アップルの四半期決算|中国の売上高が前年比29%も減少?

20年4Qの売上高は、予想を上回るも残念な結果だったと言えます。アナリスト予想の売上高635億ドルに対して、647億ドル(前年比1%増)でした予想EPS0.70ドルに対して0.73ドルでした(前年比−4%)。投資家の期待値よりもかなり低い決算でしたね。

  • 「1年で株価は2倍に増えPERは28倍、割高なのだろうか…」
  • 「コロナでも好調なアップル、今のうちに購入した方が良いのか…」
  • サブスクやサービス重視の戦略は、成功するのだろうか…」

個人的には、アップル株は長期で保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、GAFAMの中でもアップルの伸び代は大きくはないからですすでにアップル製品は世界中の中間層に行き渡り、潜在的な市場は大きくはありません。低価格帯のスマホを投入するのは、中間層以外にもターゲットを広げるためですね。

低価格帯路線の成功は、中国市場次第だと思っています。

しかしながら、20年のアップルの動向を見ると期待値は低そうです。20年4Qは、中国市場の売上高は29%も低下しています。中国で人気が高い端末はHuaweiで、中国市場の46%を占めます。対中貿易摩擦の影響もあり、アップル製品も中国から締め出されるかもしれません。

アップルの投資判断したい人向け
  1. アップル直近の4半期決算(2020年4〜6月)は?
  2. アップルの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. サービス重視と低価格路線は、本当に成功するのか?

アップルの四半期決算は?

アップルの四半期の決算を紹介します。

20年1Q決算(2020年1月28日)

第1Qの決算内容は...
  1. 売 上 高 :918.0億ドル(前年比8%増
  2.  製品部門:791.0億ドル(前年比7%減)
  3.   iphone:559.5億ドル(前年比12%減)
  4.   Mac: 71.6億ドル(前年比4%減)
  5.   ipad:  59.7億ドル(前年比12%減)
  6.   ウェアラブル等:100.1億ドル(前年比36%増
  7.  サービス部門:127.5億ドル(前年比17%増
  8. 営業利益:255.6億ドル(前年比9%増
  9. 純 利 益 :222.3億ドル(前年比11%増

20年2Q決算(2020 年4月28日)

第2Qの決算内容は...
  1. 売 上 高 :583.1億ドル(前年比1%増
  2.  製品部門:449.7億ドル(前年比3.4%減)
  3.   iphone:289.6億ドル(前年比6.7%減)
  4.   Mac: 53.5億ドル(前年比2.9%減)
  5.   ipad:  43.7億ドル(前年比10%減)
  6.   ウェアラブル等:62.8億ドル(前年比22%増
  7.  サービス部門:133.5億ドル(前年比17%増
  8. 営業利益:128.5億ドル(前年比4.2%減)
  9. 純 利 益 :112.5億ドル(前年比2.7%減)

コロナの影響を受けて売上高は横ばい、営業利益率や純利益は減少です。

コロナ以前から見られる傾向だが、販売部門の売上高は減少傾向にありますiPhone、Mac、iPadの売上高は減少傾向にあり、唯一ウェアラブルだけが伸びています。iPhoneの売上高に占める割合は大きく、アップルとしては好ましい状況ではないですよね。

鈍化傾向にある製品部門とは対象的に、サービス部門の売上高は伸びていますアップルは、サービス主体のビジネスモデルに舵を切り、現時点では大きく成功していると言えます。サービス部門の成長を続ければ、5年後には製品部門と売上高が並ぶ可能性もあります

第2Qでは、コロナの影響で中国と日本市場の売上が少し鈍化しました。次の第3Qでは、北米や欧州の売上高が減少する可能性が高いです。しかしながら、PCやスマホは買い替えサイクルがあるため、中期的に見たらコロナの影響は軽微だと言えます

ティムクックCEOは、決算発表に合わせて500億ドルの自社株買いを追加しました。また、4半期配当も6%増加させています。コロナ危機で自社株買いや配当株を停止する企業が多い中、アップルは強気の見通しを崩していない事が分かります。

20年3Q決算(2020年7月30日)

第3Qの決算内容は...
  1. 売 上 高 :596.8億ドル(前年比+10%
  2.  製品部門:465.2億ドル(+9%
  3.   iphone:264.1億ドル(+2%
  4.   Mac: 70.7億ドル(+21%
  5.   ipad:  65.8億ドル(+31%
  6.   ウェアラブル等:64.5億ドル(+16%
  7.  サービス部門:131.5億ドル(+14%
  8. 営業利益:130.9億ドル(+13%
  9. 純 利 益 :112.5億ドル(+12%
  10. 希薄化EPS:2.58ドル(+18%

コロナが直撃した4-6月期は、アナリスト予想を大幅に上回る好決算でした。

四半期決算を発表した翌日には、アップルの株価は10%も上昇し、再び時価総額で世界1位に返り咲きましたね。3Qの売上高は、前年比10%増で596億ドルでした。営業利益は13%増で130.9億ドル、EPSは予想の2.07ドルを上回り2.58ドルで着地しました

部門別の売上高を見ると、全ての部門で売上高が大きく増えています。

特に売上増に貢献したのは、3期連続で販売不振だったiPhone、Mac、iPadの主力3製品ですね。コロナ環境下による自宅待機で、リモートワークやオンライン授業が増加した事が追い風になりましたね。アップル製品は、ビジネスだけではなく教育現場でも必需品になるのかもしれません。

20年4Q決算(2020年10月)

第3Qの決算内容は...
  1. 売 上 高 :647億ドル(前年比+1%
  2.  製品部門:501億ドル(−3%)
  3.   iphone:264億ドル(−21%
  4.   Mac: 90億ドル(+29%
  5.   ipad:  68億ドル(+46%
  6.   ウェアラブル等:79億ドル(+21%
  7.  サービス部門:145億ドル(+16%
  8. 営業利益:148億ドル(−5%)
  9. 純 利 益 :127億ドル(−7%)
  10. 希薄化EPS:0.73ドル(−4%)

20年4Qの売上高は、予想を上回るも少し残念な結果だったと言えます。

アナリスト予想の売上高635億ドル、予想EPS0.7ドルでした。4Qの売上高は前年比1%増で647億ドル、営業利益は前年比5%減で148億ドルでした。売上高もEPSも予想を上回るも、投資家の期待値よりも低い結果でしたね。

不調の原因は、5G対応の出荷が遅れたiPhoneの販売不振にあります。MacやiPad端末が好調でも、売上高比率が高いiPhoneが不調だとダメージが大きいですね。

21年1Q決算(2021年1月)

2021年1月に公開予定。

では、アップルの売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

アップルの10年間の損益計算書は?

2008年に17ドルだったアップルの株価は、2020年には20倍の350ドルまで急成長していますね。アップルに100万円を投資すれば、2000万円まで増えていた事になります。では、過去10年間にどのように成長してきたのでしょうか?

アップルの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

アップルが初代iPhoneを発売したのは2007年です。2007年以降、爆発的にアップルの売上高は増え続けています。2019年の売上高は260億ドルです。以前ほどではないが、営業利益も純利益も年々増加傾向にあります

営業利益率も25%前後と常に安定しているのが特徴です。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は安定しています。1株当たりの純資産が減少している理由は、2013年以降に配当金を出しているからですティククックCEOに交代して以降は、自社株買いや配当金など株主に還元する経営方針に変わりました。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

アップルの営業CFに占める、投資CFの割合は小さいですね。常に、フリーCF(営業CF−投資CF)は大幅な黒字を維持しています。

しかしながら、他のハイテク株と比較して、研究開発や設備投資が大幅に低いわけではありません。アップルの投資CFは100億ドルを超えていますマイクロソフトやアマゾンは130億ドル前後です。グーグルだけが特出して、200億ドルを超えています。

付加価値が高い製品を販売するアップルは、投資効率が良いビジネスだと言えますでは、アップルに投資する上で、どのような点に注目すれば良いのでしょうか?

アップルに投資する上で注目ポイントは?

アップルに投資するか決める上では、何に注目して判断すれば良いのでしょうか?

注目1:4-6月期に好調なのはMacとiPad製品だった?

製品 1Q(億ドル) 2Q 3Q 4Q
売上 前年比 売上 前年比 売上 前年比 売上 前年比
iPhone 559 -12% 289 -6.7% 264 +2% 264 -21%
Mac 71 -4% 53 -2.9% 70 +21% 90 +29%
iPad 59 -12% 43 -10% 65 +31% 68 +46%
Watch 100 +36% 62 +22% 64 +16% 79 +21%
サービス 127 +17% 133 +17% 131 +14% 145 +16%
全体 918 +8% 583 +1% 596 +10% 647 +1%

アップルはコロナで恩恵を受けている銘柄のひとつですね。

コロナ以降の3Q(4-6月期)は、MacとiPadの売上が好調だった事が分かります都市封鎖で人々が移動できなくなり、学校や会社でリモートワークの需要が増したからです。これを受けて、3Qの売上高は前年比で10%も増加しました

しかしながら、4Qの売上高はわずか1%増に止まります。

その理由は、5G対応のiPhoneの出荷が遅れ、期待した以上に売れていないからです。4QのiPhoneの売上高は264億ドル、前年比で21%も減少しています。ただし、アップルCEOが述べている通り、次四半期決算はクリスマス商戦で好調が期待できますね。

サービス部門の前年比は16%増と引き続き売上高のシェアを伸ばしていますね。

注目2:3Qのサービス部門の成長率は16%を維持?

アップルはサービス部門の売上高を増やす戦略を取っています。

製品販売は景気動向の影響を強く受けるが、サブスクリプションなどのサービス事業は利益率が高く売上が安定するからです。CEOのティムクック氏は、2019年以降サービス部門を主軸にすると発表しています。サービス部門の粗利益率は60%と高く、アップル製品の30%よりも高いです。

低価格帯のiPhone SEを販売したのも、サービス部門の売上を伸ばすためですね

しかしながら、Apple News+、Apple TV+、Apple Arcadeなどの定額制サービスは、まだまだ成功しているとは言えません。サービス部門の売上高が、どれくらいの規模まで拡大するかは不透明です。しかしながら、当分は14〜16%のレンジで成長しそうです

では、地域別の売上高はどうだったのでしょうか?

注目3:中国の売上高が29%も減速している?

地域別の売上高の前年比と前四半期の推移です。

コロナの感染者が多く、ロックダウンが厳しい北米とヨーロッパの売上高が増えている事が分かります。しかしながら、購買力が最も高い中国の売上高は29%も減速していますね。急成長する中国市場で売上高が伸びないと、将来的にアップル製品の売上高の成長は大きく鈍化します。

中国で売上高が伸びていない原因は2つ考えられますね。

ひとつは中国の景気後退が深刻で、一時的にスマホ販売台数自体が少ない事です。もうひとつは、対中貿易摩擦の影響で米国のアップルの人気が落ちている事ですね低価格帯でもアップル製品が売れなければ、今後アップルが売上高を拡大するのは難しいですね。

では、アップルのスマホ端末は世界でどれくらい売れているのでしょうか?

注目4:世界シェアは3位11.7%でも業界利益は66%?

参考:ファーウェイが再び2位浮上 1~3月のスマホ世界シェア 

スマホの世界出荷台数を見ると、アップル製品は世界3位の市場シェアです。

平均所得が高い欧米諸国や日本ではアップル所有者が多く、反対に所得が少ないアジアやアフリカでは低価格のサムソンやファーウェイの人気が高いですね。アップルが低価格帯路線に進むのは、後進国でもユーザーを増やすためです。ユーザーが増えれば、サービスの売上高も伸びますね。

しかしながら、低価格路線が成功するかは不確実性も高いです。

なぜならば、低価格路線に進む事によって、アップル自身のブランド力を低下させるからですアップルはスマホ市場で11%しかないのに関わらず、業界利益の66%を独占しています利益率が少ない製造業で、唯一圧倒的なブランド力を保持しているからです。

市場シェアを増やす事に成功できても、市場優位性は確実に薄れる点に注意が必要ですね。

注目5:グロース株から高配当成熟株へ移行してる?

アップルは、グロース株から成熟株への移行期にあります。

2012年以降は、稼いだ利益を自社株買いや配当金で還元しています。1株あたりに配当金は3ドル前後、配当性向は20%前後で推移していますね順調に株価が急騰を続けるアップルだが、かつてのように高い成長率を期待するのは難しくなっています。

配当金を吐き出す事で、自己資本比率も20%前後まで減少しています。

投資家はアップル株を購入するべきなのか?

アップル株を購入すべきでない理由は...
  1. コロナで売上高は2桁成長だが、特需が期待できるとは限らない
  2. 低価格帯路線に進む事で、アップルのブランド力が低下する
  3. 売上高の製品販売に占める割合が大きく、景気循環の影響を受ける
  4. 世界中にアップルの販売網が行き渡り、全体的に伸び代が少ない
  5. 販売を増やすには、中国やアジア、アフリカを狙う必要がある
  6. スマホ市場が最も大きい中国で、売上高の減少が大きい
  7. 中国市場では、Huwaiのシェアが大幅に伸びている
  8. アマゾンと比較すると、潜在的な成長率は大きくはない

個人的には、アップル株は長期で投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、GAFAMの中でもアップルの伸び代は大きくはないからですすでにアップル製品は世界中の中間層に行き渡り、これ以上の価格帯でユーザー数を増やすのは難しいですね。そのため、低価格帯の商品を増やし、主軸をサービス部門に切り替えようとしています

アップルの低価格路線が成功するかは、中国市場次第だと言えますね。

中国で人気が高い端末はHuaweiで、中国市場の46%を占めます。高性能なスマホ端末で価格帯もかなり安いですね。おそらく、中国市場でアップルの製品が売れなければ、アジアやアフリカ地域でもHuaweiに負ける可能性が高いです。

20年は中国市場の売上高が29%も下がり、悲観的にみています。

まとめ:アップルAAPLの四半期決算は?

アップル株の注目ポイントは...
  1. グロース株から、安定成熟株へ移行段階にある
  2. サービス部門の売上高の成長率は14%、少し鈍化傾向にある
  3. アップル製品のシェアは、世界3位で11.7%ある
  4. 低価格路線は、アップルの競争優位性を長期で低下させる
  5. 欧米諸国や日本とは対照的に、中国の販売数は伸びていない

アップル株は長期で保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、GAFAMの中でもアップルの伸び代は大きくはないからですすでにアップル製品は世界中の中間層に行き渡り、潜在的な市場は大きくはありません。低価格帯のスマホを投入するのは、中間層以外にもターゲットを広げるためですね。

低価格帯路線の成功は、中国市場次第だと思っています。

しかしながら、20年のアップルの動向を見ると期待値は低そうです。20年4Qは、中国市場の売上高は29%も低下しています。中国で人気が高い端末はHuaweiで、中国市場の46%を占めます。対中貿易摩擦の影響もあり、アップル製品も中国から締め出されるかもしれません。

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