インテルの四半期決算|2Qが増収増益でも株価は16%も暴落?

2Qの四半期決算も、アナリスト予想を上回り増収増益と好調でした。しかしながら、決算発表した翌日の株価は16%と大暴落でした。予想を大幅に上回る決算だったのに、なぜインテル株は暴落したのでしょうか?また、PER9倍以下のインテル株は、本当に割安なのでしょうか?

  • PER9倍で放置されてるインテル株は、割安なのだろうか…」
  • 「半導体メーカーは、コロナの影響をどれくらい受けるのか…」
  • 「競争他社が多い中で、インテル株に競争優位性はあるのか…」

前年比20%増で予想を上回る好決算だったが、翌日の株価で16%も暴落しました。

インテル株が暴落した理由は、次世代の半導体(7nmプロセス半導体)の製造が、予定よりも1年遅れると発表したからです。ライバル企業のAMDは、すでに7nmの半導体を発売していますね。自社で設計・製造するインテルは、ライバル企業に1年以上も差を付けられた事になります。

株価は将来価格を織り込むため、将来を悲観した投資家によって売られましたね。

今回の暴落を受けてPERは9倍だが、それでもやはり保有したい銘柄ではありません。なぜならば、半導体ビジネスの課題は、トレンドの変化が早い上に技術競争が激しい事です。

インテルの5割の売上高を占めるPC部門は、急成長している米国AMDと競合します。また、売上高の3割を占めるデータセンター部門は、GPUを開発するNVIDIAと競合します。現在は、AMDやNVIDAが優勢でも、この2社が10年後も業績を伸ばし続ける保証はないですね。

トレンドが変われば別の新興メーカーがシェアを握る可能性もありますインテル株は割安に放置されているが、成長性を考えると保有したい銘柄ではありません。

インテルの投資判断したい人向け
  1. インテル直近の4半期決算(2020年1〜3月)は?
  2. インテルの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. クラウド向けデータセンター部門は、どこまで成長できるの

インテルの四半期決算は?

インテルの四半期決算を紹介します。

第1Q決算(2020年4月20日)

第1Qの決算内容は...
  1. 売上高:198.3億ドル(前年比+23%
  2.  CCG:98億ドル(+14%
  3.  DCG:70億ドル(+43%
  4.  IoTG:9億ドル(−3%)
  5.  Mobileye:3億ドル(+22%
  6.  NSG:13億ドル(+46%
  7.  PSG:5億ドル(+7%
  8. 営業利益:70億ドル(+69%
  9. 純利益:57億ドル(+42%

インテルの四半期決算は、増収増益でかなり好調だっと言えます。

売上高は23%、営業利益は69%も伸びていますまた、IOTG(IoT向けCPU)以外の全ての事業が前期比よりもプラスです。特に伸び幅が大きいのはDCG部門(データセンター向け)で、前年比43%で成長していますDCG部門が好調なのは、クラウド事業者向けにCPUを供給しているからです。

Q1決算は、コロナの影響が少ない1-3月期でした。

しかしながら、インテルのビジネスモデルを考えると、コロナの影響を受けない銘柄だと言えます。都市封鎖や自宅ワークでネットにアクセスするユーザーが増えれば、PCやデータ通信量の需要は高まるからです。クラウド市場の拡大が続く限りは、今後もインテルは右肩上がりで成長できる可能性は高いです

第2Q決算(2020年7月23日)

第2Qの決算内容は...
  1. 売上高:197億ドル(前年比+20%
  2.  CCG:95億ドル(+7%
  3.  DCG:71億ドル(+43%
  4.  IoTG:6.7億ドル(−32%)
  5.  Mobileye:1.4億ドル(−27%)
  6.  NSG:17億ドル(+76%
  7.  PSG:5億ドル(+2%
  8. 営業利益:57億ドル(+23%
  9. 純利益:51億ドル(+22%
  10. EPS:1.19ドル(+29%

2Qの四半期決算は、アナリスト予想を上回る増収増益でした。

売上高は前期比20%増で197億ドル、営業利益は23%増で57億ドル、純利益も23%増で57億ドルでしたEPSは1.19ドル、アナリスト予想を0.15ドルも上回りましたね。クラウド事業者のデータセンター向けの半導体が好調で、前年比43%でしたね。

しかしながら、決算発表後のインテルの株価は16%も暴落しました。

暴落した理由は、次世代の半導体(7nmプロセス半導体)の製造が、予定よりも1年遅れると発表したからです。ライバル企業のAMDは、すでに7nmの半導体を発売しています。自社で設計・製造するインテルは、ライバル企業に1年以上も差を付けられた事になります。

半導体ライバルのAMDは、製造工程を台湾積体電路製造(TSMC)に委託しています。CEOのスワン氏は、インテルも外部委託にも柔軟に臨むと発言しています。

第3Q決算(2020年10月)

2020年10月に公開予定。

では、インテルの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

 インテルの10年間の損益計算書は?

2008年に15ドルだったインテルの株価は、2020年には3.8倍の58ドルまで急成長していますね。インテルに100万円を投資すれば、380万円まで増えていた事になります。では、過去10年間にどのように成長してきたのでしょうか?

インテルの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

成熟株であるインテルは、2010年以降も安定して売上を伸ばしています。過去10年間で売上高は1.8倍ほど拡大していますね。また、近年は営業利益や利益率も順調に増えている事が分かりますね。製造業としては珍しく、営業利益率は30%を超えています

営業利益率が高い理由は、圧倒的な市場規模を誇っているからです。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は、安定して成長しています。BPSが順調に伸びているのは、自社株買いの影響もありますね。また、自社株買いだけではなく、配当利回りは2%を超えています。

超大型の成熟株としては、EPSも十分な成長率だと言えますね。PERも11倍しかなく、割安に放置されている銘柄だと言えます。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

半導体ビジネスは、研究開発や技術投資が大きいです。しかしながら、インテルの投資CFは、営業CFの半分程度に抑えられていますね。フリーCF(営業CFー投資CF)は、過去10年間で順調に推移していると言えます。

では、インテル株に投資する上で、私たち投資家はどのような点に注目すれば良いのでしょうか?

インテルに投資する上で注目ポイントは?

インテルに投資する上で、注目すべき点を紹介します。

注目1:半導体で売上高1位はインテルの698億ドル?

参考:2019年半導体企業ランキング、Intelが首位返り咲き

2019年の半導体企業の売上高では、インテルが1位で698億ドルです

インテルに次いで、2位韓国サムソンが556億ドル、3位台湾TSMCが345億ドル、4位韓国SK Hynixが228億ドル、5位米国マイクロンが199億ドルと続きます。インテルとサムソンの2強が、売上高で他社を圧倒しています。インテルの売上高は、台湾TSMCの2倍ですね。

2018年は、インテルではなくサムソンが売上高1位でした。2010年代はスマホ向けの半導体が全盛期で、韓国や台湾などのアジアメーカーが勢いを伸ばしていたからです。

2019年には、再びインテルが首位に返り咲いてます。なぜならば、スマホ販売台数は2015年にピークを付け飽和状態にあるからです。スマホ向けの半導体やディスプレイに、売上高の8割を依存しているサムソン は29%も下落しています

スマホ市場が後退した事もあり、半導体企業トップ15社の売上高合計は15%も減少しています。最も下落幅が大きかったのは韓国SK Hynixで38%の減少でした。スマホに依存していた半導体メーカーは、大きく売上高を落とした事が分かります。

半導体市場全体が衰退する中で、インテルはどのように売上高を伸ばしているのでしょうか?

注目2:PCとデータセンター向けで売上高84%を占める?

部門 事業内容 売上高 前年比
1Q 2Q
CCG パソコン向けのCPUを製造販売 98億ドル +14% +7%
DCG データセンター向けのCPUを製造販売 70億ドル +43% +43%
IOTG IoT向け(デバイス組込)のCPUを製造販売 9億ドル −3% −32%
Mobileye 自動運転車向けのCPUを製造販売 3億ドル +22% −27%
NSG メモリとストレージの製造販売 13億ドル +46% +76%
PSG プログラム可能な半導体FPGAを製造 5億ドル +7% +2%

CCG部門とDCG部門が売上高の8割を占めます。そのため、この2つの部門を見れば、インテルの今後の業績を予想で聞きますね。インテルの売上高に貢献しているのは、データセンター向けのCPUですね。1Qも2Qも売上高の割合が高いにも関わらず、前年比+43%で推移している事が分かります。

データセンター向けが好調なのは、クラウド事業者の大型PCの需要が高いからですでは、インテルの売上高の大半を占める、CCG部門とDCG部門は過去にどのように推移してきたのでしょうか?

インテルの動向を探るには、PCとデータセンター向け部門の推移を見る必要があります。

注目3:クラウド需要でDCG部門は4年で74%も成長?

パソコン向けのCCG部門と、データーセンター 向けのDCG部門の4年間の推移です。

世界中のパソコンに搭載されている半導体の8割は、インテル製品だと言われています。パソコン市場で圧倒的なシェアを誇るCCG部門は、4年間で30%の伸びと緩やかに成長している事が分かります世界のPC出荷台数は減少傾向にある中で、十分に検討していると言える数値ですね。

対して、データセンター向けの方が伸び率は大きく、4年間で79%も上昇しています。

データセンター向けが好調なのは、規模が大きいクラウド向けに半導体を供給しているからです。アマゾンやマイクロソフトなどのクラウド事業が、データセンター向け半導体の需要を押し上げています。クラウドの需要が伸び続ける限りは、DCG部門の成長率もそれなりに維持できますね。

ただし、全体的にはインテルの成長率は大きくないとも言えます。PC出荷台数が減少傾向は変わらないため、いずれはインテルの成長も止まりますね。また、データセンター向けは昨年比で43%増だが、全四半期だと逆にマイナスですね

インテルの成長率や株価が弱いのは、ライバル企業の台頭が背景にあります。

注目4:新興企業に主要2部門のシェアが奪われる?

半導体ビジネスのライバルは...
  1. インテルのCPUではないノートPCが、市場に増えている
  2. AMDのCPU部門の売上高が73%も成長した
  3. 機械学習など人工知能に強いGPUの需要が、急激に増している
  4. 人工知能に強いGPUを開発する、NVIDIAが業績を伸ばしている
  5. NVIDIAのデータセンター向けの売上高は、年率比で80%成長した

半導体ビジネスに投資する上での注意点は、技術競争が激しくライバル企業が多い事です。2010年代のインテルのライバルは、低価格帯でスマホ向けに強いサムソンなど東アジア勢でしたね。2018年には、インテルは首位の座をサムソンに渡しています。

2020年代のトレンドは、クラウド向けや人工知能向けの半導体が勢いがあります。

米国企業のAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)は、パソコン向けの半導体でシャアを伸ばしています。2019年1月に1%だったノートPCのシェアが、同年末には24%まで急上昇しました。AMDのCPU部門の売上高は、前年比で73%も増加しています。

また、近年はCPUよりもグラフィックに強いGPUの需要が伸びています。

ゲーム機用に作られていたGPUだが、処理の負荷が高い人工知能との相性が高いからです。そのため、GPU半導体に強い米国企業のNVIDIAが売上を伸ばしています。クラウド環境でもGPUの需要が高く、データセンター向けの売上高は昨年比で80%も拡大しています

GPU市場には、インテル、AMDの他にグーグルも参入しています。

クラウド市場の拡大期の割に、インテルの成長率が弱いのは新興企業の台頭があるからです。ただし、現時点では、AMDもNVIDIAも市場規模は大きくないですね。NVIDIAの売上高は7分の1、AMDは10分の1だけです。しかしながら、将来的には同水準まで拡大する可能性があります。

注目5:インテルよりもAMDやNVIDAに投資するべき?

半導体企業の株価を比較すると、勝ち組と負け組がはっきりと分かれていますね。

インテルは過去5年間で株価が5倍に成長しています。対して、AMDの株価は26倍、NVIDAは18倍まで急拡大していますね株価が短期間で大きく動いているのは、市場規模が小さい割に成長率が高いからです。ただし、AMDのPERは89倍、NVIDIAは73倍と割高である点にも注意が必要ですね。

割高なのは事実だが、クラウドや人工知能の需要が拡大するならばまだ買いだと言えます。将来の株価は、将来の期待値と結果で作られるからです。

インテルINTCの株は購入するべきか?

個人的には、インテル株は長期的にも短期的にも保有したい銘柄ではありません。

中期的な視点で見れば、今後もインテルの売上高は成長する見込みが高いですPC市場の8割がインテル製品を利用し、売上高は半導体業界で世界1位と圧倒的ですね。また、データセンター向けのCPUは昨年比で43%も増え、クラウド市場の拡大で需要が増している事もプラス要因です。

しかしながら、半導体ビジネスの問題点は、ライバル企業が多い事です。

2010年代には、スマホ向けの韓国や台湾メーカーが躍動しました。2020年代は、クラウド向けの大型PCや機械学習に強いGPUが主戦場になりますね。クラウドや人工知能に賭けるならば、今後も大きく成長が見込めるAMDやNVIDIAに投資するべきです

インテルに投資するならば、成熟株や高配当株(利回り2%)として持つべきですね

ただし、個人的には競争が激しい半導体事業よりも、直接クラウドを提供するアマゾンやマイクロソフトに賭けた方が安全だと思います。なぜならば、半導体は技術力以外で差別化する要素がないからです現時点では、AMDやNVIDIAがシェアを伸ばしても、10年後も優位性があるとは限りません。

バフェット的に言うと、経済的な堀は高くないと言えますね。

まとめ:インテルINTCの四半期決算は?

インテルの注目ポイントは...
  1. インテルは、半導体メーカーで世界1位の売上高を持つ
  2. PCとデータセンター向けで、売上高の84%を占める
  3. クラウドの需要が高く、4年間で74%も成長した
  4. 新興企業2社に、主要2部門のシェアが奪われている
  5. インテルよりも、AMDやNVIDAの存在感が増している

アナリスト予想を上回る好決算だったが、翌日の株価で16%も暴落しました。

インテル株が暴落した理由は、次世代の半導体(7nmプロセス半導体)の製造が、予定よりも1年遅れると発表したからです。ライバル企業のAMDは、すでに7nmの半導体を発売していますね。自社で設計・製造するインテルは、ライバル企業に1年以上も差を付けられた事になります。

株価は将来価格を織り込むため、将来を悲観した投資家によって売られましたね。

今回の暴落を受けてPERは9倍だが、それでもやはり保有したい銘柄ではありません。なぜならば、半導体ビジネスの課題は、トレンドの変化が早い上に技術競争が激しい事です。インテルの5割の売上高を占めるPC部門は、急成長している米国AMDと競合します。

また、売上高の3割を占めるデータセンター部門は、GPUを開発するNVIDIAと競合します。現在は、AMDやNVIDAが優勢でも、この2社が10年後も業績を伸ばし続ける保証はないですね。トレンドが変われば別の新興メーカーがシェアを握る可能性もあります

インテル株は割安に放置されているが、成長性を考えると保有したい銘柄ではありません。

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