アマゾンの四半期決算|7-9月期も前年比37%増でEPSは2.9倍

コロナ後の7-9月期決算も、アナリスト予想を大幅に上回る好決算でしたね。予想売上高564億ドルに対して961億ドル(前年比37%増)、予想EPS7.41ドルに対して12.37ドル(2.9倍)でしたね。アマゾンの利益の大半を生み出すAWSは前年比29%成長でした。

  • 「アマゾン株が欲しいけど、PERが131倍で怖くて買えない…」
  • 営業利益率が5%しかなく、アマゾンに投資するのは怖い…」
  • 「常に投資家の期待値が高く、いつ株価が暴落するか分からない…」

個人的には、アマゾン株は長期で保有したい銘柄のひとつです。

なぜならば、コロナ環境下でも売上高が加速できる数少ない優良銘柄だからですね4-6月期の決算は40%増、コロナで経済が少し落ち着いた7-9月期も37%と好調でした。コロナから完全に回復した後でも、高い成長率を維持すると個人的には思っています。

成長著しいGAFAの中でも、ポテンシャルが最も高いのはアマゾンだと言えます。

なぜならば、Eコマース市場でのシェアは49%の独占企業でも、小売全体でみた場合は5%にしか過ぎません。また、小売最大手ウオールマートの3分の1の売上高しかなく、まだまだ小売トップとの差は大きいです。

また、中国のEC化率36%と比較すると、EC率10%の米国はまだまだ伸び代があります中国ほどには急激にEC化が進まなくても、長いスパンでみたら追随するのは間違いありません。

すでに、世界中にサービスを提供したアップル、グーグル、フェイスブックと比較して、アマゾンの成長余地はまだまだ大きいと言えます。

アマゾンの投資判断したい人向け
  1. アマゾン直近の4半期決算(2020年7〜9月)は?
  2. アマゾンの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. クラウドAWSの売上高はどこまで成長するのか?

アマゾンの四半期決算は?

アマゾンの四半期の決算を紹介します。

第1Q決算(2020年4月30日)

第1Qの決算内容は...
  1. 売上高:754.5億ドル(前年比+26%
  2.  オンラインストア:366億ドル(+25%
  3.  実店舗:46億ドル(+8%
  4.  第三者販売売上:144億ドル(+31%
  5.  定期購入:55億ドル(+29%
  6.  AWS:102億ドル(+33%
  7.  その他:39億ドル(+44%
  8. 営業利益:39.89億ドル(−10%)
  9. 純利益:25.35億ドル(−29%)
  10. 希薄化EPS:5.01ドル(−30%)

アマゾンは前年度と比較して、売上高が大きく成長しています。しかしながら、営業利益、純利益、希薄化EPSは前年度よりも減少傾向にありますね

売上高が2桁成長だった理由は、コロナの外出規制で、食料品や日用品の需要が増えたからです。アマゾンプライムや電子書籍なども、巣籠もり特需を受けるため大幅に増収しています。一方で、利益が大幅に減った理由は、コロナ対策で備品購入や従業員の雇用を増やしたからです

CEOのジェフ・ベゾスは、4-6月期にも40億ドルの利益をコロナ対策に使うと発表しています。そのため、来期もコロナ特需で売上高は増えるけれども、営業利益や純利益は増えない事が予想できますね。

第2Q決算(2020年7月30日)

第2Qの決算内容は...
  1. 売上高:889.1億ドル(前年比+40%
  2.  オンラインストア:458億ドル(+48%
  3.  実店舗:37億ドル(−13%)
  4.  第三者販売売上:181億ドル(+52%
  5.  定期購入:60億ドル(+29%
  6.  AWS:108億ドル(+29%
  7.  その他:42億ドル(+41%
  8. 営業利益:58.4億ドル(+89%
  9. 純利益:52.4億ドル(+92%
  10. 希薄化EPS:10.3ドル(+98%

2Qの決算は、アナリスト予想を大幅に上回る好決算でした。

売上高は前年比40%増で889.1億ドル、営業利益は前年比89%増で58.4億ドルでした。一株当たりの利益は、アナリスト予想の1.51ドルを大幅に上回る10.3ドルで着地しました。部門別の売上高を見ると、マイナスだったのは実店舗だけです。

実店舗以外の全ての部門は、大きく2桁成長した事が分かりますね。前年同期比で営業利益が2倍近く伸びた理由は、利益率が高い第三者販売売上や定期購入、AWSが売上に貢献したからです。また、コロナ対策に40億ドル計上したにも関わらず、これでけ営業利益が増えたのは良い兆候ですね。

今後はコロナ対策費用も縮小するため、今期の営業利益率6.5%はさらなる改善が見込めます

第3Q決算(2020年10月31日)

第3Qの決算内容は...
  1. 売上高:961.4億ドル(前年比+37%
  2.  オンラインストア:483.5億ドル(+38%
  3.  実店舗:37.8億ドル(−10%)
  4.  第三者販売売上:204.3億ドル(+55%
  5.  定期購入:65.7億ドル(+33%
  6.  AWS:116億ドル(+29%
  7.  その他:53.9億ドル(+51%
  8. 営業利益:61.9億ドル(+96%
  9. 純利益:63.3億ドル(2.96倍
  10. 希薄化EPS:12.37ドル(2.92

3Qの決算も、アナリスト予想を大幅に上回る決算でしたね。アナリスト予想の売上高は564億、EPSは7.41ドルでした。

対して、20年3Qの売上高は前年比37%増で961億ドル、営業利益は前年比96%増で61.9億ドル、希薄化EPSは2.9倍の12.37ドルです。3Qの売上に対して、好調を継続できるか懸念を感じていたアナリストや投資家は多かったですね。

彼らの予想に反して、大幅に業績が好調あった事を示しています。

20年4Qは、クリスマス商戦が控えている上に、10月に開催された「プライムデイ」の売上も含まれます。そのため、アナリストは4Qの売上高を1120~1210億ドル、営業利益を10〜45億ドルで予想しています。

アナリストの予想通りだった場合、アマゾンの売上高は前年比で33%プラスになります。

20年4Q決算(2021年1月末)

2020年10月に公開予定。

では、アマゾンの売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

アマゾンの10年間の損益計算書は?

2008年に38ドルだったアマゾンの株価は、2020年には71.9倍の2,734ドルまで急成長していますね。アマゾンに100万円を投資すれば、7190万円まで増えていた事になりますね。では、過去10年間にどのように成長してきたのでしょうか?

アマゾンの損益計算書やキャッシュフローを紹介します。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

アマゾンの売上高は、過去10年間で10倍にも拡大しました。

普通ではあり得ないペースで、アマゾンが急成長している事が分かりますね。売上高は342億ドルから、10倍近い2,805億ドルにまで増えています小売最大手のウオールマートの売上高は5,239億ドルです。今のペースで成長が進めば、5年後には追い越している可能性もあります。

アマゾンは利益が出ない企業として、投資家に敬遠されていた銘柄でもあります。しかしながら、018年以降は利益を出す体質に変わりつつあります利益率が高いクラウドビジネスに成功し、どれだけ営業利益を改善できるかが注目ですね。

アマゾンの営業利益率5%は、小売業界の中では低い水準ではありません。小売で最も成功しているウオールマートでも、営業利益率は3.9%しかないからです。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

BPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)も順調に推移しています。

EPSからも分かる通り、2018年以降はしっかりと利益を出す企業に変わりつつあります。10年前と比較してEPSは10倍に増えています。強気の予想をするアナリストによると、3年後には50ドルを超えると予測するアナリストもいます

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

アマゾンは利益度外視で、積極的に投資する会社だと知られています。

しかしながら、2015年以降はフリーCF(営業CF−投資CF)もしっかりと増やしています。むしろ、キャッシュフローを見ると、営業CFで稼いだキャッシュ内で投資する、健全な経営基盤の会社に見えますね。2018年以降は、投資が成功し成長軌道に乗り始めた兆候も見えますね。

では、アマゾンに投資する上では、どのような点に注目すればいいのでしょうか?

アマゾンに投資する上で注目ポイントは?

アマゾンに投資するか決める上では、何に注目して判断すれば良いのでしょうか?

注目1:4-6月期だけでオンラインストア売上が48%増?

コロナ後の7-9月期でも、アマゾンは大きく業績を伸ばしている事が分かります。

特に伸び率が高いのは、第三者販売売上の55%です。製品を製造して販売するよりも、第三者販売売上は利益率が高いビジネスですね。また、プライム会員費が29%も増えていることも好感できます。なぜならば、プライム会員になると、利用者はよりアマゾンで買い物をするからです。

一般会員の年間購買単価625ドルに対して、プライム会員は1500ドルです。つまりは、プライム会員になれば、オンラインストアの売上高を押し上げる効果がありますね。新たにプライム会員になったユーザーは、今年のクリスマス商戦でもアマゾンで買い物する可能性が高いです。

では、地域別売上高と営業利益も見てみましょう。

注目2:クラウドAWSだけで営業利益の56%を占める?

事業 売上高(億ドル) 営業利益(億ドル) 営業利益率(%)
1Q 2Q 3Q 1Q 2Q 3Q 1Q 2Q 3Q
北米 461 554 593 13 21 22 2.8% 3.7% 3.7%
海外 191 226 251 -4 3 4 1.3% 1.5%
AWS 102 108 116 30 33 35 29.4% 30.5% 30.1%
合計 754 889 961 39 58 61 5.1% 6.5% 6.3%

アマゾンはクラウドで稼いだ利益を、北米や海外事業に投資しています。

AWSの営業利益率は30%と高く、北米の利益率は3.7%、海外は1.5%しかありません。20年1QのAWSの売上高は102億と少ないが、営業利益に占める割合は76%でしたコロナによる小売業の好調で、AWSの利益率の割合が57%に低下したのは良いニュースですね。

ただし、アマゾンの営業利益率がとりわけ低いわけではありません。小売業は全般的に利益率が低く、小売業界最大手のウオールマートでも、営業利益率は3.9%だけです。

個人的には、コロナ危機で海外の営業利益が黒字化できた事が嬉しいです

注目3:6年で10倍のAWSも成長率は29%まで低下?

コロナ環境下でも好調な決算だが、AWSの成長率は引き続き低下しています。

好調なアマゾン株の成長を支えているのは、営業利益率が30%を超えるクラウド事業です。2014年1Qで10億ドルだった売上高は、わずか6年間で10倍の108億ドルまで成長しています。しかしながら、20年2Q決算で30%を下回り、3Qも前年比は29%増に止まります。

AWSの規模を考えると、今後も20%台の成長が続きますね。Azureやグーグルクラウドの成長率は高いが、両方とも市場規模が小さいからです。

また、アマゾンは配送コストが膨らんでいる事も懸念材料のひとつです。

注目4:コロナ環境下で配送コストが68%も増加?

アマゾンの利益を圧迫している1番の原因は、配送コストが高い事です。

2020年2Qの配送コストは、前四半期の68%増で137億ドルでしたアマゾンの営業利益は58億ドルしかないため、いかに配送コストが大きいかが分かりますね。2Qの配送コストが大きいのは、コロナ環境下で従業員の安全を保つために、マスクやフィールドにも費やしたからです。

配送コストの上昇具合を見ると、コロナ危機以降も増加する事が予想できますね

しかしながら、配送コストが増加を続けるのは、完全自動車が完成するまでだと言えます。完全自動車が完成すれば、配送に掛かる人件費を大幅に圧縮できますね。そのため、配送コストが増大しても、将来的には営業利益を大きく改善するチャンスだと言えそうです。

アマゾンに投資する上で、重要なのはクラウド市場の動向を見る事ですね。

注目5:クラウド市場は年300億ドルで急成長している?

参考:Revenue to Grow 17.5 Percent in 2019

米国調査会社のガートナーは、クラウド市場について強気な予測をしています。

クラウド市場は、年間300億ドル(年率16.1%)で成長すると言います。そして、成長速度が最も高いのは、SaaS(年率15.8%)、PaaS(年率19.5%)、IaaS(年率25.9%)です。インフラの市場規模は、2020年に490億ドルあるが、2年間で760億ドルに急成長すると予測します

アマゾンはクラウド市場で最も、競争優位性が高いです。なぜならば、クラウド関連企業にインフラを提供しているIaaSは、成長率が最も高い上に、利益率が圧倒的に高いからですアマゾンAWSは、インフラ環境を提供するクラウドサービス です。

IaaSのクラウドシェアは、アマゾン1社だけで47.8%と独占状態です。

  • SaaS:アプリやソフトウェア
  •  → Office、Mailなどネット経由でアプリやソフトウェアを提供する
  • PaaS:プラットファーム
  •  → AzureやGoogle App EngineなどのミドルやOSを提供する
  • IaaS:インフラ
  •  → AzureやAWSなどのインフラを提供する

注目6:IaaS市場はアマゾンAWSが47.8%を占める?

参考:IaaS+PaaSクラウド市場、AWSの首位ゆるがず世界IaaSパブリッククラウド市場

クラウド アマゾン マイクロソフト グーグル アリババ その他
IaaS+PaaS 39% 19% 9% 6% 27%
IaaS 47.8% 15.5% 4.0% 7.7% 25%

クラウドサービスのIaaS市場では、Amazonが圧倒的なシェアを誇ります。

ただし、近年はマイクロソフトがシェアを伸ばしている点に注意が必要ですね。アマゾンはIaaSしか参入していないが、マイクロソフトはIaaS、PaaS、SaaSの全ての分野に参入しています。全クラウド市場のトータルでは、マイクロソフトの方が売上高は高いです(参考:MSのクラウド売上高がAWSを上回る?)。

ただし、プラットフォームやインフラでは圧倒的にアマゾンの方が有利ですね最も利益率が高いIaaSでは、アマゾンだけで市場全体の47.8%を占めます。マイクロソフトがIaaS市場で追いつくのは、10年以上先かもしれません。

投資家はアマゾン株を購入するべきなのか?

アマゾンを購入すべき理由は...
  1. コロナ環境下でも、売上高は前年比で40%も拡大した
  2. 実店舗以外の全ての事業で、売上高が2桁成長している
  3. 2QのEPSは2倍、利益を出せる体質に転換している
  4. 利益率が高いAWSが、年率29〜35%で成長している
  5. 利益率が低い小売業界で、営業利益率はWalmartの2倍ある

個人的には、アマゾン株は長期で保有したい銘柄のひとつです。

なぜならば、コロナ環境下での4-6月期の決算でも、売上高は40%も拡大したからですまた、営業利益は89%増で58.4億ドル、EPSは98%増で10.3ドルと利益が改善できた点も大きなプラス要素ですね。コロナ環境下でもこれだけ高い成長率は、成長著しいGAFAMの中でもトップでしたね。

また、本業のオンラインストアだけではなく、利益率が高いクラウド事業も魅力です

しかしながら、アマゾン株に投資する上で不安材料もあります。ひとつは、コロナでリモートワークやテレビ会議が加速する中で、クラウドの売上成長率が鈍化した事ですAWSの低下が4Q以降も続くようだと、アマゾンへの投資を再考した方が良いかもしれません。

小売ビジネスだけでは、アマゾンの高いPERを正当化するのは難しいです。

まとめ:アマゾンAMZNの四半期決算は?

アマゾン株の注目ポイントは...
  1. アマゾンの粗利益率は26%、業界最大手よりも高い
  2. クラウドAWSだけで、営業利益率の56%を占めている
  3. クラウド市場は、年率300億ドルで急成長している
  4. IaaS市場では、AWSのシェアが47.8%で独占状態にある
  5. アマゾンAWSの売上高は、10年間で10倍に成長している
  6. クラウドビジネスは、電力と同様に発電所モデルに移行してる
  7. バリュー投資家のバフェットも、2019年にアマゾン株を購入

個人的には、アマゾン株は長期で保有したい銘柄のひとつです。

なぜならば、コロナ環境下でも売上高が加速できる数少ない優良銘柄だからですね4-6月期の決算は40%増、コロナで経済が少し落ち着いた7-9月期も37%と好調でした。コロナから完全に回復した後でも、高い成長率を維持すると個人的には思っています。

成長著しいGAFAの中でも、ポテンシャルが最も高いのはアマゾンだと言えます。

なぜならば、Eコマース市場でのシェアは49%の独占企業でも、小売全体でみた場合は5%にしか過ぎません。また、小売最大手ウオールマートの3分の1の売上高しかなく、まだまだ小売トップとの差は大きいです。

また、中国のEC化率36%と比較すると、EC率10%の米国はまだまだ伸び代があります中国ほどには急激にEC化が進まなくても、長いスパンでみたら追随するのは間違いありません。

すでに、世界中にサービスを提供したアップル、グーグル、フェイスブックと比較して、アマゾンの成長余地はまだまだ大きいと言えます。

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