クラウドビジネスが加速している事も追い風ですね。

第2Q決算(2020年8月)

2020年8月に公開予定。

では、NVIDIAの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

NVIDIAの10年間の損益計算書は?

2008年に8ドルだったNVIDIAの株価は、2020年には51倍の408ドルにしか増えていません。NVIDIAに100万円を投資していたら、5100万円に増えていましたね。では、過去10年間にどのように成長してきたのでしょうか?

NVIDIAの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

NVIDIAが急成長し始めたのは、2016年移行です。売上高が拡大するのと同時に、営業利益や純利益りも押し上げられていますね。15%前後で推移していた営業利益率も、倍の30%まで上昇しています。しかしながら、NVIDIAは急激な成長の後に一時的に減衰しています。

2019年度では、仮想通貨マイニング向けの半導体と、ゲーミング部門の販売不振で売上高が落ちましたしかしながら、その後はデータセンタ部門の好調で持ち直しています。

クラウド企業向けのGPU販売が、今後も業績を底上げする可能性が高いです。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

2016年以前は、BPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は低成長でした。2017年以降は順調に拡大傾向にあります。2020年で一時的に低迷しても、翌年以降は再び成長軌道に乗りそうですね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

NVIDIAのフリーCF(営業CF−投資CF)は、かなり安定していると言えます。

半導体ビジネスは、技術開発や技術投資が大きい分野ですね。しかしながら、NVIDIAの投資CFは決して大きくはありません。ライバル企業のインテルの30分の1しかなく好感できますね。投資CFが少ないにも関わらず、GPUの需要が増した事で売上を伸ばしている事が分かりますね

では、私たち投資家は、どのような点に注目して投資判断すれば良いのでしょうか?

NVIDIAに投資する上で注目ポイントは?

NVIDIAに投資する上で、注目すべき点を紹介します。

注目1:ゲームとデータセンター部門が売上高8割?

部門 事業内容 売上高 前年比
Gaming ゲーム機向けのGPUテグラの開発と販売。2020年4月から、月額制のクラウドゲームのサービス開始 13.4億ドル +27%
Data Center 大規模データセンターを運営するクラウド事業社にGPU(半導体)を販売 11.4億ドル +80%
Professional Visualization ゲーム機や機械学習向けのビジュアライズ専用の半導体を販売 3.0億ドル +15%
Automotive 自動運転社向けにGPUを販売 1.5億ドル −7%
OEM & Other その他 1.3億ドル +30%

ゲーミング部門とデータセンター部門が、NVIDIAの売上高の8割を占めています。

今四半期の売上高は、大半の事業が前年度を大きく上回る好決算でしたね。最も好調だったのは、クラウド事業社の向けにGPUを製造しているデータセンター部門ですね唯一前年割れしたのは、自動運転車のAI向けに開発しているGPU販売でした。

今後のNVIDIAの売上高や株価を予想するには、主要2部門の動向を見る必要がありますでは、ゲーム部門とデータセンター部門は、今後も成長し続けられるのでしょうか?

注目2:データセンター部門は4年で7倍に成長した?

ゲーミング部門とデータセンター部門の4年間の推移です。

ゲーミング部門が横ばいなのに対し、データセンター部門は右肩上がりに拡大しています。2016年1Qに1.43億ドルしかない売上高は、2020年1Qには7倍の11.4億ドルまで成長していますね

データセンターでGPUの需要が伸びている理由は、AIなどの機械学習に対応するクラウドコンピュータが増えているからですディープラーニングなどの画像処理技術は、単純な計算速度に適したCPUよりも並列化処理できるGPUの方が適しています。

NVIDIAのGPU半導体は、高性能だと市場で高い評価を得ていますね。

クラウド市場は2桁成長が今後も続くため、NVIDIAのGPUの売上高も加速度的に増える可能性が高いです2021年には、ゲーミング部門の売上高を超え、データセンター向けが主要部門になる可能性もあります。では、NVIDIAのゲーミング部門は、今後は衰退していくのでしょうか?

実は、サブスクリプション型の月額サービスを導入し、成功する可能性を秘めています。

注目3:ゲーミング部門は定額制のサブスクリプションへ?

GeForce Nowの特徴は...
  1. 月1800円の定額制で、好きなゲームをいつでも楽しめる
  2. 特定端末に依存せず、ノートパソコン、スマホ、タブレットで動作する
  3. クラウド上で高負荷の描画処理も動作し、データもクラウドに保存する
  4. 高性能、高負荷のゲームが、Wifi環境でも快適に動作する

NVIDIAは2020年4月に、月額制のクラウドゲームのサービスを開始しました。日本では、ソフトバンクと提携し、2020年7月末からサービスを開始しますね。

GeForce Nowの特徴は、月額制でデバイスに依存せず高負荷のゲームを楽しめる事です。GPUが内蔵していれば、スマホやタブレット端末でも快適に動作します。また、高負荷の描画処理をクラウド上で動かす事で、負荷が高いゲームでも快適に動きます。

実際に、GeForce Nowを利用した人からの評価も高いですね(参考:予想以上にスゴかったGeForce NOWでPCゲーム環境に革命、MacBookで「SEKIRO」をプレイ!

NVIDIAは、ゲーム用にGPUを製造する半導体メーカーでした。

しかしながら、ゲーム事業は流行や景気の影響を受けやすく、ゲーム会社次第で売上高が大きく変動するのが難点です。実際に、ゲーミング部門の売上高推移を見ても、好不調の波が大きいです。月額制のクラウドゲームが成功すれば、ゲーム事業の売上高が安定する可能性が高いです。

高価なハードウェア機を必要としないため、10〜20代や途上国で利用者が増えるかもしれません。

NVIDIAは、クラウド事業者にAI向けのGPU、自動運転向けのGPUを開発しています。そのため、今後も最も成長余力が高い企業だと言えますね。しかしながら、事業が拡大する過程で、売上高で世界1位のインテルと競合する事になります

注目4:クラウド+AI、自動運転でインテルと競合する?

NVIDIAは、ゲーム用にGPUを製造する半導体メーカーでした。対して、インテルはPC向けにCPUを開発するメーカーでしたね。そのため、両社には競合関係はなかったですね。しかしながら、現在はクラウド事業者向けのデータセンター部門、自動運転向けの半導体開発で競合しています

インテルの対抗馬として、NVIDIAとAMD(PC向けCPU製造)が良く挙げられます。しかしながら、会社規模で言えば、インテルがこの2社を圧倒している現実があります

現状では、GPU開発に強いNVIDIAの方が技術的に有利なポジションにいます。しかしながら、2〜3年後には最大手であるインテルが、技術的な差を埋めている可能性も否定できません実際に、インテルもすでにGPU開発に着手しています。

GPUの主戦場は、クラウドではなくAIをフル活用する自動運転です。この分野は研究段階なので、大量生産するにはあと数年待つ必要があります。どちらも規模が小さく、優劣を決めるのはまだまだ先の話です

急成長しているGPU市場には、インテルだけではなくAMDやGoogleも参入しています。

以上を踏まえた上で、投資家は判断した方が良いですね。売上高や市場シェアを見ると、PER75倍のNVIDIAは過剰に評価されていると言えるかもしれません。インテルの優位性が変わらなければ、インテルのPER11倍はあまりにも過小評価されているとも言えます

どちらかに一方に大きく掛けるのではなく、両社に投資した方が安全ですね。

注目5:売上高の8割を中国や台湾に依存している?

参考:米中摩擦による低迷から復調!株価1年でまた倍増となった「NVIDIA」4Q決算

NVIDIAの売上高は、アジアに偏っている事に注意が必要です。

2020年4Qの決算を見ると、台湾や中国などのアジアで売上高の8割を占めます。以外にも、米国や欧州の売上高は多くはありません。そのため、米中貿易摩擦のリスクも少なからずありますただし、データセンター部門の売上高が増えれば、アジア依存も解消される可能性もありますね。

投資家はNVIDIA株を購入するべきか?

個人的には、NVIDIA株は長期で保有したい銘柄のひとつです。

なぜならば、クラウドや人工知能向けに、需要が戦いGPUを開発する企業だからですクラウド向けのデータセンター事業が大きく売上に貢献していますね。また、定額制のクラウドゲームも好材料だし、自動運転向けのGPUでも、将来的に売上高を底上げする可能性があります。

ただし、PER75倍を超えている現状は、成長が割高に評価されている可能性もあります

現時点でNVIDIAは、インテルの7分の1の規模しかありません。2〜3年後には、世界1位の半導体メーカーに技術的な差を埋められている可能性もあります。半導体企業は性能と単価が重要視されるため、価格競争に陥りやすい分野です

最終的に価格競争に陥った時に、開発規模が大きいインテルの方が有利ですね。

個人的には、クラウド事業に投資するならば、クラウドを提供するアマゾンやマイクロソフトに投資します。半導体メーカーに投資するならば、NVIDIAとインテルの両方を所有します。なぜならば、将来的にはどちらが市場を支配しているか現時点で予測できないからです

まとめ:エヌビディアNVIDIAの四半期決算は?

NVIDIAの注目ポイントは...
  1. ゲームとデータセンター部門が、売上高の8割を占める
  2. データセンター部門は、4年で7倍に成長している
  3. ゲーミング部門は、定額制のサブスクリプションに移行した
  4. クラウド+AI、自動運転で、最大手インテルと競合する
  5. 売上高の8割は、中国や台湾などのアジアに依存している

NVIDIA株は、長期で保有したい銘柄のひとつです。

NVIDIAの最大の特徴は、最新技術であるクラウド、人工知能、自動運転に投資できる事です。クラウド事業者の人工知能を搭載するサーバ向けにGPUを販売しています。また、AIを搭載する自動運転車のGPUも開発しています。自動運転の大量生産が進めば、売上高を押上げする可能性がありますね。

2020年1Qは売上高で20%増、営業利益で173%増と好調でした。

ただし、PER75倍を超えている現状は、割高に評価されている可能性も十分にありますまず、メディアで過大に取り上げられているNVIDIAは、インテルの7分の1の規模しかないです。GPUの技術開発では先行利益を得られても、2〜3年後には技術的な差を埋める可能性もあります。

半導体企業は性能と単価が重要視されるため、最終的に価格競争に陥りやすい分野でもあります。そうなると、市場規模や開発規模で圧倒しているインテルに利があります。

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