グーグルの四半期決算|3Qは前年比14%増でV字回復に成功?

コロナ後の7-9月期決算は、アナリスト予想を大幅に上回る好決算でしたね。予想売上高428億ドルに対して461億ドル(前年比14%増)、予想EPS11.2ドルに対して16.4ドル(62%増)でしたね。グーグルクラウドは依然として成長率が高く前年比44%の伸びです。

  • 「上場以来初のマイナス成長、グーグル株は投資しない方が良い…」
  • 「コロナの影響で、グーグルの広告収入はどれくらい影響を受けるのか…」
  • 「広告収入が落ち込んでも、Youtubeやクラウドがあるから問題ない…」

個人的には、グーグル株は長期保有で投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、売上高の8割を占めるGoogle検索が、コロナ以前から1桁台の低成長に陥っているからです。これは、グーグルの検索ビジネスが時代の流れに合わなくなってきた可能性が高いです。

ネットの広告費は、Facebookやインスタグラムなどのモバイル向けに流れています。また、依然と比較してグーグル検索を利用するユーザーの数は激減しています。鮮度が高い情報を知りたい時はSNS、商品を購買する時はアマゾンを利用するからです。

実際に、Amazonで商品検索する人の割合が63%に急増する中で、グーグル検索は2年間で55%から26%まで激減しています(参考:Googleに替わり、Amazonが検索エンジンになっている)。

また、今後は中国と同様に、SNSを利用したプッシュ型の商品販売や広告が増える可能性が高いですね。グーグルが再び成長軌道に乗るには、Google検索広告以外で収益化する必要があります。

グーグルの投資判断したい人向け
  1. グーグル直近の4半期決算(2020年1〜3月)は?
  2. グーグルの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. コロナの影響で、広告収入はどれくらい減少するの?

グーグル(GOOG)の四半期決算は?

Googleの四半期の決算を紹介します。

第1Q決算(2020年4月24日)

第2Qの決算内容は...
  1. 売上高:411.5億ドル(前年比+13%
  2.  Google検索広告:245.0億ドル(+9%
  3.  Youtube広告: 40.3億ドル(+33%
  4.  アドセンス広告等:55.2億ドル(+4%
  5.  Googleクラウド: 27.7億ドル(+52%
  6.  その他:44.3億ドル(+22%
  7. 営業利益:79.7億ドル(+19%
  8. 純利益:68.3億ドル(+2.7%
  9. 希薄化EPS:9.87ドル(+1%

グーグル株は、コロナの影響を受けると言われていました。しかしながら、1Qの決算は予想に反して増収増益でしたね。売上高も営業利益も伸び率は小さいが、全ての数値が前年を上回っています。1Qの決算を好感して、株価はコロナ前の水準に順調に戻しつつあります。

ただ、事業別では明暗がはっきりと分かれている点に注意が必要です

巣籠もり銘柄で好調なYoutube広告と、クラウド市場の伸び率は大きいです。一方で、従来の主力事業であるGoogle検索やアドセンス広告は大きくありません。Google検索の成長率は以前から低迷しており、収益の多角化に力を入れていた所でコロナショックが発生しました

広告費に大きく依存しているグーグルは、今後は成長が鈍化する事が予想できます。

第2Q決算(2020年7月30日)

第2Qの決算内容は...
  1. 売上高:382.9億ドル(前年比−2%
  2.  Google検索広告:213.1億ドル(−10%)
  3.  Youtube広告: 38.1億ドル(+5%
  4.  アドセンス広告等:47.3億ドル(−10%)
  5.  Googleクラウド: 30.0億ドル(+42%
  6.  その他:51.2億ドル(+25%
  7. 営業利益:63.8億ドル(−31%)
  8. 純利益:69.5億ドル(−31%)
  9. 希薄化EPS:10.13ドル(−29%)

4-6月期はコロナの影響を大きく受け、上場以来初のマイナス成長です。

売上高は前年比2%減で382.9億ドル、営業利益は31%減で63.8億ドルでした。EPSはアナリスト予想の8.21ドルを上回るも、前年比29%減で10.13ドルです事業別の売上高を見ると、広告費関連が大きく減少した事が分かります。売上比率が最も高い主力のGoogle検索は、前年比で10%もマイナスでしたね

ただ、3-6月期の米国GDPが3割減少した事を考えると、逆によく健闘したと感じる決算でした。広告費収入が大きく落ち込むも、巣籠もり特需のYoutube広告はプラスです。また、Googleクラウドや端末販売などのその他の事業も売上高に貢献しています。

経済活動が再開して景気回復すれば、広告収入はいずれ戻りますね。

第3Q決算(2020年9月30日)

第3Qの決算内容は...
  1. 売上高:461.7億ドル(前年比+14%
  2.  Google検索広告:263.3億ドル(+6%
  3.  Youtube広告: 50.3億ドル(+32%
  4.  アドセンス広告等:57.2億ドル(+8%
  5.  Googleクラウド: 34.4億ドル(+44%
  6.  その他:54.3億ドル(+35%
  7. 営業利益:112.1億ドル(+24%
  8. 純利益:112.4億ドル(+59%
  9. 希薄化EPS:16.40ドル(+62%

コロナ後の7-9月期決算は、アナリスト予想を大幅に上回る好決算でしたね。予想売上高428億ドルに対して461億ドル(前年比14%増)、予想EPS11.2ドルに対して16.4ドル(62%増)でしたね。グーグルクラウドは依然として成長率が高く前年比44%の伸びです。

しかしながら、依然として売上高の8割を占めるGoogle検索広告の成長率は低いです

グーグルがコロナ後に成長軌道に乗るには、Google検索以外で成長ドライバとなる事業が必要です。Youtubeとクラウドの伸び率は高いが、まだまだ売上高に占める割合は大きくないですね。

第4Q決算(2021年1月)

2021年1月に公開予定。

では、グーグルの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

グーグルの10年間の損益計算書は?

2008年に141ドルだったグーグルの株価は、2020年には10倍の1441ドルまで急成長していますね。グーグルに100万円を投資すれば、1000万円まで増えていた事になります。では、過去10年間はどのように成長してきたのでしょうか?

グーグルの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

グーグルは2004年に上場して以来、順調に右肩上がりで成長しています。グーグルの売上高は、既存メディアのテレビや新聞から広告費を奪う事で、破壊的に急拡大した企業です。営業利益率は減少傾向にあるものの、それでも22%と高い水準を出しています。

ただし、近年はGoogle検索による広告収入が伸び悩んでいました。

さらに、コロナによる景気後退により、さらに広告費が大幅に減少するかもしれません。今後は、広告収入一辺倒から、多角的に収益を出せるかが大きな分かれ道です。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は安定しています。特に、EPSは2018年で大きく伸びている事が分かります。グーグルクラウドの影響で、利益率が高いビジネスが徐々に成功している影響かもしれません。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

グーグルは研究開発に活発な企業として知られています。自動運転者、AI研究、ベンチャー投資、生命科学研究など、様々な分野に積極的に投資しています。投資CFが235億ドルと巨大だけれども、あり余るほどの広告収入で打ち消しています

フリーCF(営業CF−投資CF)は常にプラスです。自己資本比率は74%と高く、今後も研究開発費や先行投資が経営を圧迫する事はないですね

では、グーグル株を購入する上で、投資家はどのような点に注目すれば良いのでしょうか?

グーグルに投資する上で注目ポイントは?

グーグルに投資する上では、具体的には何に注目して決めれば良いのでしょうか?

注目1:コロナで主力の検索広告が10%のマイナス?

事業 19Q4 20Q1 Q2 Q3
売上 前年比 売上 前年比 売上 前年比 売上 前年比
Google検索 271 +16% 245 +9% 213 -10% 263 +8%
Youtube 47 +30% 40 +33% 38 +5% 50 +32%
Adsense 60 +7% 55 +4% 47 -10% 57 +8%
クラウド 26 +52% 27 +52% 30 +42% 34 +44%
その他 47 +10% 44 +22% 51 +25% 54 +35%
全体 460 +17% 441 +1% 382 -2% 461 +14%

グーグルの事業別の売上高と前年比の推移です。

グーグルは、20年3Qの決算でコロナから大きく回復したと言えますね2Qは広告費の削減で大きく収益が悪化したが、Q3で早くも持ち直しています。特に回復幅が大きいのが、Youtube広告ですね。Youtubeは有料チャンネルを開設するなど、テコ入れした結果が早期に出ましたね。

グーグルだけではなく、FacebookやTwitterの業績も回復しています多くの企業は広告費を、コロナ以前の水準に戻しつつあると言えそうです。

ただし、売上高比率が最も高いGoogle検索エンジンは、一桁成長にとどまる点には注意が必要ですね。Googleクラウドは、コロナ前後で変わらずに高い成長率を維持しています。

ただし、注意すべき点として、グーグルはかつてほどの勢いはありません。Google検索エンジンの成長率は、依然として低迷したままです。

注目2:20年3Qで売上成長率は16%まで回復?

グーグルの四半期毎の売上高と成長率の推移です。

コロナで売上高成長率が2%減まで落ち込むも、20年3Qは16%増とV字回復に成功しています経済回復に合わせて、徐々に広告費が増えることを考えると、売上高は再び上昇する可能性もありますね。

ただし、主力の検索エンジンだけでは、売上高が成長軌道に乗るのは難しいと思います。

なぜならば、検索エンジンはコロナ以前から1桁台の成長率に低迷しているからです。グーグルの広告費は、モバイル向けのファイスブックに奪われています。グーグルの検索エンジンではなく、TwitterなどのSNSで検索する20代も増えていますね。

また、商品をネットで購入する人は、グーグルではなくアマゾンで検索します。実際に、米国ではグーグルで検索する人の割合は、14年の55%から16年の26%まで激減しています(参考:Googleに替わり、Amazonが検索エンジンになっている)。

そのため、グーグルはYoutubeやクラウドなど、新しい成長エンジンが必要となります。では、成長事業であるクラウドの成長率はどれくらいあるのでしょうか?

注目3:クラウドは売上高の13%だが成長率は44%?

グーグルは、以前とは違い広告費以外の収入も着実に増やしています。

特に大きいのが、売上高で30億ドルを超えるGoogleクラウドです。売上高は全事業の13%と小さいが、42%以上の高い成長率を誇りますネット通信量は今後も増大する一方なので、クラウドの売上高は今後も増えていくと予測できますね。

また、グーグルは人工知能による完全自動車も開発しています。完全自動車は競合他社が多いが、グーグル車が頭ひとつ抜けた状態でリードしています。完全自動車が商用化されたら、コア技術を先行開発しているグーグルが大きな恩恵を受けますね

ただし、コロナ危機の影響で、CEOのピチャイ氏はかなり悲観的な見方をしている点には注意が必要です。

スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)によると、同社はまず、雇用から見直すという。従業員宛のメモで同氏は「一部の戦略的重要分野では採用を続けるが、採用のペースを著しく落とすべき時期だと考えている」と述べた。また、データセンターの新設や設備拡充といった分野でも投資を抑制する方針を示したという。

参考:グーグル、新型コロナの影響で今年の投資大幅削減

注目4:Gooleクラウドは大手2社に大きく遅れている?

参考:18年4Qのクラウドインフラ市場

クラウド アマゾン マイクロソフト グーグル アリババ その他
IaaS+PaaS 39% 19% 9% 6% 27%
IaaS 47.8% 15.5% 4.0% 7.7% 25%

成長が期待されるGoogleクラウドだが、市場シェアは低く出遅れた感があります。また、今後の伸び率も期待するよりも伸びないかもしれません。なぜならば、クラウド市場は先行者が有利で、規模が大きいほど競争優位性が圧倒的に高いからです

規模が大きければ低単価でサービスを提供できるため、投資効率が高いです。すでに市場を独占しているアマゾンと、BtoBに強いマイクロソフトが急速にシェアを伸ばし、この2社で市場を独占しています。

投資家はグーグル株を購入するべきなのか?

投資するべきではない理由は...
  1. ネット広告が成長要因だが、売上高の8割が広告費に依存している
  2. コロナ危機が発生する以前から、ネット広告は鈍化傾向にある
  3. コロナ直撃した4-6月期決算で、上場以来初のマイナス成長に陥る
  4. 経済再開が長引けば、さらに広告費を抑制する企業が増える
  5. 米国では、検索エンジンを利用するユーザーが減っている

個人的には、グーグル株は長期保有で投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、売上高の8割を占めるGoogle検索が、コロナ以前から1桁台の低成長に陥っているからです。米国では、グーグル検索を利用する人は急激に減少しています。20代の若い人は、グーグル検索ではなくTwitterやインスタグラムで知りたい内容を検索します。

特にモバイル向けの広告費は顕著で、FacebookやTwitterにシェアを奪われていますね。

また、購買目的での検索は、グーグルではなくアマゾンが利用されますね。Amazonで商品検索する人の割合が63%に急増する中で、グーグル検索は2年間で55%から26%まで激減しています(参考:Googleに替わり、Amazonが検索エンジンになっている)。

Googleの検索エンジンは、以前と比較して利用される用途が激減していますね。そのため、再び売上高が成長軌道に乗るには、検索エンジン以外で収益化を強化する必要があります。

まとめ:グーグルGOOGの四半期決算は?

グーグルの注目ポイントは...
  1. グーグルの売上高は、8割以上が広告収入に依存している
  2. コロナの影響で、上場以来初のマイナス成長に落ち込む
  3. 3-6月期でGDP3割落ち込む中で、前年比2%減に抑えられた
  4. グーグルCEOは、新規採用や設備投資を抑制すると発表した
  5. Googleクラウドは、3番手でAWSやAzureに遅れている

個人的には、グーグル株は長期保有で投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、売上高の8割を占めるGoogle検索が、コロナ以前から1桁台の低成長に陥っているからです。これは、グーグルの検索ビジネスが時代の流れに合わなくなってきた可能性が高いです。

ネットの広告費は、Facebookやインスタグラムなどのモバイル向けに流れています。また、依然と比較してグーグル検索を利用するユーザーの数は激減しています。鮮度が高い情報を知りたい時はSNS、商品を購買する時はアマゾンを利用するからです。

実際に、Amazonで商品検索する人の割合が63%に急増する中で、グーグル検索は2年間で55%から26%まで激減しています(参考:Googleに替わり、Amazonが検索エンジンになっている)。

また、今後は中国と同様に、SNSを利用したプッシュ型の商品販売や広告が増える可能性が高いですね。グーグルが再び成長軌道に乗るには、Google検索広告以外で収益化する必要があります。

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